おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
代々受け継がれている亡くなった人の魂を集める冥府への導き人の家柄に生まれた青年が、自由を求めて悪霊と対決するユン・ピョウ、エリック・ツァン、ラム・チェンイン、フォン・ツイファンとサモ・ハン作品らしい豪華キャストが結集したホラーコメディアクション!!
作品紹介
今回ご紹介する作品は、サモ・ハンが製作し、ユン・ピョウが主演したゴーストコメディアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ロンとタクは、スタントマンとして活躍する親友同士で、ロンの父親とも家族ぐるみの付き合いをしていたが、
実は、ロンの父は、亡くなった人の魂を冥府へと送るソウルメッセンジャーの家系で、ある日、そのルールを破ってしまった事で、
今度は、ロンがソウルメッセンジャーの役目を背負う事になってしまうのだった!?
監督は、冒頭でゲスト出演もしている(魔界天使)(詳しくはこちら)や(燃えよデブゴン 豚だカップル拳)(詳しくはこちら)等の
ラウ・カーウィンで、(魔界天使)の世界観を掘り下げたような怪奇物語を演出しています。
主人公役は、(大福星)や(七福星)と同年の人気絶頂期のユン・ピョウで、華麗なアクションも披露しつつ、
ドラマ面では、ダークな運命を背負った青年を好演しています。
その親友役で、こちらも(大福星)(七福星)と共演し、さらにチョウ・ユンファ主演(女人心)やジョン・シャム共演の(老友鬼鬼)等、
多くの作品で主演、ゲスト出演等、こちらも絶頂期のエリック・ツァンが登場し、お笑い部分を掘り下げていきます。
で、ユン・ピョウの父親役で、同じく福星シリーズにも出演している(誘拐同盟スクランブル5)(詳しくはこちら)や
(アーメン・オーメン・カンフーメン)(詳しくはこちら)等のフォン・ツイファンが登場し、今回はコメディ部分とシリアス部分を両方演じています。
で、エリック・ツァンの父親役で、同年公開の(霊幻道士)(詳しくはこちら)で大ブレイクして行くことになる
(人鬼神)(詳しくはこちら)等のラム・チェンインが登場し、得意となる道士役の原型のような役柄を演じています。
で、ユン・ピョウと恋人同士になる女性役で、1976年度のミス香港出身で映画では(多情种)等に出演している
ラム・リョンワイが登場し、物語に華を添えていきます。
で、エリックに言い寄られ恋人となる歌手役で、レスリー・チャン、ナット・チャン出演の(求愛反斗星)や
チェリー・チャン主演の(雪兒)等のン・ハーピンが登場し、事件に巻き込まれていきます。
で、後半からの出演ですが、ラム・チェンインの恋人の女性霊媒師役で、(少林寺破戒大師伝説)(詳しくはこちら)や
(ツーフィンガー鷹)(詳しくはこちら)等のリリー・リーが登場し、見せ場を攫っていきます。
で、ゲスト的な出演ですが、フォン・ツイファンと同じ身分の男役で、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)や
(妖術秘伝鬼打鬼)(詳しくはこちら)等のサモ・ハン作品常連、チョン・ファ、
エリックが担ぎ込まれる病院の意地悪な医師役で、(霊幻道士)や(ちびっこキョンシー危機一髪)(詳しくはこちら)、(レディスクワッド)(詳しくはこちら)等のビリー・ロウ、
女幽霊役を演じている女優役で、(セブンウォリアーズ)(詳しくはこちら)や(ソウル)(詳しくはこちら)等のエレイン・ジン、
その女幽霊に襲われる刑事役の俳優役で、(五福星)等の福星シリーズや(霊幻道士3)等のサモ・ハン作品でお馴染みリチャード・ン、
同じく刑事役の俳優役で、(イースタンコンドル)や(上海エクスプレス)等のこちらもサモ・ハン作品でお馴染みウー・マ、
街中でエリックと喧嘩になる男役で、(プロジェクトA2)や(チャイニーズゴーストストーリー)等のラム・ウェイ、
映画を撮影中の女優役で、(チャンピオン鷹)や(天使行動)(詳しくはこちら)等のムーン・リー、
そして、本人役で、(大福星)、(七福星)、(ファーストミッション)や(レディハード)と同年のサモ・ハンキンポーと、
主要メンバーやゲスト出演者も非常に豪華なスタッフ・キャストが結集した作品となっています。
そんな豪華な本作の物語は、スタントマンとして活躍しているロン(ユン・ピョウ)とタク(エリック・ツァン)が、
トレーニングで公園をランニングしているシーンから始まります。
例によってエリックは、すれ違う女子に片っ端から声をかける勢いで、勿論よそ見をしまくって、トイレに間違えて入ってしまったり、
太極拳を練習中の叔父さんとぶつかってしまったり、という感じで騒動を巻き起こします。
で、その太極拳のおじさんが、まさかの監督のラウ・カーウィンで、割り込んで行ったユン・ピョウといきなりカンフー対決に突入します。
いきなりですが、この物語の本筋とは関係ない寄り道で、まさかのユン・ピョウVSラウ・カーウィンという豪華すぎる対決を迎えますが、
勿論、寄り道ですので、ラウ・カーウィンが戦いに飽きてしまったタイミングで、対決終了となります。
で、その後ロンとロンの父親であるフォン・ツイファンと、タクの3人で、ディナーのために外食に出かけますが、
食事中に、眩暈がしたフォンは、そのまま『ちょっと疲れたので、先に帰る、、。』と言い残して帰ってしまいます。
そんなフォンを見てタクは心配しますが、実は、ロンは、父親のそういう態度を子供時から何度も観ていて、
自分が9歳の時にも、急に帰られて、遊園地に放置される、という厭な経験までしているので、特に心配する事は無く、
帰ってからは、誰が起こしても決して起きないぐらいに寝入ってしまうのでどうしようもないので、心配する必要がないと言われます。
で、そして、帰宅してからベッドに横たわるフォン・ツイファン、実は誰にも言えない秘密があって、、、、、
眠りに落ちたフォンは、そのまま魂が身体と分離、魂だけの存在となったフォンは、夜の香港の街へ繰り出していきます。
で、彷徨っていると、精神が錯乱して、はずみで酷い事故に合って、道端に横たわるおじさんの額に手を当てて、そのまま魂を引きずり出し、冥府へと送ります。
要するに、フォンは、亡くなった人の体から魂を取り出し冥府へと送る、という【ソウルメッセンジャー】の任務を代々受け継いでいる家系の生まれだったのです。
で、この【ソウルメッセンジャー】は、一人だけではなく、色んな所に存在していて、チョン・ファなんかも、露店を営みながら任務をこなしていたりします。
で、ある時、フォンが、冥府で次の任務を知らされる順番待ちをしていると、前に並んでいたチョン・ファの任務の対象人物が見えてしまいます。
で、現世で、映画のスタントを撮影中のロンは、美術スタッフに支給された女性のネグリジェが、ひらひらと引っかかって危険なので他の衣装と変えてくれ、と言いますが、
スタッフは、NOと言える香港女性なので、衣装チェンジは却下されます。
で、珍しくキレたロン(ユン・ピョウ)は、そのスタントを降板してしまい帰ってしまいます。
で、行き違いで送れてきたエリックがそのジャンプスタントをやることになり、、、、。
冥府で、昔から良く知る息子の親友のタクが、もうすぐ命を落とす運命にある、と知ったフォンは、現世に戻ると、
タクは、病院のベッドで危篤状態、今まさにチョン・ファが魂を抜こうとしている現場で、フォンは、ルールを犯して魂の抜き取りを妨害してしまいます。
で、危篤状態を脱したエリックは無事意識を取り戻します。
ただ、ルールを犯してしまったフォンは、冥府の使者からの報復を受ける事になり、逆に今まで魂を集めてきた者達に襲われ、自分が命を落としてしまいます。
で、フォンが亡くなってしまった事で、今度は、【ソウルメッセンジャー】の任務を息子であるロンが継ぐ事になり、
父親と同じように、エリックとガールフレンドたちの4人で映画のナイトショーを見に行こうと約束していたのに、疲れて眠ってしまい、
そのまま魂が分離し、バイク事故で、倒れているおじさんの魂を冥府に送り、身体へとまた戻ります。
ただ、ロンは、そんな任務をしたくない、という強い思いがありますので、割と速攻で、その状況をエリックとそのガールフレンドのン・ハーピン、
自分のガールフレンドのラム・リョンワイ(この人がネグリジェを用意して喧嘩した人)の3人に打ち明けます。
で、じゃあ、皆で解決しようという事で、道術に詳しいタクのお父さんであるラム・チェンインに、相談します。
で、次の発作が出た時に動きを封じ込めて魂分離が起きないようにしよう、という事で、なんとか術を施して分離を阻止します。
しかし、その任務を放棄した、というルールを破った事で、今度はロン自体が父親のように命を狙われる事になり、
困ったラム道士は恋人で、霊媒師のリリー・リーや高僧の協力を得て、冥府の使者との激しい戦いに身を投じていく、というのが大体の大筋となっています。
本作、ユン・ピョウ、サモ・ハン人気絶頂期の作品ながらも、未だに未公開のままの残念な作品ですが、恐らくその理由は、
全編を通して【人の死】をメインに扱った内容で、人が絶命するシーンが何度も訪れてしまう割に、基本的にはコメディ、
という香港映画独特の世界観の作品で、娯楽映画向きの題材ではないために、敬遠されたのだと思われます。
これが、クライマックス近辺のオカルト展開だけがメインであったり、本作の数か月後に公開された(霊幻道士)のキョンシーのような分かり易いゾンビと戦う展開だったり、
全体的にコメディ色で統一されていたり、ソウルメッセンジャーのズッコケ珍道中のような内容だったり、
主人公達が、ソウルメッセンジャーと戦う側の物語だったらまだ問題は無かったと思われますが、ユン・ピョウ自身が亡くなった人の魂を集めに行く、
という、微妙に当時のユン・ピョウが演じていた分かり易い明るいヒーロー的なイメージとはズレていた、という部分がネックとなったのではないでしょうか。
ただ、サモ・ハン製作で、ラウ・カーウィン監督、ユン・ピョウ主演、ラム・チェンイン共演で、アクションが盛り上がらないわけがなく、
本筋とは関係ない冒頭の激闘や、中盤に浜辺で展開されるチンピラ集団との激闘、そしてクライマックスバトルと本格的なアクションシーンが挿入されます。
特にクライマックスの登場人物に次々と冥府の使者が乗り移りながら、繰り広げられる大騒動は、アクションの素晴らしさと、
オカルトホラー展開を融合させた、非常に盛り上がるラストバトルとなっています。
という事で、豪華キャストの作品ながらも、当時としては異色な内容の娯楽コメディホラーアクションとなっていますので、
香港映画好き、ホラー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1985年製作 香港製作 ホラーアクションコメディ
監督 ラウ・カーウィン 製作 サモ・ハンキンポー 武術指導 ラム・チェンイン、ユン・ワー
出演 ユン・ピョウ、エリック・ツァン、ラム・チェンイン、フォン・ツイファン、ン・ハーピン、リリー・リー、チョン・ファ、ラウ・カーウィン、リチャード・ン、ウー・マ、サモ・ハンキンポー、ムーン・リー、ビリー・ロウ、エレイン・ジン、ラム・リョンワイ
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