お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆
ある事件をきっかけに、転落する人生を送ってしまった元前途有望な女性の、人生をかけた復讐劇！！ホラーであり、サスペンスであり、コメディであり、ラブロマンスでもある、というボーダレスなアカデミー賞5部門ノミネート作品！！
作品紹介
2021年7月16日公開
今回ご紹介するのは、過去のある事件で、人生のレールから外れてしまった女性が、夜な夜な男性に復讐を繰り返す、というサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
深夜場末のバーで泥酔している女性。
ある男性が介抱し、女性宅へと送り届けようとするが、急に自身の自宅へと行先を変更する。
女性に対し、性的な暴行を加えようとした瞬間に、女性はしっかりと目を見開き、意識がはっきりしていることを男性に認識させる。
取り乱す男性は、自身が嵌められた事に気づき、自身の行動を取り繕うとする、、。
そんな男性への復讐を夜な夜な繰り返しているのは、冴えない人生を送るカサンドラ・トーマス（キャリー・マリガン）だった。
カサンドラの復讐には、ある理由があった、、！？
（17歳の肖像）、（私を離さないで）などの清純なイメージのドラマ作品で人気のキャリー・マリガンが製作総指揮も担当して、
どうしても本作のキャシー役を自身で演じたかった、と熱望し、アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞でノミネートされ、
その内脚本賞を受賞した話題の作品です。
そのキャリー・マリガンが熱望した主人公のキャラクターは、医大に通っていながら、30歳を目前に控えて、結婚もせず、実家暮らしでコーヒーショップの店員をしていて、常に何かの不満を言っているような
今まで演じてきた清純な役柄とは180度異なるようなイメージのキャラクターとなっています。
ただ、この主人公のキャシーには、過去に、その後の人生を左右してしまうような、ある凄惨な事件に遭遇した過去があり、
そのために前途有望な女性（プロミシングヤングウーマン）だった、キャシーの人生は転落へと向かい、そこを起点として、
男性に対して、怒り、復讐するために、夜な夜な場末のバーで、倫理観の低い男性を自分を餌に釣り上げて、
復讐を果たす、という行動をとるようになっています。
という感じの、かなり複雑なキャラクターですので、今まで演じてきた実績のある清純派な役柄から、さらにそこから脱却して、一つ上の演技力の幅をアピールするには、
最適と言えそうですので、どうしてもこの役柄を自身で演じたかった、というのも納得の説得力がありました。
そんな復讐の天使が、調子に乗っている男性たちに制裁を加えていく物語ですが、
本作は、過去に起きたある事件を元に、そこから成長できなくなってしまったキャシーの悲しい物語でもあります。
復讐を繰り返しつつも、両親や、その事件の関係者からは、前に進んで自分自身の人生を歩むように、暖かく即されます。
そんな日々を送りつつ、イケメンの元同級生と偶然再会する事で、取り留めのなく、ただただ見知らぬ男性相手に繰り返していた復讐行為も、
急遽意味のある標的を絞った復讐計画へと変更していきます。
その復讐計画を実行してく過程で少しづつ過去の出来事が明らかになっていき、最終的には、キャシーも知らなかったある事実にたどり着いてしまいます。
その事実を知った時に、キャシーの復讐計画はいよいよ結末へと向かっていきます。
この辺の展開は、中盤の甘いロマコメ路線が、なかなか良い感じだっただけに、そこからの展開は壮絶で、それまでの人生をほとんど復讐のためだけに生きてきた主人公の、
ついに迎える復讐の旅の最終章、ともいえるような結末で、観ていてなんともいえない最後となっています。
見方によっては、痛快であるともいえますし、また違う角度で見れば、やりきれないともいえるような、観る人によって意見の分かれる結末となっています。
そんな結末が待っているのも、ジャンルボーダレスな特異な物語である本作の魅力のひとつではないでしょうか。
本作は女性監督であるエメラルド・フェネルがあるバーで実際に泥酔している女性を介抱したときに思いついた物語、という事で、
その時もし、介抱したのが男性で、しかも女性がもし、実は酔っていなかったら？というところから物語を考えていったという事です。
ですので、基本的に女性目線で考えられている物語なので、おそらく男性よりも、女性の方がより楽しめる物語ではないかと思われます。
サスペンススリラーで始まり、中盤はイケメンの元同級生との偶然の再会で、恋心が芽生え、一時期完全にラブコメ路線に突入するものの、
ある事実の発覚によって、現実を突きつけられた主人公は、再び復讐の天使として、辛辣なラストへと向かっていきます。
多数の賞にノミネートされ、評価されている本作ですが、その中でも脚本賞でオスカーを獲得しているのも、本作の独特の物語展開が、特に高評価されての事だと思われます。
本作の登場によって、主演のキャリー・マリガンも今後色々なジャンルの作品で大活躍してくれそうなので、これから様々なジャンルの作品で、名演技を披露してくれそうです。
という事で、本作は、様々な要素を含みつつも、しっかりと娯楽作品として楽しめるエンターテイメント作品となっていますので、
機会がありましたら、是非ご鑑賞ください。
キャリー・マリガンの魅力を再発見できますよ。
作品情報
2020年製作 アメリカ製作 サスペンス
監督・製作・脚本 エメラルド・フェネル 制作 マーゴット・ロビー 制作総指揮 キャリー・マリガン
出演 キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン、ジェニファー・クーリッジ、ラヴァーン・コックス、コニー・ブリットン
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