お薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
何度も映像化された中国三大武侠小説家梁羽生の原作【白髪魔女傳】を現代のVFXで再び映像化したファンタジーバトルアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、今まで中国、香港で何度も映像化されてきた(白髪魔女傳)を再び映像化した武侠アクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
明朝末期、謀略によって権力を手中にした魏公公は、病を患い、万病に効く霊薬の護送を、武当派一門に命令した。
そこで、圧政を強いられていた民のため、各流派が霊薬奪還に立ち上がり、明月寒の女剣士、玉羅刹も戦いに参加した。
護送任務を仕切っていた武当派の剣士、卓一航は、玉羅刹の襲撃を受けるが、剣を交えたとき、幼いころのある記憶が蘇るのだった!?
古くから何度も映像化されている(セブンソード)(詳しくはこちら)などでも有名な梁羽生の武侠小説の再映画化作品です。
有名なところでは、1993年製作、レスリー・チャン主演、ブリジット・リン共演の(キラー・ウルフ白髪魔女伝)と(白髪魔女伝2)のシリーズが思い出されます。
そちらは、後にハリウッドに進出し、(チャイルドプレイチャッキーの花嫁)や、(フレディVSジェイソン)などのホラー映画で有名になるロニー・ユー監督演出に、
(グリーンデスティニー)で有名になるピーター・パウ撮影監督の映像美、さらに日本から(乱)のワダ・エミも衣装デザインで参加したことで、
激しい愛と憎悪の物語を独特の映像感覚で描き出した、唯一無二の作品として香港アカデミー賞も受賞するほどの好評を得ました。
また2014年には、ファン・ビンビン主演、ホワン・シャオミン共演で(白髪妖魔伝)として再度映画化されました。
こちらは、(墨攻)などで有名なジェイコブ・チャン監督演出のもと、アクション監督にテレビシリーズ(香港カンフードラゴン少林寺)など古くからカンフースターとして活躍してきたトン・ワイを迎え、
豪華なVFXに超絶バトルアクションがブレンドされた香港風味の強い武侠作品として、ツイ・ハークもスタッフとして参加するなど、
娯楽色の強い武侠作品として復活を遂げていました。
その他にもジュリアン・チョン主演のテレビシリーズ(白髪魔女伝美しき復讐鬼)や、、ニッキー・ウー主演のテレビシリーズ(白髪魔女伝)、
など、長年に渡って映像化が繰り返されるほどの人気の物語となっています。
で、本作ですが、敵の大ボス役で、(中華道士)などの元ショウブラザーススター、チョイ・シウキョンが出演している、ぐらいが唯一香港っぽさが香るぐらいで、
それ以外のキャスト・スタッフはあまり馴染みのない顔ぶれですので、
おそらく、スタッフなどもほぼ中国側のスタッフだけで撮影された作品だと思われます。
ですので、アクションや、VFX処理など、知ってる物語のはずなのに、少し馴染めないシーンもちらほらと散見される作品となっています。
まず、最近のほぼ中国側のみで撮影されたと思われる作品の特徴として、上映時間が異様に短い、という特徴が挙げられます。
しかも、物語が最後まで終わっていない、か、ひと段落ぐらいで終わっている。
この傾向から個人的な推測ですが、最近の中国のみで撮影している武侠ものの、ほとんどの作品は、基本的に前編・後編などの2本撮り、
というより、本来1本の作品として完成すべき作品を少し膨らませて2本に分けて公開しているのではないでしょうか。
香港映画の例ではありますが、その昔何かの記事で読みましたが、チョウ・ユンファ主演の(愛と復讐の挽歌)で、出演者が『なんか撮影が長いなぁ、』と思っていたら、
実は2本分撮影していた、しかも後半の方が盛り上がるので、後半部分を先に公開した、という物凄く商売最優先の力技興行を強行した、という事実もありますので、
あながち無い話でもないと思うのですが、どうでしょうか。
本作もまだまだこれから、というところで終了してしまいますので、数か月後に全く同じキャストで、同じ雰囲気そのままの続編がリリースされれば、
それは、もう長めの1本を2本に分けて公開している、という事で間違いないと思います。
普通に考えて70分台の上映時間で、物語が完結していない作品なんて、普通はあと40分かけて完結まで描くはずなので、
それをせずに、途中で終わらせてしまうという製作手法は、それはそれで、どうかと思います。
2時間かけて描かれた物語が、連続で製作されるのとは全く違いますので。
そもそも、それをシリーズと呼んでも良いのかどうかも疑問です。
邦画のVシネマなどで良く見かける手法ですね。
Vシネマに関しては少ない予算で、一定のファンを掴んでいくために、ある程度しょうがないとは思いますが、、。
というか、もしかしたら本作もテレビシリーズでしょうか?
一応、劇場公開用に製作された作品には見えるのですが、、。
という事で、上映時間の短い本作ですが、本作は短い上映時間な上に、まさかの冒頭とラストシーンが同じ、という大胆な構成になっています。
冒頭でいきなり、クライマックス的なシーンを軽く入れて、そのクライマックスに至る過程を過去にさかのぼって描いて行き、
後半でクライマックスに繋がる、という物語構成は良く見かけますが、そういった展開でも、いざ、後半でクライマックスシーンに到達したら、
角度を少し変えたり、描き方を変えたりして同じシーンに繋がっても、そのまま同じシーンが長く繰り返されることはほとんどあまりません。
それが、本作の場合割と長時間冒頭と同じシーンが繰り返されます。
上映時間74分しかないのに。
なので、正味物語自体は70分もありません。
観始めたら、終わってしまった、という感じです。
色んな流派が登場して、個性的な面々が戦いを挑んできますが、割とあっさりと終わってしまいます。
アクション自体もワイヤーに吊られながら、スタントマンの指示通り動いている、といった感じのアクションで、恐らく本当に動ける人は一人もいないのでは?とさえ思ってしまいます。
一応、物語は知っていたので、ある程度流れは把握できましたが、あまりに急ぎ足なので、人物関係も把握しきれない、といった感じであっという間に終わってしまいます。
これで、チョイ・シウキョンのアクションなど観れれば、とは思っていましたが、DVDジャケットの躍動感のある構えとは裏腹に、アクションは全くありませんので、
正直、色々と消化不良感は残ってしまう作品となっています。
という事で、ちょっと速足すぎて説明と展開について行きにくい描き方になっている作品ですので、本作ご鑑賞される方は、他の作品で物語を予習されてからのご鑑賞をお薦めします。
作品情報
2020年製作 中国製作 武侠アクション
監督 ジョウ・ティアンユ
出演 ジャン・ウェイナ、シー・ジュンジャー、シュー・シャオチャン、チョイ・シウキョン
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