【未公開カンフー映画】龍虎門(THE DRAGON AND THE TIGER KIDS/HELL`S WINDSTAFF)

投稿者: | 2024年12月25日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★★☆

香港の著名な漫画家ウォン・ヨクロンが、自身の人気漫画を、自身の製作会社で製作し、自ら監督・製作総指揮・脚本とマルチに活躍、主演にメン・ユエンマンとマン・ホイ、敵役にウォン・チェンリー、師匠役にパイ・ピョウ、武術指導にユエンブラザースと物凄く豪華なスタッフ・キャストで挑んだコメディカンフーアクション!!ドニー・イェンの(かちこみ!ドラゴンタイガーゲート)も同じ原作です!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、人気漫画家、ウォン・ヨクロンの原作漫画を映画化したカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

街の有力者ウォン家の甥ティウイーが、正義のカンフー道場、白鶴館の館長の娘を襲う、という事件が発生した。

叔父の計らいで、命を奪われる事だけは免れたティウイーは、代償に片目を奪われ、そのまま街を追放処分となってしまう。

それから4年後、悪の拳士ロク・サントウに弟子入りしたティウイーは、復讐のため街に戻り、師匠と共に街を支配しようと白鶴館を襲う。

そんな暴力に立ち向かうため、ウォンの一人息子シウフーと、その友人セク・ハッロンが立ち上がり、悪党達に戦いを挑むのだった!?

監督・製作総指揮・脚本・原作は、【香港漫画の父】と称される事もある著名な漫画家、ウォン・ヨクロンで、

ウォン・ヨクロン

本作は、1970年代初頭から始まる自らの同名人気漫画を映画化した作品で、さらに同漫画シリーズはその後も長期連載され続け、

2006年には、ドニー・イェン主演で(かみこみ!ドラゴンタイガーゲート)として再度映画化されています。

さらに、共同監督として、(ドラゴンアームズ)(詳しくはこちら)や(キラーエンジェル)(詳しくはこちら)等の

ルー・チェンクーが参加していますので、恐らく映画監督としてはほとんどルー・チェンクーの方が活躍していたのではないでしょうか。

ルー・チェンクー

で、主演は、(カンフー仁義)や(通天老虎)(詳しくはこちら)等の作品で、凄まじい身体能力の高さを披露している

メン・ユエンマンで、本作でも神業レベルのアクションを披露しています。

メン・ユエンマン

で、その相棒役で、(帰って来たドラゴン)(詳しくはこちら)や(佛掌皇爺)(詳しくはこちら)等の、

マン・ホイが登場し、お得意の主人公の親友役という二番手の立ち位置で、素晴らしいアクションを披露しています。

マン・ホイ

で、ラスボス役で、(ドランクモンキー酔拳)や(南拳北脚門金狐)(詳しくはこちら)等の名作カンフー映画で悪役として活躍している

ウォン・チェンリーが登場し、激闘を展開しています。

ウォン・チェンリー

で、メン・ユエンマンの師匠役で、(奇門遁甲 吸血拳)(詳しくはこちら)や(燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳)等の

パイ・ピョウが登場し、素晴らしいアクションを披露しています。

パイ・ピョウ

で、マン・ホイの師匠役で、(醒拳)や(賊贓)(詳しくはこちら)等のクワン・ユンムンが登場し、

珍しく善人役で、ウォン・チェンリーと激突します。

クワン・ユンムン

で、全ての元凶となる悪の若者役で、(龍威山荘)(詳しくはこちら)や(神腿鐵扇功)(詳しくはこちら)等の、

イップ・フェイヤンが登場し、悪の限りを尽くします。

イップ・フェイヤン

で、メン・ユエンマンの父親役で、(ドラゴンズクロウ)(詳しくはこちら)や(非情のハイキック)等の

ラウ・ホクニンが登場し、少しですがアクションも披露しています。

ラウ・ホクニン

で、イップ・フェイヤンと争いになる道場主役で、(スネーキーモンキー蛇拳)や(龍拳)等のスー・シアが登場し、こちらも少しですがアクションを披露しています。

スー・シア

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、鶴拳の名門道場、白鶴館のチョイ師匠(スー・シア)が、弟子達を引き連れて、ある男を追っているシーンから始まります。

その男とは、どうしようもない半端者のティウイー(イップ・フェイヤン)で、街では結構な有力者である叔父ウォン(ラウ・ホクニン)のおかげで、

なんとか世話になりながら生活してきたものの、あまりのどうしようもなさに、あきれられていたところ、

ついに、スー・シアの娘を襲う、という許されない一線を越えてしまったために、今回だけは叔父も庇いきれない、

という事で、スー・シアに制裁を加えられ、片目を奪われてしまいます。

しかし、なんとか、イップを勘当するという事で、命だけは助けてもらい、イップは、その街を追放されてしまいます。

そして、その事件から4年後、平和が戻った街の通りに、自身を棍棒で10回殴ることが出来たら賞金ゲット、

できなければ逆にお金を支払ってもらう、という殴られ屋系の商売を開く流れ者が現れます。

勿論、その男はカンフーの達人で、腕自慢の男たちが我先にとチャレンジしますが、結局はお金を支払う事になっていきます。

で、そんな様子を見ていたラウ・ホクニンの召使は、ホクニンから指示を受けていた、ホクニンの暴れん坊の息子、シウフー(メン・ユエンマン)のための、

カンフーの師匠探しに調度良いという事で、その殴られ屋、チェン(パイ・ピョウ)をスカウトし、半ば強引に屋敷に連れて帰ります。

で、ホクニンに面会してみると、大変気に入られ、しかも、シウフーの跳ね返りっぷりも、なんとなく気に入ったチェンは、そのままの流れで、嫌がるシウフーの師匠となります。

で、一応師弟関係にはなったものの、本当の意味で師匠だとは認めていないシウフーは、蛇で悪戯してみたり、

トイレの扉を固定した上で、鶏スープに下剤を入れて腹痛を起こさせようとして、逆に自分が飲むことになってトイレの扉に体当たりする羽目になったりと、

トライアンドエラーを繰り返して行く事になります。

しかし、その間もユニークで厳しい訓練法でカンフーの修行は受ける事になりますので、カンフーの腕は少しづつ上がって行く事になります。

で、そんな中、極悪棍術【天魔棍法】を操る悪党ロク・サントウ(ウォン・チェンリー)が、街を牛耳ろうと目論み始め、まずは邪魔者である正義の道場白鶴館を壊滅させようと動き出します。

で、その陣頭指揮を執っているのが、4年前に街を追放された、まさかの極悪人ティウイーで、実は追放後、そのままロク・サントウの弟子となって極悪街道を突き進んでいて、

今では、立派な極悪人となって、復讐の意味も込めて街に帰って来る事になります。

で、師匠のロクや、極悪人仲間と共に、白鶴館の師匠と弟子に襲い掛かり、なんとか逃げ延びた弟子の一人以外は全員命を奪われてしまう事になります。

で、その生き延びた弟子は、スー・シアの友人でもあったラウ・ホクニンに助けを求める事になります。

で、その場にいたチェンは、その遺体に残った傷跡から、その技が、邪悪な【天魔棍法】によるもので、

その技を使える犯人が、悪名高き、ロク・サントウだという事を見抜きます。

しかし、その【天魔棍法】を破るには、必殺の【龍手】を習得した者でないと敵わないという事で、その技を使える達人は、過去に存在していたが、

今現在は、行方不明となっているために、その技に対抗できる者は存在しない、という事も分かります。

で、そのロク・サントウは、さらに街支配下計画の第二弾として、港を暴力で封鎖して、利用者には強引に重税を徴収する、

という無茶苦茶な横暴で、街の経済をストップさせていきます。

その横暴を聞いたシウフーは、森で義父と暮らしながら養鶏を営みつつ、カンフーも修行する親友セクハッロン(マン・ホイ)と共に、

港の悪党達に喧嘩をふっかけて暴力に対して暴力で対抗していきます。

で、その報告を受けたティウイー(シウフーはいとこ)は、部下である四人の蛇拳使いに命じてロンを森で襲わせたりしますが、

途中シウフーの参戦、さらにはその師匠であるチェンの参戦で、蛇拳使い達は、逆に圧倒されます。

しかし、参戦したチェンは、戦いの途中で、相手の姿が突如見えなくなる、という不可解な出来事に、不穏な空気を感じ取り、

シウフーとロンと共に、急ぎ屋敷に戻りますが、時すでに遅く、チェンたちが戦いのために留守にしているうちに屋敷はティウイー達本隊に襲われていた後で、

蛇拳使いたちの襲撃によって、自分達が誘き出されていた事に気付きます。

激しい怒りに燃えるシウフーですが、屋敷には、実はティウイーとその師匠であるロク・サントウもまだ隠れていて、姿を現しチェン、シウフー、ロンに襲い掛かります。

要するに、街支配下計画の第三弾として、最後の邪魔者たちを、まとめて抹殺しにかかってきたのでした。

カンフーの腕の高い三人ではありますが、流石に多勢に無勢で、さらに強敵ロク・サントウもいるという事で、

このままでは全員が命を落としてしまうと感じたチェンは、ある作戦に出ることになり、、、

、、、、、なんとか逃げ延びたシウフーとロンの二人は、そのままロンの義父(クワン・ユンムン)の所まで行き、

事情を説明すると、義父の目の色が変わり、自らに巻き起こった10年前の出来事を語り始めます。

義父曰く、『私は、かつて龍手を習得し、、、、』

、、、、、、、、、

、、、、、、、、

というのが、大体の本作の流れとなっています。

香港の大著名漫画家、ウォン・ヨクロン原作漫画の映画化作品で、2006年には、ドニー・イェン、ニコラス・ツェー、ショーン・ユー主演で、二度目の映画化を果たしています。

かちこみ!ドラゴンタイガーゲート)と本作が、まさか同じ原作の映像化だとは、言われないと分からないぐらい(というか、言われても分からない)にイメージの違う作品ですが、

2006年版で、ニコラス・ツェーが演じているウォン・シウフーをメン・ユエンマンが演じ、

同門ではないながらも、後に同門になる、ショーン・ユーが演じていた相棒セク・ハッロンを、本作ではマン・ホイが演じていたりと、

当然ながら、同じ主人公達の活躍を描いた作品となっています。

ドニーが演じていたシウフーの兄ウォン・シウロンは本作には登場しません(かちこみ!より)

大筋的にも、それぞれの戦いが、なんとなく共通の戦いになって行く流れがありますので、物凄く遠目で見れば、物語も同じと言えば同じ内容となっています。

同じ原作でもカンフー映画全盛期の本作と、ドニー快進撃期で、ここまで違うのか?というぐらいの違いですが、

本作はウオン・ヨクロン自身が、自身の映画製作会社を立ち上げて監督・製作総指揮・脚本と全てをこなして映画化した作品で、

勿論、他の製作者が勝手に製作したような作品とは違い、原作者の意図がしっかりと反映されているはずで、

ドニー版にも、キャストとして出演していますので、両作品ともに、原作者のお墨付き作品であることは間違いないと思われます。

かちこみ!ドラゴンタイガーゲート)の名作ぶりは、直ぐに確認できますので、割愛させて頂きますが、

かなりイメージの違う本作の見所としては、正直ドニー版のような漫画チックな世界観とアクションの融合としての見所は薄く、

完全に参加しているスタッフ・キャストのアクションの素晴らしさが、そのまま本作の魅力となっています。

主演が、メン・ユエンマン、相棒役にマン・ホイ、ラスボス役でウォン・チェンリー、師匠役でパイ・ピョウクワン・ユンムン、小悪党役でイップ・フェイヤン

さらに、アクションのある脇役で、スー・シアラウ・ホクニンリー・チュンホワ

この全員動ける出演陣の凄まじさに加えて、武術指導で、コリー・ユエンや、ブランディ・ユエン、ユエン・シンイー、チン・ユッサーン、スー・シアと、

他のメジャー作品でもなかなかそろわないような凄まじい豪華スタッフ・キャストが大勢参加し、カンフーアクションシーンもテンポ良く長めに挿入される、

という、原作を抜きにしても、カンフーアクションシーンの素晴らしさだけで、他の作品の数倍は楽しめる魅力に満ちた作品となっています。

ただ、逆に言うと、マン・ホイが説明なく金髪だったり、【天魔棍法】マン・ホイが使う船のオールを使った技等、原作にありそうな要素が見え隠れはするものの、

最終的にウォン・チェンリーを倒す技は【龍手】ではなく、怒り狂うマン・ホイによる、攻撃を受けても怒り過ぎて痛みを感じない、というマン・ホイ怒りの鉄拳であったり、

マン・ホイは、怒り過ぎて、わけわからなくなって、
ウォン・チェンリーのズボンを下す、という禁断の技に手を染めます

マン・ホイの金髪なんかも、無理矢理すぎて、完全に作品の世界観を壊してしまっていたりしますので、

原作の映像化作品としての見所は、かなり薄めとなっています。

物語展開も、ほぼメン・ユエンマン中心の物語で、マン・ホイのキャラクターが、本筋にはそんなに絡まずに、

物語が進んだ合間に、相棒として要所で登場する、といった感じで、完全なカンフー映画の世界観に原作漫画の内容を落とし込む限界を感じる内容ですが、

後半になって、それまでほとんど登場しない義父が、意外と重要人物だった、という後出しジャンケン的な物語展開で、二人の物語が融合されて行きます。

10年前の義父
10年後の義父(老け方が、、)
10年前の悪党
10年後の悪党(老け方が、、)

という感じで、物語的には、少々強引な展開もある本作の監督は、原作者のウォン・ヨクロンルー・チェンクーの共同監督という表記になっていますが、

ウォン・ヨクロンが、立ち上げた製作会社(玉郎(香港)有限公司)は、本作以降は、一作のみ製作に関わった作品があるのみで、

ウォン・ヨクロン個人としても、監督業には、その後携わっていないようですので、恐らく本作でも監督としては、そんなには活躍せずに、

結構な割合でルー・チェンクーの方が、監督業をこなしてしていたのではないでしょうか。

しかし、そうなってくると、ルー・チェンクーが監督した(ドラゴンアームズ)や(殺戮の天使たちキラーエンジェルズ)のトンデモぶりも考慮に入れると、

ルー・チェンクー=トンデモ系作品監督、、、、ではなく、何かの要因で、進行が困難になった作品を、

それでもなんとか作品として成立させる監督、という事が言えるかもしれません。

本作の場合も、あまり監督としての今後の活躍を考えていない漫画家が、監督として撮影をスタートさせながらも、

あまりの不手際に、そのままでは撮影続行が厳しそうになったところを、頼まれて原作要素を無視してなんとかカンフー映画として成立させた、

という事も、もしかしたらあったのかも知れないですね。

完全に超個人的な邪推ではありますが。

それにしては、カンフーアクションとしての完成度は高すぎますが、、、。

あと、個人的にちょっと気になったのは、ウォン・チェンリーが、凄まじいハイキックや鷹爪拳と同じように披露する棍術が、他の技ほどには得意ではないのか、

全身が映る引きのシーンになると、どうも武術指導として参加しているコーリー・ユエンに変わっているシーンが結構あるように見えました。

ウォン・チェンリーが、その程度のアクションでスタントを使う?という疑問もありますが、そこまでしても【天魔棍法】なる技の要素を入れたかった、という事でしょうか。

個人的には、無くても良かったと思いますが、、、。

こういう角度のシーンは、コーリー・ユエンのような、、、

という事で、(かちこみ!ドラゴンタイガーゲート)と本作(龍虎門)、似ても似つかない同じ原作を描いた作品となっていますので、

ドニー版を既にご鑑賞済みの方等、見比べてみてはいかがでしょうか。

物語はシンプルですので、字幕なしの英語版等でも十分楽しめますよ。

作品情報

1979年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 ルー・チェンクー、ウォン・ヨクロン 製作総指揮・脚本 ウォン・ヨクロン

武術指導 コーリー・ユエン、ユエン・シンイー、ブランディ・ユエン、チン・ユッサーン、スー・シア

出演 メン・ユエンマン、マン・ホイ、ウォン・チェンリー、パイ・ピョウ、イップ・フェイヤン、クワン・ユンムンスー・シア、ラウ・ホクニン、リー・チュンホワ、タイ・サン

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