【カンフー映画】アンジェラ・マオ ザ・トーナメント(中泰拳壇生死戰THE TOURNAMENT)94分

投稿者: | 2025年8月19日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

ムエタイ選手との試合で大敗した兄の汚名をそそぐため、カンフーの達人の妹が現地で異種格闘技試合に挑むアンジェラ・マオ主演、サモ・ハンキンポー武術指導のカンフーアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、アンジェラ・マオ主演のカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

中国武術協会に所属する道場経営者リウは、弟子のチャンが黒社会員に連れ去られた妹を救うために高額の賞金の出るタイの武術大会に出場する事を許してしまう。

しかし、結果は大惨敗で、メディアでも大々的に報道されてしまったため、中国武術協会の幹部たちに中国人の恥さらしと責め立てられる。

そんなリウの汚名をそそぐため、娘のフォンは立ち上がり、タイに自ら乗り込んでムエタイを研究し、再び異国の格闘技に挑むのだった!!

監督は、(鬼怒川)や(女活殺拳)(詳しくはこちら)等、アンジェラ・マオ売り出しのメイン監督だったファン・フェンで、

本作では助演も果たし、アンジェラ・マオの魅力を引き出したドラマを演出しています。

ファン・フェン

主人公の女性武道家役で、(破戒)(詳しくはこちら)や(蛇形醉歩)(詳しくはこちら)等のアンジェラ・マオが登場し、素晴らしいアクションを披露しています。

アンジェラ・マオ

で、アンジェラの兄役で、(少林寺への道)(詳しくはこちら)や(マッドリベンジャー)(詳しくはこちら)等の、

カーター・ワンが登場し、長尺のキックボクシング試合シーンを披露しています。

カーター・ワン

で、主人公の宿敵の一人となる日本人武道家役で、(ドラゴンロード)や(カンフー風林火山)(詳しくはこちら)等の、

ウォン・インシクが登場し、華麗なアクションで主人公を追い詰めていきます。

ウォン・インシク

で、主人公達一家の経営する道場と対立する中国武術総会のメンバー役で、(スカイホーク鷹拳)(詳しくはこちら)や

電光!飛竜拳)(詳しくはこちら)と同年のサモ・ハンキンポーが登場し、本作でも武術指導を兼任して若々しいアクションを披露しています。

サモ・ハンキンポー

で、中国武術総会の会長役で、(男たちの挽歌2)や(ファントムセブン)等のクワン・シャンが登場し、対立するメンバーの間で板挟みとなっていきます。

クワン・シャン

その他にもウィルソン・トンマリア・イー、ユン・ピョウ、ユン・ワー、チャン・ロン、チン・シュウトン等、

その後の香港映画で大活躍するキャストが、端役やスタントマンとして大勢登場します。

マリア・イー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、街で飲食店を営み、武術道場も経営するリウとその弟子チャンは、

ある日横暴な黒社会組織に高額の上納金を要求され、追い詰められた挙句、弟子のチャンがタイで開催される格闘技大会の優勝賞金を目的に、

対外試合を認められていない中国武術協会に無断で試合への参加を許可してしまうシーンから始まります。

この大会には2名での参加が義務づけられていて、サポートメンバーとしてリウの息子であるカーター・ワンも一緒に参加しますが、

二人共武術の未熟さゆえに、ムエタイ選手に圧倒的に完敗してしまい、カーターは負傷し、チャンは命を落としてしまいます。

この圧倒的な敗退によって、面目を潰された中国武術協会は、リウとその二人の弟子を、中国武術会の恥さらしと責め立て始めます。

サモハン『恥さらしめっ!!』

さらに、この騒動によって、リウの息子カーターと、娘アンジェラ・マオ以外の弟子達は愛想をつかし、

速攻で道場を辞め、何故か、良心まで捨てて荒くれ悪党と化してしまいます。

悪党と化す弟子達

そして、道場にはリウとその家族だけとなってしまった上に、中国武術会の恥と責め立てられ続けたリウは、追い込まれた挙句についに極端な選択肢を選んでしまいます。

絶望の淵へと落ちてしまうアンジェラカーターの兄弟ですが、それでもアンジェラは、前を向き父の汚名を晴らす事を決意、

まずは兄が試合に負けた敗因を探るために、タイに行ってムエタイを研究したいと、武術協会に訴えかけます。

しかし、閉鎖的な武術協会は、その申し出を受け入れず、自分達の意に反した行動を取ろうとするアンジェラとも敵対関係となってしまいます。

そんな会合が開かれた後、道場へと戻ってみると、かつての弟子達(チャン・ロンユン・ワー、ユン・ピョウチョン・ファと後のスター多数登場)が、

日本人武道家(ウォン・インシク)を、引き連れて道場を占拠し、この道場を使わないのなら借り受けたいと強引に申し出てきます。

勿論、こんな横暴を許すアンジェラではありませんので、襲い掛かる元弟子達(アンジェラから見たら元弟弟子達)を、

華麗なアクションで、バッタバッタと倒していき、最後に登場するウォン・インシクさえも、圧倒的なアクションで倒してしまいます。

で、立ち去るウォン・インシクと元弟子達と入れ替わりで、今度は、サモ・ハン率いる武術協会の幹部たちが姿を現し、

勝手にタイに行こうとするアンジェラを封じ込めようと襲い掛かります。

しかし、アンジェラは、兄のカーターどころではない武術の腕前なので、サモ・ハンも結局敵わず、その後連続で襲い掛かるウィルソン・トンも圧倒し、

腕自慢の武術協会のメンバーを全員叩きのめしてしまいます。

そして、あまりの武術の腕に、ぐうの音も出なくなった武術協会のメンバーを尻目に、ついにアンジェラカーターは、タイへと旅立っていきます。

タイでは、武術協会会長の友人の紹介で、ムエタイジムでの練習風景をゴツイカメラで撮影させてもらい、

その映像を観ながらムエタイの長所と短所を研究してきます。

で、ついに、タイ人のプロモーターと大々的な試合を取り付け、中国武術とムエタイの威信を掛けた異種格闘技戦が開催される、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

イップマン)にまで続く、閉鎖的な中国武術界のいざこざを軸に、そこにムエタイという異国の文化で発展した格闘技との激突を描いていく、

というドラマと武術アクションが上手く融合したカンフーアクションです。

さらに、本作はカンフーアクションもじっくりと描きながら、ムエタイという格闘技自体をじっくりと描くという意図もあるようで、

下手するとカンフーアクションで活躍するアンジェラ・マオのシーン以上の長尺で、カーター・ワンのムエタイ試合シーンが繰り返し3回も描かれます。

それも、ある程度の演出が加わっているアクションと、ガチンコ系のリアルなアクションが混合でしっかりと描かれますので、

作品全体を通して、カンフーアクションを観たイメージよりも、ボクサーパンツのカーター・ワンのアクションの方が印象に残るぐらいにムエタイ試合が丁寧に描かれています。

一応、クライマックスではTシャツ着用のアンジェラのキックボクシング試合も描かれますが、その直前に

タイ人プロモーターの『ムエタイのリングに女性は上がれない。』という台詞があるにも関わらず、その問題を解決することなく、

速攻でリングに上がって、あっさり勝利を収めてしまう、という散々揉めながら研究したわりには、カーターの10分の1ぐらいの描写であっさりと勝利してしまっているのが、

それまでのドラマを積み重ねているだけに少し残念な物語展開となっています。

ただ、本作、試合シーンが多い割には、このムエタイ試合シーンはラストバトルではなく、

試合中にタイ人プロモーターによって連れ去られた会長の友人の娘を救うために、カーターアンジェラが連れ去られた遺跡に乗り込み、

ユン・ピョウやら、ユン・ワー等、他のシーンでも見かけた悪漢達をアンジェラがバッタバッタと倒して行くというバトルが描かれ、

さらに、その後全てのバトルを終えたはずのアンジェラたちが、道場に帰ってみると性懲りもなく、元弟子達とウォン・インシク

さらには、空手着をまとった西洋人武道家まで登場して勝手に道場を開いている、という中盤で見かけたようなシーンが続き、

三回目のラストバトルが繰り広げられる

という、前半見せ場をカーターに譲っていたアンジェラの見せ場を挽回するような端折りラストバトルが繰り返されます。

観終わってみると、役柄的にはアンジェラの引き立て役のはずのカーターのガチンコファイトが長尺過ぎて前半若干間延び感がありますが、

中盤以降アンジェラ・マオがメインで活躍するアクションシーンは、やはりどれも素晴らしく、武術指導のサモ・ハンを筆頭にレジェンド級のスタントマンが多数参加していますので、

中国武術を披露するシーンはどれも名シーンの連続となっています。

という事で、前半と後半でかなりテンポが変わる作品ですが、カンフーアクションとしては見所満載の作品となっていますので、

アンジェラ・マオファンの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1974年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・脚本 ファン・フェン 製作 レイモンド・チョウ 武術指導 サモ・ハンキンポー、チェン・チュアン

出演 アンジェラ・マオ、カーター・ワン、ウォン・インシク、サモ・ハンキンポー、コー・シャンティン、クワン・シャン、ウィルソン・トン、マリア・イー、ファン・フェン、ユン・ピョウ、ユン・ワー、リー・クン

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