お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆
交通事故を起こし、目が覚めたら、記憶を無くし、半径15メートル以内に近づいた者が全員突然死してしまう、という謎の怪現象に遭遇した男が辿る衝撃の結末!!
作品紹介
2018年1月16日公開
今回ご紹介するのは、事故を起こした主人公が遭遇する謎の怪現象をミステリー仕立てで描いたサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
交通事故を起こしてしまい、目覚めたリアム(ディエゴ・クラテンホフ)は、事故前の記憶を失っていた。
助けを求めるために街へ向かったが、そこで見たものは多くの死体だった。
ようやく見つけた生存者に助けを求めようと近づくと、途端に目の前で死んでしまう。
他の生存者とも近づこうとした途端に同じ様に皆死んでしまう。
誰とも近づくことができないまま、街を離れたリアムはその途中で同じく記憶を失っているジェーン(シャーロット・サリバン)と出会う。
ジェーンは何故かリアムに近づいても命を落とすことは無かった。
2人は、その怪現象の謎を解明するために事故現場に引き返すのだった、、!?
事故を起こして、気が付いたら記憶を失っている上に、近づく人が皆死んでしまう、という謎を解き明かすために奔走する主人公を描いた謎映画です。
その突飛なSF仕立ての設定をフルに生かした、謎が謎を呼ぶ、二転三転するストーリーが見どころとなっています。
ポスターの宣伝文句ではハリウッド大作(メッセージ)のVFX製作会社が製作した、という事を売りにしていますが、正直本作の売りはそんなところには全くなく、
その興味をそそる謎を少しづつ明らかにしていく事で、新たな事実が浮かび上がってくる、という設定を巧みに生かした物語展開が一番の魅力となっています。
そのためSF的視覚的な見せ場は後半に少しあるぐらいとなっています。
その謎映画としての物語展開が特徴の作品ですので、本作をネタバレ全く無しで、ご紹介するのは不可能に近いので、前半部分の物語展開を、楽しみを壊さない程度にご紹介したいと思います。
で、その内容ですが、主人公が事故を起こして車が横転し、車外に投げ出された状態で、目が覚めるところから物語が始まります。
ある程度傷を負っているようですが、どうも命に別状は無さそうです。
田舎道で、とりあえず周りに人が居ないので、道行く車を捕まえて助けを求めようとします。
で、見つけた車が止まってくれそうになるものの、そのまま路肩に突っ込んでしまいます。
近寄って観ると運転手は、黒目が白く濁った状態で、死んでしまっています。
今まで普通に走っていた車なので、原因が全く分かりません。
一番の可能性として何かのウィルスのようなものが蔓延しているかもしれません。
結局解決法が見つからないので主人公は、他の人に助けを求めるために自分の持ち物を調べます。
持ち物には財布があり、運転免許証から自分の名前がリアムであると分かります。
で、自宅は歩いてすぐのところにあるようなので、そこまで歩いていきます。
で、なんだかんだと自宅を捜索している内に、外を歩いている人を発見します。
もし、ウィルスだとしたら、外を歩くのは危険です。
リアムは、外を歩いてる人を助けるために『外は危険だ!』と叫んでみます。
で、その声に気づいたその人は、良く聞き取れなかったようで、こちらに歩いてきます。
で、15メートルぐらいまで来たところで、先ほどの女性と同じようにバタッと倒れてしまいます。
という出来事を皮切りに、自分に近づく人がバタバタと倒れていく、という事実が明らかになります。
どうも自分に近づく人は、皆死んでしまうようです。
途方にくれた主人公にある女性が訪ねてきます。
その女性にも近づかないように注意しますが、どういうわけか、女性は命を落とすことなくリアムに近づけるようです。
しかも女性も記憶を失っているようです。
という事で、記憶を失った男女の謎を解明するための旅が始まる、というのが前半の物語です。
こういうタイプの作品は本当は、導入部分の設定の知識も何もない状態で鑑賞するのが一番だとは思いますが、
他人が15メートル以内に近づくと死んでしまう、というネタバレは宣伝文句ですでにバラしてしまっているので、そこまではご紹介しました。
ここまででも非常に先の展開が気になる描写の連続ですが、ここから先がさらにその設定を活かしたサスペンスフルな展開と、
どんでん返しの連続で、少しづつ明らかになってくる事故前の出来事と、そこに至る驚愕の真実に目が離せない作品となっています。
本作のような突飛な設定の作品は、その落ちの付け所が意外にあっさりしてしまっていたり、説得力の欠いた展開になってしまっていたりすることが多々ありますが、
本作は後半まで物語が展開しても、前半の空白をしっかり埋める理由付けもされていて、終わりまで楽しめる物語となっています。
特に冒頭の事故のシーンが何故ほとんど見せることなく、あっさり目に表現されていたのか?
など、徐々に真実が明らかになっていく、後半の展開はあまりに予想外すぎて、完全に好き嫌いの分かれる展開と言えるかもれません。
個人的にはこういう流れの作品もあって良いと思いますが、それまで丁寧に築き上げてきたキャラクターへの感情移入が、ぶち壊されかねないぐらいの展開となっています。
これは、もう少し丁寧に練り直したら、大作映画に負けないぐらいの感動を呼ぶ展開になりそうな雰囲気を持ってはいるのですが、そこにまでは至っていないのが、少々残念です。
同じような感情が沸き起こった作品で、以前ご紹介させていただいた(パープルストーム)という作品がありました。
その作品について詳しく書いてしまうと、ちょっとネタバレになってしまいますので、本作をご鑑賞して楽しめた方は(パープルストーム)の方もご鑑賞お薦めします。
という事で、設定の謎が、謎を呼んで二転三転する物語をじっくり楽しむ秀作SF作品となっていますので、(トワイライトゾーン)などのSFミステリー好きの方でしたら、
結構ハマれる作品となっていますので、是非ご鑑賞ください。
こういう自由な発想のSF作品は、規模の小さめのB級作品ならではで良いですよ。
作品情報
2017年製作 カナダ製作 SFミステリー
監督 キャロライン・ラブレシュ、スティーヴ・レナード
出演 ディエゴ・クラテンホフ、シャーロット・サリバン
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