おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ラム・チェンインが道士役を演じ、ウー・マが監督し神父役を演じた西洋モンスター、ドラキュラと東洋モンスター、キョンシーが同時に襲ってくるドタバタキョンシーアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
DVDタイトル 霊幻道士 ザ・ムービー 空飛ぶドラキュラリターンズ
今回ご紹介する作品は、ラム・チェンインとウー・マがライバル同士を演じるキョンシーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
かつて、酒泉村の教会で、神父が悪魔に襲われるという忌まわしい事件が発生したため、その教会は閉鎖されたが、
20年後、新しいウー神父が、教会を再開させるためにやって来る。
道教の道士、九叔道士は、邪悪な存在を感じる教会の再開に大反対するが、抵抗むなしく教会は再開されてしまう。
そして、数日後、人で賑わう教会で、悪魔に憑りつかれた神父が吸血鬼となって復活するのだった!?
監督は、神父役で出演もしている(電光!飛竜拳)(詳しくはこちら)や(酔八仙拳) (詳しくはこちら)等の
ウー・マで、お馴染みの設定を活かしたキョンシーアクションを演出しています。
主演の道士役は、本家(霊幻道士)(詳しくはこちら)や、(ドラ息子カンフー)(詳しくはこちら)等の
ラム・チェンインで、いつもの威厳のある道士役を好演しています。
で、その弟子役で、(ドラゴンフォー)シリーズや(鬼喰う鬼)(詳しくはこちら)等のコリン・チョウが登場し、素晴らしいアクションを披露しています。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、ある村の神父が、教会で邪悪な存在(恐らく悪霊)に襲われ、
人知れず命を落としてしまうシーンから始まります。
で、それから数年後、事件によって教会は閉鎖されましたが、バチカンからウー神父が、再び教会を再開させるために一団を率いてやってきます。
色んな物資を無料で提供し、西洋文化の香りのする一団に、気を良くした村人たちは、神父たちを大歓迎しますが、
九叔道士(日本語字幕ではラム道士と名前が変更されています)だけは、忌まわしい事件によって封鎖されたその教会の再会に反対します。
しかし、儲けに走る村長とその息子によって、結局教会は再会される事になります。
唯一人の教会反対派の九叔道士は、色んな抵抗を試みますが、結局上手く行かずに孤立していきます。
そんな中、九叔道士の同門の兄弟弟子である道士が、キョンシー隊を率いて村にやってきます。
一見、普通のキョンシー隊に見えますが、実はその道士は、金儲けを企む町長とその息子が、麻薬を密売する目的で雇った道士で、
率いているキョンシー達も実は、全員生きた人間達の成りすましだった事が分かります。
それをいち早く察知する九叔道士と弟子のアシン(コリン・チョウ)とユリョン(チャン・カイクワン)ですが、
教会では、さらに大変な事件が発生します。
冒頭で、命を落とした神父が、ドラキュラとして復活し、修道士の一人を襲ったのでした。
で、その出来事をもみ消そうと、修道士復活の儀式を行うウー神父ですが、この行為は、危険を察知した九叔道士によって阻止されますが、
その修道士を襲ったドラキュラ神父が、いよいよ活発に動き出し、まずは偽キョンシー隊に襲い掛かって、
偽キョンシー達は、ドラキュラキョンシーと化し、村の人々を襲い始めます。
そして、九叔道士と弟子達は、ドラキュラキョンシーたちを倒すために、決死の戦いを開始する、、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
(霊幻道士)シリーズの流れを汲む作品で、ラム・チェンインは、他のシリーズ作品でも度々演じている九叔道士役を再び演じた作品となっています。
ただ、勿論世界観的に他の作品と繋がりがあるわけではなく、恐らくラム・チェンインがいつもの道士役を演じているから、という理由だけでその役名になったと思われます。
内容的には、他のキョンシー作品にありがちな流れで、流派の違う魔物退治の師匠二人が、お互いの主張をぶつけ合い、
喧々諤々とやるものの、強大な敵の登場によって、結局はライバル同士が協力し合って強敵を撃退する、というキョンシー作品の王道のような物語となっています。
ただ、本作、1993年製作という事で、キョンシーブームも去った後に製作された作品ですので、ちょっと変化球を加えようとしたのか、
ウー・マ監督自ら演じる神父は、命を落とした修道士に、こっそりと復活の儀式を行う、というかなり罰当たりな行動に走ったり、
色々と主張するわりには、肝心なところで全然活躍しなかったり、という感じで、結局は、九叔道士のライバルにさえなっていない、という少々残念なキャラクターとなっています。
ライバルというより、引っかき回すためだけに登場する、という感じでしょうか。
しかも、復活の儀式は一応成功するものの、その修道士が暴れまわるのではなく、結局最初にその修道士の命を奪ったドラキュラキョンシーが暴れまわる、
という、相当罰当たりな事を仕出かしているのに、特にその後の出来事には影響しない、という薄い扱いも、神父の存在感をさらに薄めてしまっています。
とは言え、キョンシー作品なので、ラム・チェンインがカッコ良くキョンシーを退治すれば、それだけで盛り上がりはしますので、
ラム・チェンインのカッコ良さと、弟子役コリン・チョウの凄まじい身体能力の高さで、キョンシーアクション作品としては、結構見所の多い作品となっています。
ただ、一つ残念なのは、楽しい系の作品なのに、後半になると、結構な数のメインキャラクターが、根こそぎドラキュラキョンシーの餌食となってしまいますので、
せめて、あのキャラクターぐらいは、、、、、と思いますが、その辺りも多くのキョンシー作品が製作された後の1990年代製作という事で、色んな意味での変化球を狙った結果かもしれません。
という事で、楽しいだけで終わる作品ではありませんが、(霊幻道士)の雰囲気は感じられるキョンシー映画となっていますので、
香港映画好きの方や、キョンシー作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1993年製作 台湾製作 キョンシーアクション
監督 ウー・マ
出演 ラム・チェンイン、コリン・チョウ、ウー・マ、チャン・カイクワン、イップ・ウォンツォー
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