おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
引退を表明したブルース・ウィリスの未公開作群の最後の作品となる(ダイハード)とは全く無関係の女性主人公が他人の意識に入り込んで悪党を倒すミッションを描いたゆるめのSFサスペンス!!


作品紹介
2025年7月27日公開 劇場公開題 ラスト・ブラッド 不死身の男
今回ご紹介する作品は、他人の意識に入り込んで悪党を倒す女性兵士を描いたSFサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
科学者が開発した特殊な装置を使って、悪党組織の組織員の身体に意識を潜り込ませ潜入捜査を進めていたセバスチャンが、
任務中に身分が発覚してそのまま意識が戻らず昏睡状態に陥った。
妻で兵士のアレクサは、セバスチャンの意識を取り戻すため、危険な任務を引き継ぐが、悪党組織側も同じ装置を使ってアレクサに迫るのだった!!

監督は、本作が長編映画デビューとなるジェシー・アトラスで、低予算を逆手に取ったようなSF設定で、スリリングな物語を演出しています。

主人公、、、、ではなく、主人公を極秘任務に誘うチームリーダー役を演じているのは、(エージェントナイト)(詳しくはこちら)や
(ザ・タスクフォース)(詳しくはこちら)等、次々公開される未公開作の全てが切なすぎるブルース・ウィリスで、最後の未公開作となる本作でも少しだけ登場し主人公にバトンを渡します。



で、ブルースが追う犯罪組織のボス役で、ドラマ(プリズンブレイク)シリーズや、(デスリベンジ ラストミッション)等の
ドミニク・パーセルが登場し、主人公達と激闘を繰り広げます。



実質的な主人公の女性兵士役で、(星の王子ニューヨークへ行く2)や(The Jakes Are Missing)等のノムザモ・ムバサが登場し、秘密の任務に挑みます。



で、主人公が乗り移る芸術家役で、(プロトタイプマナ)やドラマシリーズ、(アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~)等の
アンディ・アローが登場し、悪党と対峙して行きます。



というスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、ある場所でお爺さんが、若い世代をいきなり殴り倒し、
その場所とは違う場所で、秘密任務を遂行中の軍人アレクサ(ノムザモ・ムバサ)が目を覚ますシーンから始まります。


説明も何もありませんが、そこから時間は少し遡り、アレクサが実は昏睡状態から目が覚めない恋人の軍人セバスチャンを救うためにその任務に参加した事がわかります。

任務の詳細は、ある科学者が開発した意識を他人の意識に潜り込ませる装置と、【クモ】と呼ばれる意識を受診する装置を使って、
【クモ】をターゲットの体内に潜り込ませて、意識を乗っ取って、そのまま身体を自由に動かすという、物凄い大発明を用いた作戦で、

悪党組織のボス、エイドリアン(ドミニク・パーセル)の部下の意識に潜り込んで潜入捜査中だったセバスチャンが、
作戦内容を見破られた上に、【クモ】を抜き取られてしまう、という想定外の出来事に遭遇したため、セバスチャンの意識はエイドリアンに盗られたまま体の方は昏睡状態が続いている事が分かります。

で、そんな恋人の意識を取り戻すため、アレクサは、チームリーダーであるヴァルモア(ブルース・ウィリス)にスカウトされて任務に参加し、
恐らく闇組織の関係者だと思われる冒頭の老人の家族を倒すために、わざわざその家族の老人の意識に潜入して、若者を倒すという作戦の実行中だという事も分かります。


しかしながら、他人の身体を使って悪党を始末するという倫理的にイマイチすっきりしない作戦に異論を唱えるアレクサではありますが、
そうこうしているうちに、何故か同じボディジャック装置を手に入れたエイドリアンも反撃を開始し始め、

害の無さそうな女性がいきなり路上でヴァルモアに殺意むき出しで突進してきたり、といった具合に善と悪の組織が、
同じボディジャック攻撃によって、お互い知らない人の攻撃を突然受けるという状況が過熱していきます。


そこで、覚悟を決めたアレクサは、いよいよエイドリアンの側近を次々と始末して行き、本丸を攻めるるために、
エイドリアンがお気に入りの絵の作者であるマリ(アンディ・アロー)の意識に潜入し、直接(実際は間接ですが、、、)エイドリアンに接していく事になります。


しかし、度重なるボディジャックによって、アレクサの意識はかなり不安定になり、マリから意識が離れられなかったり、
離れているのに、自分がどちらの姿になっているのか判別できなくなったりと、現実との区別が段々とつかなくなっていきます。


そして、いよいよ本格的に敵の刺客も内部に入り込み始め、次々と仲間が倒れていくなか、、、、、、
、、、、、アレクサは、、、、、、、、、最後の決着をつけるため、、、、、
直接、エイドリアンの屋敷に潜入してリアルガチ勝負を挑む!!


という、
身も蓋もないラストバトル
が何とも言えないSFサスペンスとなっています。

未公開だったブルース・ウィリスのパートタイム出演作の最後の1作となります。
引退を表明した段階で、12本ほど、未公開のままの新作が存在する、という事で、1本も欠かさず鑑賞し、ご紹介させて頂きましたが、
ついに、本作が正真正銘最後のブルース・ウィリスの出演作品、、、ではありますが、恐らく撮影自体は同時期にササっと行われていると思われますので、
最後に完成したというだけで、特に引退作品的な特別な意味はないのではないでしょうか。

一応、邦題も劇場公開時は(ラストブラッド不死身の男)、DVD題で(ラストダイハード)と無理矢理感が強いですが、
ラストを強調する意味もありませんし、勿論(ダイハード)っぽさや、(不死身の男)っぽさも一切無い、
ブルースではない女性主人公のSFボディジャックサスペンス映画となっています。

ただ、本作の場合、ブルース要素が薄いという事は、恐らくこれまでの未公開ブルース作品を数本でも鑑賞している方なら予想がつきますので、ある意味しょうがないのですが、
ブルース要素をスルーしても、そのSF設定のゆるさ、というかぬるさというか、特に説明する事なくなんとなく勝手に物語が進んで行きますので、

ブルース達は米軍に所属しているのか?ドミニク・パーセルはどのような悪事を犯しているのか?どのような原理で他人の意識に潜入できるのか?
敵組織は、どれぐらい離れた距離に存在するのか?倒すべき悪党幹部は何人いるのか?ブルースの組織には何人いるのか?等、

物語に入り込むために必要な最低限の説明も全て省かれているために、
分かったような分からないような、ふわっとした物語がすっと続きます。

こういうジャンルでは、あえて、説明を省いて想像力を掻き立てる、という演出もあるかとは思いますが、
本作に限っては、そういう、おりこうさん的な演出というよりも、説明下手の方が勝っていると思われますので、スカスカ感のみが目立ってしまいます。

せめて、主人公達が必至で倒そうとしている悪党ボスぐらいは、悪事を描くか、主人公達の仲間を殺めるぐらいのシーンが無いと、
ただの金持ちで惚れっぽい男にしか見えないので、主人公達の必死感が空振っている様にしか見えません。
というか、人相がゴツくても、それだけでは悪人に見えません。

あと、後半になるにつれて、次から次へと新しい登場人物にボディジャックを繰り返していく事になるのですが、
ボディジャック数秒前に初登場したキャラクターに乗り移られても、それまでの行動を見せてくれないと、誰が乗り移られているのかも判断できずに、
知らないキャラクターと知らないキャラクターがいきなり戦い始める

という、シーンが繰り返されることになりますので、結果的に
もう、誰が誰でも、どうでもよくなる
という、負のスパイラルにどっぷりハマってしまう事になります。

その後、最終決着をつけるために、直接悪党邸に乗り込む、というそれまでの展開を全て無にするような展開の後に、
ボディジャック設定を活かしたどんでん返しも存在するのですが、それぐらいの頃には、ほとんどの方が、物語への興味が薄れているのではないでしょうか。

という事で、ブルース・ウィリスが最後に見せる雄姿が、本作というのが非常に残念ですが、(ダイハード)っぽく銃を構えるシーンも一瞬は存在はしますので、
ブルース・ウィリスファンの方や、SFサスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
寂しいですね、、、。






作品情報
2023年製作 アメリカ製作 SFサスペンス
監督・脚本 ジェシー・アトラス
出演 アンディ・アロー、ノムザモ・ムバサ、ドミニク・パーセル、ブルース・ウィリス


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