【推薦!カンフー映画】カンフー東方見聞録(馬哥波羅MARCO POLO)103分

投稿者: | 2025年12月2日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆

カンフー映画の巨匠チャン・チェ監督が、元朝廷の弾圧に抗う漢民族の拳士たちの戦いを、アレクサンダー・フーシェン、チー・クワンチュン、リュー・チャーフィー、カーター・ワン、リョン・カーヤン、ワン・ロンウェイ、フィリップ・コク、リチャード・ハリソンと物凄いキャストで描いたカンフーアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、カンフー映画の巨匠チャン・チェ監督が、元朝を舞台にアレクサンダー・フーシェン、チー・クワンチュンを主演に迎えて描いたカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

元朝時代、マルコ・ポーロはフビライ・ハーン率いるモンゴル軍に参加し、民衆を監視する役目を担っていたが、

モンゴル軍によって兄弟子の命を奪われた漢人の若者たちの勇気ある行動に特に注目するのだった。

監督は、(嵐を呼ぶドラゴン)(詳しくはこちら)や(少林寺列伝)等、多くの名作カンフー映画を手掛けるチャン・チェ監督で、

本作でも、いつものような英雄達の雄姿と滅びの美学を、男臭い物語展開で描いています。

で、タイトルロールながらも主人公ではなく、ある意味傍観者で、スタンドのような微妙な立ち位置のマルコ・ポーロ役で、

後に(忍者プロテクター)(詳しくはこちら)や(死霊のニンジャ)(詳しくはこちら)等、フィルマーク社製ニコイチ忍者映画の常連俳優となる

リチャード・ハリソンが登場し、アクションを披露することも無く、ただそこに居ます。

リチャード・ハリソン

で、漢人側の拳士の一人、リー・シュンフォン役で、(カンフートレジャー龍虎少林拳)(詳しくはこちら)や

ヒーロー・オブ・カンフー猛龍唐人拳)(詳しくはこちら)等のアレクサンダー・フーシェンが登場し、いつものような明るいキャラクターと清潔感で悪に対抗していきます。

アレクサンダー・フーシェン

で、その兄弟子チョウ・シンチュン役で、(続・嵐を呼ぶドラゴン)(詳しくはこちら)や(新・嵐を呼ぶドラゴン)(詳しくはこちら)等でもアレクサンダー・フシェンと共演している

チー・クワンチュンが登場し、力強いカンフーを披露しています。

チー・クワンチュン

で、同じく兄弟弟子チェン・チェ役で、本作がほぼデビュー作となる、(五毒拳)(詳しくはこちら)や(仮面復讐拳)(詳しくはこちら)等の

フィリップ・コクが登場し、身軽すぎるアクションを汚すぎる訓練法で披露しています。

フィリップ・コク

で、同じく兄弟弟子ホアン・ツンハン役で、(ヤングマスター師弟出馬)や(新・片腕必殺剣)等のタン・イェンツァンが登場し、剛腕カンフーを身に着けて行きます。

タン・イェンツァン

で、4人の拳士の兄弟子ツー・ジェンミン役で、(アンジェラ・マオの女活殺拳)(詳しくはこちら)や(少林寺への道)(詳しくはこちら)等、

後にショウブラザーズ社以外のカンフー映画でブレイクして行く事になる、カーター・ワンが登場し、悲壮感漂うアクションを披露しています。

カーター・ワン

で、対する元朝政府の拳士チャイダル役で、(モンキーフィスト猿拳)(詳しくはこちら)や(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等の

リョン・カーヤンが登場し、主人公たちを追い詰めて行きます。

リョン・カーヤン

で、同じくその同僚トゥリタン役で、(少林寺武者房)(詳しくはこちら)や(ワンス・アポン・ア・タイム英雄少林拳 武館激闘)(詳しくはこちら)等の

ワン・ロンウェイが登場し、主人公達に迫ります。

ワン・ロンウェイ

で、同じくその同僚アブラホア役で、(少林寺三十六房)や(霊幻少林拳)(詳しくはこちら)等のリュー・チャーフィーが登場し、主人公達に迫ります。

リュー・チャーフィー

で、紅一点、カーター・ワンの奥さん役で、(カンフーエンペラー)(詳しくはこちら)や(冷血十三鷹)等の

シー・ツーが登場し、主人公達と共に行動して行きます。

シー・ツー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、アジア各国を旅しているマルコ・ポーロが、フビライ・ハーン率いるモンゴル人が統治する中国へとやって来るシーンから始まります。

で、フビライ・ハーンは、客人のマルコ・ポーロに自慢するためか、宴席で名うての腕自慢を呼びつけて武術試合を執り行いますが、

その真剣勝負に生き残ったチャイダル(リョン・カーヤン)、トゥリタン(ワン・ロンウェイ)、アブラホア(リュー・チャーフィー)の三名を、

フビライ・ハーン直属の護衛三大勇士として任命します。

で、ついでにマルコ・ポーロは長官として迎え入れられ、それから三年間公務をしつつ各地の視察を行う事になります。

何故か急に長官になるマルコ・ポーロ

そんな状況の中、宮中にモンゴル人の圧政に反発する漢人の拳士が2人乱入してきます。

しかし、決死の覚悟で激闘を繰り広げるものの、流石に多勢に無勢すぎる無謀な突入に、2人とも反撃を受けてしまいますが、そのうちの一人ツー・ジェンミン(カーター・ワン)だけは

なんとか瀕死の重傷を負いながらも脱出し、妻ワンユンと弟の待つ邸宅へと戻りますが、そこにもモンゴル軍の兵士たちは押しかけジェンミンと弟は帰らぬ人となってしまいます。

命までは奪われなかったものの、捕らわれの身となってしまったワンユンは、そのまま縄で括れ護送されることになりますが、

その道中、ジェンミンと同門の兄弟弟子リー・シュンフォン(アレクサンダー・フーシェン)、チョウ・シンチュン(チー・クワンチュン)、

ホアン・ツンハン(タン・イェンツァン)、チェン・チェ(フィリップ・コク)の四人組と偶然出会います。

その囚われている女性が兄弟子の奥さんだと理解した四人組は、兵士達を奇襲し、なんとか救出に成功し武術の大家であるワンユンの父親ワン・ティエンタオに師事、

非業の死を遂げた兄弟子の復讐を誓う事になります。

一方、モンゴル軍は、武術を禁じ、一切の鉄製の武器や道具等も禁止していましたが、元武術の達人で、今は荘園を経営するワン・ティエンタオを監視し続け、

マルコ・ポーロも長官として荘園を監視する事になります。

しかし、実は、ワン・ティエンタオは、モンゴル軍打倒を誓う四人の若者を、別々の技の達人の下へと行かせ、

農作業と見せかけて武術の訓練をさせる、という意外な(でもカンフー映画では王道な)方法で、反逆作戦を進めていきます。

そんな漢人たちの動きを怪しんだ鋭い感覚の持ち主マルコ・ポーロが、ある夜、こっそりと荘園の草むらから覗き込んでみると、

ついに武術の訓練に励んでいる若者達の姿を目のあたりにするが、、、、、、、、、!?

、、、、、、、、、というの流れが、大体の大筋となっています。

原題が(馬哥波羅MARCO POLO)で、冒頭でマルコ・ポーロとフビライ・ハーンが対面するシーンから始まりますので、

アジア諸国を旅したマルコ・ポーロが、どのようにしてモンゴル軍や中国人と関わって行ったのかを描いた歴史大作伝記ドラマが始まりそうですが、

そんな歴史ドラマなんかは速攻で放り投げて、いきなり御前試合が4試合も連続で描かれた後に、

間髪入れずに、反乱分子の二人組の宮中殴り込みが描かれる、といういつも通りのカンフーシーンのラッシュに、カンフー映画ファンとしては、期待感を煽られます。

しかも、まだまだこの時は若手ながらも、カーター・ワンリュー・チャーフィー(この二人が一瞬激突します)、リョン・カーヤンという、

珍し過ぎる豪華な顔合わせの名勝負に、カンフー映画ファンの方にとっては、いきなりクライマックスのような出だしとなっています。

リュー・チャーフィーVSカーター・ワン

ただ、映画的には、いきなり主人公っぽく登場したマルコ・ポーロが、実は全然主役じゃない事がはっきりとわかる冒頭25分間なので、『あれ?』という感じなのですが、、、。

あれっ?

で、いよいよ、本来の主人公グループであるアレクサンダー・フーシェン、チー・クワンチュン、フィリップ・コク、タン・イェンツァンの四人組が、

開始から25分経ってようやく登場するのですが、ここから前半のモンゴル軍側のダークな色調から一変して、

明るい雰囲気のアレクサンダー・フーシェンにつられるように四人の若者の、それぞれの師匠達との厳しくも結構楽しそうな修行の日々が描かれて行きます。

フーシェンは、やたらと痰をはきまくる、きったない師匠に鉄掌拳を教わり、フィリップ・コクチェン・ウェイロー師匠に肥溜めからジャンプして飛び上がる脚力を教わり、

タン・イェンツァンは剛腕を鍛えるために巨石を持ち上げる訓練を繰り返し、いつも通り寡黙なチー・クワンチュンは、竹を身体に巻き付けて折り切り、鋼の身体を創り出す訓練を重ねていきます。

この時期から、別々の師匠に色んな技を教わる、というチャン・チェ作品の王道パターンが構築されていったようですが、

本作は四人同時という事で非常にバリエーションがあり、より娯楽度が増しています。

惜しいのは、やはり重要な位置にいながらも、結局は物語に積極的に絡まずに、最初か最後まで傍観者の立場から一歩も出ないマルコ・ポーロの存在で、

モンゴル軍と漢人の間で挟まれる長官役、といういくらでドラマチックな展開が描けそうな存在を、全く活かすことなくカンフーシーンを描く事だけに特化してしまった点が少し悔やまれます。

後半なんかは、いよいよ本心を現して人間マルコ・ポーロが描かれ、リチャード・ハリソンの忍者アクション等も期待したのですが、、、、。

という事で、物語展開的には正直ツッコミ所が満載ですが、カンフー映画としては色々と見所が詰まった作品となっていますので、

カンフー映画好きの方や、リチャード・ハリソンファンの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1975年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・脚本 チャン・チェ、ウー・マ

出演 アレクサンダー・フーシェン、チー・クワンチュン、リチャード・ハリソン、フィリップ・コク、カーター・ワン、りょー・チャーフィー、リョン・カーヤン、ワン・ロンウェイ、チェン・ウェイロー

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