修行度 🔥🔥🔥🔥🔥●●●●●
富豪で権力者の息子を死なせてしまったイケてる夫婦が、大勢の殺し屋から狙われ、撃退して行く痛快男女バディアクション、、、、、、ではなく、特に特技の無い倦怠期を迎えた夫婦が逃げ惑いつつ、多すぎる暗殺者達の物語に脱線しまくった末に、あんまりなエンディングを迎える、イケてる犯罪アクション映画風のほとんどアクションの無い犯罪ドラマ!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、イケている風の夫婦が逃げ惑う、犯罪ドラマです。
それでは、まずはあらすじから、
結婚10年目で、倦怠期を迎えていたラブデイ夫妻は、その夜も、そのバーで離婚について話し合っていた。
そんな中、酒に酔った若者に絡まれ、気性の荒いローレンは応戦し、夫のルークも参戦して大乱闘となり、若者に暴行を加えて死なせてしまう。
孫の命を奪われた大富豪のマイケルは、復讐のために、友人のマフィアのボスに依頼し、100万ドルの懸賞金を掛けて暗殺者を次々と送り込むのだった!?
監督は、ヴィニー・ジョーンズ主演の(THE BEZONIANS)や(SMOKING GUNS)等のサバス・D・マイケルで、
お洒落な犯罪アクション風の世界観を独自の視点で表現しています。
主人公夫婦の夫役は、サバス監督作(SMOKING GUNS)でもコンビを組み、(トゥームレイダー2)や(ザ・ビーチ)等に出演している
ダニエル・カルタジローンで、屈強そうな外見で、普通の夫を演じています。
で、その妻役を演じているのは、サバス監督の(THE BEZONIANS)でもコンビを組み、同じく同監督の(RED DEVIL)や(ABOMINATION)等に出演しているロイス・ブレイビン・プラットで、
主人公とは思えないようなキャラクターで、物語の中心人物の一人を演じています。
で、主人公夫婦を追い詰めるギャングのボス役で、(暴走機関車)や(ザ・メガロドン大怪獣覚醒)(詳しくはこちら)等の
エリック・ロバーツが登場し、流石の貫禄で、作品世界を掘り下げていきます。
で、夫婦を襲う殺し屋の一人役で、(沈黙の作戦キリングサラザール)(詳しくはこちら)や(キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー)等の
格闘家ジョルジュ・サンピエールが登場し、主人公達に襲い掛かります。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、結婚10年目で倦怠期を迎えた、ある夫婦の酒場での喧嘩シーンから始まります。
性格的には、妻であるロイス・ブレイビン・プラットは、かなり気性が荒く、常に喧嘩腰、やたらと相手をなじり、
口調も所謂『F〇〇KING~。』という感じで、言葉の頭に四文字の言葉を付けるような、タランティーノ作品の登場人物のようなキャラクターで、
簡単には感情移入できないような、ちょっと引いてしまうような性格となっています。
で、それに対して夫であるダニエル・カルタジローンの方は、偽ジェームズ・ボンドのような外見ながらも、
温和、というより気弱な性格で、できるだけ揉め事は避けて通るタイプで、妻からの罵声も、飲み込んでしまうぐらいに穏やかな性格となっています。
で、そんな二人が、そのバーで飲んでいると、酔っぱらった学生風の青年が、ロイスに絡んできます。
で、勿論負けん気の強すぎる性格なので、必要以上にたしなめていると、青年も逆上、ロイスもさらに暴走し、殴り合いの喧嘩になってしまいます。
で、普段は温和なダニエルも、スイッチが入ってしまったようで、その青年に殴るけるの暴行を加えて、、、、
死なせてしまいます。
で、警察へと事情聴取に行きますが、状況から見て、正当防衛(には見えませんが、、)が成立し、夫婦は無罪放免となります。
で、命を奪われた青年の祖父である富豪のエリック・ロバーツが、当然キレてしまい、親しい関係のマフィア組織のボスに復讐を依頼し、
マフィアボスは、夫婦に高額の懸賞金をかけ、さらに腕利きの暗殺者を次々と送り込む、というのが大筋となっています。
物語的には、非常にシンプルで、罪を犯した夫婦が、報復される、という一本道以外にはありませんが、
本作、監督のセンスなのか、とにかくタランティーノやジョー・カーナハンのようなセンスが光る犯罪群像劇への憧れが強いようで、
(レザボアドッグス)や(パルプフィクション)に登場したような個性的なキャラクターや細かいキャラクター説明等が頻繁に登場します。
で、この個性的な暗殺者達の描写が特徴的で、本当に次から次へと様々な暗殺者が(主人公夫婦そっちのけで)登場し、
しかも、それぞれの暗殺者の物語を、特に本編には関係ないのに、その都度細かく描く、という感じで、
色んな暗殺者の説明が繰り返し繰り返し永遠のように続きます。
(ネバーエンディングアサシンズストーリー)という感じでしょうか。
しかも、その暗殺者達の説明は映像での説明ではなく、ほとんどが、
クセが凄いナレーションで説明してしまう、
という表現で、結果的に
莫大な量の、物語に不必要な情報を、くせスゴナレーションでしゃべり続けられる、
という底なし沼に落ち続けているような内容となっています。
あまりの暗殺者の多さに、主人公夫婦の登場機会も減ってしまい、感情移入できない性格の二人、という事以外にはほとんど人となりを説明する事無く、
とにかくナレーションメインの暗殺者の断線物語が流れ続けます。
で、中盤ぐらいになって、ある若い暗殺者の物語が始まると、今度は、何故かその暗殺者と恋人の脱線物語が映像付き(勿論クセスゴナレーションも有り)で詳細に描かれ、
暫く、本編にはほとんど関係ない若い暗殺者カップルの物語が続く事になり、倦怠期を迎えた主人公夫婦の存在感はますます薄まっていきます。
で、後半になってくると、それぞれの暗殺者の物語を描くのに飽きたのか、やっと暗殺者達が主人公夫婦へと近づいていき、
いよいよバトルロワイヤル展開になるのかと思いきや、、、、、、
、、、、、、サバス監督の独特のセンスによって、予想外の展開を迎える事になります。
勿論、大どんでん返し、や意外な真実が判明する、等の作品世界が楽しくなるような展開ではなく、
こういう流れなら、こうなる、という期待を裏切る(悪い意味でです)ような意外なクライマックスで、
後には悪い後味以外は何も残らないような結末となっています。
これが、もし、もう少し可愛げのある夫婦で、感情移入できる妻、がっちり体系ではない弱々しい雰囲気の夫、
暗殺者の人数も、しっかりと映像で紹介できる人数に減らし、アクション映画らしく、アクションシーンをしっかり入れて、ナレーションは必要最低限に減らすと、もっと楽しめる作品に、、、、
、、、、、と考えていくと、もう完全に別の作品になってしまいそうなぐらいに修行覚悟のいる作品となっていますので、
変わった映画好きの方等、精神修行のためにご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
まず、自分は今、何を観ているのか?という自問自答から始まって、色々と精神修行の旅に出てしまいますよ。
作品情報
2023年製作 イギリス製作 アクション
監督・脚本 サバス・D・マイケル
出演 ダニエル・カルタジローン、ロイス・ブレイビン・プラット、エリック・ロバーツ、ジョルジュ・サンピエール、ルーカス・アウレリオ、バス・ブラックウッド、マルコ・レオナルディ
↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画評論・レビューランキング
にほんブログ村