お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆
ゴジラとコングの頂上決戦をメインで描きながら、メカゴジラ登場に地底探検アドベンチャーと、娯楽要素満載で描く、アダム・ウィンガード監督版の怪獣映画!!
作品紹介
2021年7月2日公開
今回ご紹介するのは、ハリウッド版の(GODZILLAゴジラ)、(キングコング髑髏島の巨神)を始めとするモンスターバース作品の最新作です。
それでは、まずはあらすじから、
ギドラとの戦いで人間の味方となって戦ったゴジラだったが、どういうわけか突如何かに怒りだし、世界を窮地に陥れていた。
その対抗策として、ゴジラを倒すためのエネルギー源を得るために、ゴジラの故郷と思われる地底へと向かい、その案内人としてコングを招集する。
しかし、それに気づいたゴジラは、コングと人間に向かって激しい攻撃をしかけてくるのだった!?
レジェンダリーピクチャーズが展開してきたモンスターバースシリーズの最新作です。
1作目は、2014年製作の(GODZILLAゴジラ)で、2作目が2017年製作の(キングコング髑髏島の巨神)、3作目が2019年製作の(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)となっていて、
本作はそれに続くシリーズ4作目となります。
ハリウッド版ゴジラといえば、かつてローランド・エメリッヒ監督による、ゴジラをオオトカゲのような姿で映像化する、
という、実写版(ドラゴンボール)に匹敵するぐらいに、日本の素晴らしい財産が最もコレジャナイ感で満たされてしまうという残念な黒歴史が思い出されます。
ですが、本シリーズでは、アジア系のレジェンダリーピクチャーズが製作している事や、単純に時代や世相の変化もあり、
国外のすでに実績のある作品世界を、無理矢理自分たちの器に入れ替えて描くというオリジナルへのリスペクトを無視したような製作作体制ではなく、
オリジナルの良さを十分残しつつ、その魅力をさらに自分たちの技術を使って押し上げようとする、前回の映像化とは根本的に全く違うコンセプトで製作されているシリーズとなっています。
2014年版のモンスターバース一作目である(GODZILLAゴジラ)は、低予算ながらも怪獣映画への惜しみない愛と、
少ない予算で最大限効果的なドラマが展開される(MONSTERS)を制作した売り出し中の実力者、ギャレス・エドワーズを監督に抜擢し、
2作目の(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)も、(Xmen2)や(スーパーマンリターンズ)などの脚本で活躍した後に、ヒットホラー作(クランプス魔物の儀式)などでの演出が好評だったマイケル・ドハティを抜擢する、
など毎回ホラーやファンタジックな作品で活躍しているこれから注目されるべき監督を抜擢する、という大作映画ではあまりないような製作体制で製作されています。
すでにびっくり超大作の監督として有名だったローランド・エメリッヒとは大きく違う人選ではないでしょうか。
そこで、本作ですが、本作の監督はアダム・ウィンガード監督、という事で、今回もまさかの抜擢となっています。
アダム・ウィンガード監督といえば、
インベイジョンスリラーの定番の展開から後半急激に反転する傑作ホラー(サプライズ)や、正体不明のミステリアスなナイスガイの恐怖を80年代ホラーへのリスペクトいっぱいに描いた(ザ・ゲスト)などが大ヒットし、
どうしてもやりたかったのか、続く(ブレアウィッチプロジェクト)の続編(ブレアウィッチ)で、POVホラーの原点ともいえる作品を復活させました。
どの作品も、B級作品へのオマージュを込めた作風が、毎回B級作品ファンを熱くさせてくれますが、
今回は、怪獣映画への愛情たっぷりに、独特の80年代、90年代風のサウンドを鳴り響かせつつ、地底の巨大生物世界への冒険旅行も描く、
という内容だけで見れば、B級作品の王道のような展開となっています。
ただ、本作は特殊効果をメインに使用した小さい規模の特撮作品ではなく、巨額を投じたハリウッド超大作ですので、
そこは流行りのバリバリのVFX満載のモンスターバトルアクション作品として完成度の高い作品となっています。
というわけで、内容的には前作(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)でギドラを相手に人類の味方として戦ったゴジラが、
どういうわけか暴れ出し、街を破壊し出したので、それを止めるための同等な力を得るために、ゴジラとコングの故郷と思われる地底に向かう、
という冒険アドベンチャー要素の高い作品となっています。
鑑賞前の印象では、ゴジラとコングが頂上決定戦を行うだけのようなイメージがありましたが、本作の見どころとしては、
両キャラクターの対決が勿論一番ですが、この冒険アドベンチャーパートが予想以上に面白く、コングが常に人間の側にいますので、
コングの冒険=人間の目線とほぼ同じですので、コングにかなり感情移入してしまうような表現になっています。
ですので、今回のコングは人類が脅威に感じる存在というよりも、人類の代わりに戦ってくれている巨大生物、ある意味【ウルトラマン】のような存在となっています。
コングと心を通わせる、人間との橋渡し役の少女も登場しますので、今後のシリーズとしても、コングの立ち位置は本作のように、
人間目線に近い存在として物語を引っ張っていくのではないでしょうか。
作品は違いますが、(エイリアンVSプレデター)はプレデター目線で、(フレディVSジェイソン)はフレディ目線でで、描かれていましたので、
ビッグなキャラクターのVS作品はやはりどちらかが人間目線になっているパターンが多いですね。
人間側の物語は、前作(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)のキャラクターも登場して、しっかりと続編としてストーリーが継承されつつも、
基本的には本作から登場するキャラクターがメインで物語を引っ張っていきますので、本作から鑑賞しても問題なく鑑賞できるようになっています。
後半にいよいよ登場するメカゴジラがどうなっていくかは、割愛しますが、VSものの展開としては、ありがちだけども、期待通りな熱い展開となっています。
という事で、一応物語は一区切りついてはいますが、これからもどんどん続編が製作できそうな準備がついに整った、という見方もできますので、これからも続編に期待したいですね。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 モンスターアクション
監督 アダム・ウィンガード
出演 アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘイリー、小栗旬、エイザ・ゴンザレス、ジュリアン・デニソン、カイル・チャンドラー
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