【推薦!香港映画】タイガーハンター 水滸外伝(伏虎武松TIGER HUNTER)96分

投稿者: | 2021年2月20日

お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆

水滸伝に登場する伝説の英雄武松が、豪快過ぎる痛快なキャラクターとして蘇る、酒好きアウトサイダーの世直しバトルアクション!!

作品紹介

2020年10月12日公開

今回ご紹介するのは、水滸伝に登場する有名なキャラクター、武松を主人公にしたオリジナルストーリーです。

それでは、まずはあらすじから、

中国、宋の時代、金と遼は覇権を争っていた。

宋の皇帝より軍の指揮権の諭旨を賜った金の皇子に遼の追手が襲い掛かった。

その現場に偶然居合わせた武松は、皇子を助け、代わりに諭旨を託され、金へと向かうことになる。

しかし、金に向かうには、人食い虎が待ち伏せるという森を通らなければならなかった

CGで描かれた獰猛なタイガー

三国志】、【西遊記】、【金瓶梅】に次ぐ、中国4大奇書の内の一つ、【水滸伝】の中の一遍、(景陽岡の虎退治)を基にしたオリジナルストーリーです。

今回は武松というキャラクターにスポットを当てた水滸伝の外伝的な物語です。

ですので、堅苦しい歴史劇ではなく、とくに水滸伝に詳しくなくても入り込める娯楽アクション作品となっています。

本作一番の魅力は、やはり、タイトルにもなっているように、その豪快過ぎる主人公、武松のキャラクターに尽きると思われます。

その分かり易いぐらいの豪傑ぶりが、まるで昭和のドラマのような魅力を放っています。

地位や名誉、富にも関心はなく、虎退治のような命がけの仕事でも、酒さえもらえれば平気で受けてしまう、豪快過ぎる主人公です。

常に酒を飲んでいるが、酔っぱらっているわけではなく、酒を生命の原動力にし、こよなく愛している、といった感じです。

そんな武松が、たまたま通りかかった通りがかった場所が、大虐殺の戦場で、

荷物として運んでいた酒を飲ませてもらった事で、金の味方をすることになります。

このたまたま成り行きで、酒を奢ってもらったという理由で手助けする、

という基本的に部外者立場のお助けマン的な立ち位置が、何も背負っていない浮世離れしたキャラクターにハマっています。

武松を好演しているユアン・フーフー

そんな成り行きで、町について、金の隠密的な美女と出会い、その美女と恋仲になりそうにもなりますが、

基本的に酒が一番で、美女は目に入りません

この辺の安易に色恋沙汰に走らない展開が、また痛快です。

武松がそっけなくすればするほど、美女はアタックをかけますが、武松はたいして気にしません。

代わりに美女の夫が武松に嫉妬し始めます。

よくある他の作品ですと、その後は夫の嫉妬が暴走する展開になるのかと思われましたが、

本作ではそうはならずに、この夫は嫉妬心こそあるものの、どこか、気の小さい自分にない豪快さをもった武松のことが好きになり、

兄弟の契りまでかわしてしまいます。

勿論、兄弟になれば、妻を取られる事はなくなる、という姑息さもあったりしますが、

基本的に善人のキャラクターなので、武松の事を心から心配し、ピンチのときには駆けつける人情味のあるキャラクターとなっていて、

武松の豪快なキャラクターとはまた違った意味での魅力を放っています。

で、後半にいよいよ虎退治になりますが、虎の描写がフルCGなのが少々残念ながらも、

豪快すぎて素手で戦う、という他の作品では見た事もないようなバトルが、そんなに違和感なく描かれています。

通常ですとファンタジーなシーンですが、それまでの武松の活躍をみていると、あながち不可能でもないような説得力があったりします。

虎退治の物語なので、結局やっつける事になるのですが、ここでも武松のキャラクターの良さが垣間見えるシーンとなっています。

で、その虎バトル以降も色々敵と戦いながら、ラストでは、さらに物凄い虎が登場、

というところで、お待ちかねの展開になるのですが、その辺りまで書いてしまうと楽しみが半減してしまいますので、実際にご鑑賞して確かめてみてください。

主役の武松を演じるユアン・フーフーは、演技派という感じではありませんが、なんとも言えない存在感を放っていて、

非常にこの豪快なキャラクターのイメージにピッタリでした。

また、アクションのキレも良く、結構自身で演じているアクションが多かったように見えましたが、

恐らく、武術ができるというより、その大きな体格の割に身体能力が極めて高いのではないでしょうか。

アクション面でも演技面でも今後の活躍に期待したいですね。

という事で、本作は【水滸伝】という有名な原作の映像化でありながら、自由な発想で、豪快なキャラクターの魅力満載の武侠冒険アドベンチャー作品となっていますので、

香港映画好きの方や、アクション映画好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

観れば、きっと武松が好きになりますよ。

武松は虎と素手で戦います!

作品情報

2020年製作 中国製作 武侠アクション

監督・製作・脚本 ツイ・イェン・ロン

出演 ユアン・フーフー、ヤン・ジアイン、ジャン・ヤーチー、リュイ・ユー

後半ではさらに獰猛なタイガーも登場

その他の武侠ファンタジー作品

絶妙な笑いの間としっかりしたキャラクターで描かれた武侠ファンタジー(カンフーモンスター)はこちら

ジョイ・ウォン、レスリー・チャン主演の伝説の名作をオリジナルへのリスぺクトたっぷりにリメイクした秀作(チャイニーズ・ゴースト・ストーリー)はこちら

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【推薦!香港映画】タイガーハンター 水滸外伝(伏虎武松TIGER HUNTER)96分」への2件のフィードバック

  1. 映画マン

    香港映画はまだ見たことないですが、本作は興味深いです。
    >この辺の安易に色恋沙汰に走らない展開が、また痛快です。
    映画ってほとんどのケースで恋愛要素を入れてくるので、どうしてもチープな感じになってしまいがち。
    私はそういう展開はマンネリ化してるので、恋愛に走らないという展開はナイスですね!
    漫画「ワンピース」のように恋愛要素を一切排除した作品をどんどん作ってほしいところです。

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      こんにちは、いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。これは、原作の人気キャラクターをさらに掘り下げて、男気をアップさせた人物設定が良いですね。原作でも酒豪で豪傑、虎を殴り殺して退治した、という事で有名になったキャラクターですので、本作では実際に虎を殴って倒したけれども、実は逃がしてあげて仲間になった、という優しさまでプラスされていました。気は優しくて力持ち、色恋沙汰には特に興味がない、という愛すべきキャラクターになっていました。こんな調子で(水滸伝)の他のキャラクターの映画化もして欲しいところです。なんせ原作の(水滸伝)は英雄が108人も集結する物語ですので、シリーズをあと107本製作できます!(笑)

      返信

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