お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆
(ゲットアウト)のジョーダン・ピール製作・脚本によるカルト的な人気を誇る伝説的ホラーのリメイク、、と思いきや1作目の出演者も登場する正統続編!!オリジナルへのリスペクトに溢れています!!お薦め!!
作品紹介
2021年10月15日公開
今回ご紹介するのは、伝説的名作ホラー(キャンディマン)の正統続編です。
それでは、まずはあらすじから、
シカゴにある元公営住宅地区を取り壊して建設された高級マンションに画廊を経営する恋人ブリアンナ(テヨナ・パリス)と共に住む画家のアンソニー(ヤーヤ・アブドゥル・マティーン2世)は、
次の作品の題材用に、その土地に伝わる、鏡に向かって5回、その名前を唱えると鉤爪の男が現れて襲われる、という都市伝説に興味を持ち始める。
しかし、その伝説を調査するうちに、自身の存在にも関係する驚愕の事実に行き着くのだった!?
1992年に公開された傑作カルトホラー(キャンディマン)の正統続編です。
オリジナルは、キャンディマンの伝説に興味を持った大学院生が、伝説について調べを進めていくうちに、キャンディマンを復活させてしまい、
主人公の周りで次々に殺人がおき、自身がその犯人にされ、最終的に精神病院に強制入院させられてしまう、というストーリーで、
夢と現実がはっきりと区別がつかなくなっていく主人公の精神的な苦闘を、独特の映像美で描いている傑作ホラーでした。
一作目のヒットにより、その後キャンディマン役のトニー・トッドのみ続投でシリーズ化され、3作目まで製作されました。
その後年月が経過しての本作、という事になりますが、基本的なストーリーは1作目の続きですので、2と3は基本的には無かった事になっている
という、(ハロウィン)の新作シリーズのような構成の続編となっています。
さらに、オリジナル(1作目)の物語に関しても、その出来事自体が都市伝説のように詳しく解説してくれますので、
オリジナルを鑑賞していなくても、しっかり物語の流れが理解できるようになっています。
この辺の構成が伝説のカルトホラーの続編でありながらも、現代版リメイク的にもなっている、というオリジナルへのリスペクトに溢れた作品となっています。
オリジナルの主人公が大学院生だったのに対して、本作の主人公はスランプ中の画家、という事で自身の内面にある創作意欲を掻き立てるような題材に飢えている状況で、
キャンディマンの都市伝説を耳にしてしまいます。
そこから、キャンディマン伝説を調べ始めるのですが、その途中でふとした瞬間に蜂に手首を刺されてしまいます。
キャンディマンは白人に恋した黒人が、身分違いと右手を切断され、ハチの巣を胸に塗られ、ハチに刺されるという拷問のような方法で殺されたため、
主人公が少しずつ伝説の世界に取り込まれていく過程が徐々に描かれていきます。
で、伝説を調べる過程で1992年に起きた事件(1作目の物語)を調べるようになり、前作の主人公が遺した口述テープを入手することになります。
このテープの声は、まさかの前作主演のヴァージニア・マドセン本人の声で、声のみでゲスト出演を果たしています。
で、そのテープによって、キャンディマン伝説は事実であり、自分自身(前作の主人公)に既に異変が起きている事も発覚していきます。
この辺の前作との絡め方が絶妙で、前作に対する深いリスペクトが伺える展開となっています。
で、段々とキャンディマンの世界に入っていく本作の主人公ですが、調べを進めるうちに、事件当時同じ地区に住んでいた母親アンに話を聞くことになります。
このアンは、前作に登場した重要な人物で、同じ役柄を前作同様にヴァネッサ・ウィリアムズが演じています。
出演シーンこそ少ないですが、キャンディマンの恐ろしさを物語る、非常に印象的なシーンで登場しています。
しかも、この役柄は実は、本作の根底を揺るがす理由を持った重要なキャラクターである事が後ほど判明します。
その根底を揺るがす事実まで書いてしまうと、楽しみが無くなってしまいますので割愛しますが、続編でありながらも、
新しい世代のキャンディマン伝説の始まりとなるような、非常に良くまとまった物語となっています。
なんでも、本作の映画化は製作・脚本で参加している(ゲットアウト)(US)等でお馴染みのジョーダン・ピール監督の長年の夢だったようで、
子供のころから(キャンディマン)等のホラー映画が大好きで、
自宅にホラー映画のVHSのコレクションを山ほど所持していて、それをアルファベット順に並べて、暇があれば友達と鑑賞にふけっていた、という事です。
いや、なんとも急に親近感が沸くエピソードですが、本作を観ると、その尋常ではないオリジナルへのリスペクトの理由が分かったような気がします。
前作にゆかりのある出演者の再登場や、要所で流れる前作同様の物悲しいテーマ曲等、前作へのリスペクトに溢れつつも
1992年に起きた事件を物語るときのシーンを影絵で表現する、というハイセンスなシーンや、しっかりとした妥協のないえげつないシーン等、
最先端の技術で新しく生まれ変わったホラー映画の新しい雛型になるような作品と言っても過言ではないかもしれません。
監督のニア・ダコスタはの次回作は(キャプテンマーベル)の続編という事で、今後大監督の一人になっていきそうな勢いがありますので、
今後の活躍に目が離せません。
その大監督誕生の前夜ともいえる本作は、ホラーファンには見逃し厳禁な内容となっていますので是非ご鑑賞ください。
あと、後半、ファン感涙のシーン有りますよ!
作品情報
2020年製作 アメリカ製作 ホラー
監督・脚本 ニア・ダコスタ 制作・脚本 ジョーダン・ピール
出演 ヤーヤ・アブドゥル・マティーン2世、テヨナ・パリス、ネイサン・スチュワート・ジャレット、コールマン・ドミンゴ、ヴァネッサ・ウィリアムスズ、トニー・トッド
↓前作です↓
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