クロムスカル(LAID TO REST)90分
おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
作品紹介
2023年5月12日公開
今回ご紹介する作品は、特殊メイクで名を馳せた故ロバート・ホール監督によるスラッシャーホラーシリーズ作品です。
それではまずはあらすじから、
突然、棺桶の中で、その女性は目を覚ました。
なんとか自力で棺桶から脱出した女性は、近隣の住民に助けを求めに行くが、その後を、肩に小型カメラを装着し、
クロム性のドクロの仮面を着けた謎の殺人鬼が追い、住民達を残酷に殺害して行くのだった!?
監督は、テレビシリーズ(ターミネーター サラ・コナークロニクルズ)や(Xファイル ザ・ムービー)等で、特殊効果メイクを手掛けてきたロバート・ホールで、
本作ではかなり気合の入ったゴア描写全開のスラッシャーホラーを演出しています。
主演は、(ファイナルデッドパーティー)や(ターミネーター サラ・コナークロニクルズ)にも出演し、本作の製作も担当しているボビー・スー・ルーサーで、
事件に巻き込まれた記憶を失った女性を演じています。
で、クロムスカルの犠牲になる役柄で、(ガンパウダーミルクシェイク)(詳しくはこちら)や(高慢と偏見とゾンビ)等のレナ・ヘディが登場し、
有名女優とは思えないような退場ぶりを見せていきます。
で、主人公と共に行動する事になる男役で、(G.I.ジェーン)や(MAYメイ)等のケヴィン・ゲイジが登場し、
準主役に近い位置で、クロムスカルと戦っていきます。
で、ほとんど活躍せずに犠牲になるだけの店員役で、後に(Xメン)シリーズのアレックス・サマーズ役や、
ジャッキー・チェンの(ダブルミッション)等で有名になっていくルーカス・ティルが登場し、壮絶に散っていきます。
で、途中事件に巻き込まれ行動を共にする男役で、(25年目のキス)や(アイドルハンズ)等のショーン・ウェーレンが登場し、
かなりの気弱キャラながらも活躍して行きます。
で、終盤になってからの登場ですが、事件に遭遇してしまう血気盛んな若者役で(エルム街の悪夢)や(ホラーシネマパラダイス)等のトーマス・デッカーが登場し、
調子にノッていながらも、地獄のような目に合う役柄を好演してします。
で、冒頭で犠牲になる老人役で、(スケアクロウ)や(ザ・セブンアップス)等の名優リチャード・リンチが登場し、薄い物語性を、それでも少し深めています。
という、低予算B級ホラーにしては豪華すぎるスタッフ・キャストが製作した本作の物語、、、、、と言っても、本作には物語らしい物語がほとんど存在しませんので、
主人公であるボビー・スー・ルーサーが、いきなり棺桶の中で記憶を失った状態で目を覚ます、というシチュエーションサスペンスのようなシーンからいきまり始まります。
ただ、本作は棺桶脱出のシチュエーションサスペンスではありませんので、ボビーが取り乱してわめき、暴れまくると簡単に棺桶は、設置されていた台から転がり落ち、
その衝撃で簡単に自由になります。
で、そこはどうも葬儀屋で、逃げ出そうとすると鍵がかかっているので、騒いでいるとリチャード・リンチ演じる老人が外にいるのが見えたので、助けを求め、
気付いた老人がドアを開けてくれようとすると、、、、、、、
という所から、早速もう一人の主人公であるクロムスカルが登場し、スラッシャー展開へと突入してく、
という、開幕早々に本題に入り、その後その状態が終わりまで続く、という非常に大胆な構成の物語となっています。
物語か?という疑問はとりあえず置いておいて、クロムスカルが何故殺人を犯すのか?犯行時(ずっと犯行時ですが、、、)に方に装着している小型のカメラの意味は?
何故ボビーが狙われているのか?何故今犯行に及ぶのか?等色んな疑問が浮かびますが、そういう理由の説明は一切ありません。
ただただ、主人公が襲われ、なんとか攻撃を交わして近隣の住居に助けを求めても、そこの住人が犠牲になったり、
なんとか逃げ延びたケヴィン・ゲイジやシェーン・ウェーレン等と逃げても、やたらと先回りされたり、
また犠牲になって新しい登場人物と仲間になって、さらにその仲間も犠牲になったり、
という感じで、とにかく、
出会いと別れを繰り返していきます。
要するに本作は、監督もコメントしているようですが、残酷ゴアシーンを描きたい、見せたい、という監督の欲求が前面に推し出された作品で、
正直物語展開等は、どうでも良くなるぐらいにゴアシーンメインとなっています。
ですので、物語展開的には、冒頭と終幕でほとんど変わりありませんが、一応最終的には決着はつきますので、そこだけが変化している、という作品となっています。
ただ、、結局何も分からないながらも、主人公が、棺桶に入れられるまでの様子は、クロムスカルが撮影した過去の映像を見る、という形ではっきりしますが、
そこに凄い謎や、驚愕の事実が存在しているわけでもなく、『で、、、?』というような内容となっています。
ただ、本作、やはり有名な作品で特殊メイクを担当している監督作品だけあって、非常にゴア描写のクオリティが高く、
しかも、一応見るに耐えられるギリギリレベルの描写となっていますので、見せ場とも言えるシーンが何度も何度も登場する、
という特殊メイク作品等がお好きな方にとっては、かなり神レベルな作品となっています。
逆に言うと、そういうシーンが苦手な方にとっては、恐らく目を開けていられないレベルの作品にもなっています。
しかも、監督に人望があるのか、レナ・ヘディやルーカス・ティル等、既に有名だったり、ブレイク直前の有名俳優が、
どんどん悲惨な目に合っていく、というメジャー作品では絶対にありえないような、『大丈夫?』と心配になるようなシーンが短い上映時間に何度も登場しますので、
物語的にはスカスカながらも、キャストを含めたゴア表現だけは有名作品にも引けを取らない魅力を放つ作品となっています。
ただ、本作、ほとんど何の物語説明も無いままに終幕を迎えますが、2年後に製作された続編で、意外な展開を迎えて行く事になります。
作品情報
監督・脚本 ロバート・ホール 製作 ボビー・スー・ルーサー
出演 ボビー・スー・ルーサー、ケヴィン・ゲイジ、ジョナサン・シェック、ルーカス・ティル、ショーン・ウェーレン、レナ・ヘディ、トーマス・デッカー、リチャード・リンチ
クロムスカル リターンズ (CHROMESKULL:LAID TO REST2)93分
おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
作品紹介
2023年8月18日公開
という事で、ゴアシーンのクオリティの高さで人気となった一作目の直後を描いた二作目が登場します。
それでは、まずはあらすじから、
残酷な事件を生き延びたトミーは、警察の事情聴取に協力し、殺人鬼クロムスカルについても証言したが、
何故か倒したはずのクロムスカルの遺体は忽然と姿を消していた。
しかし、念のため進められたクロム金属工場の捜査で、捜査官の一人が行方不明になる事で、事態は急展開を迎えるのだった!?
監督は前作から引き続きロバート・ホールで、前作から2年後に製作された作品ですが、同テンションで作品世界を描いています。
主演の少女役は、(ブギーマン3)等のミミ・マイケルズで、わけもわからず事件に巻き込まれる役柄を好演しています。
で、前作からの続投で、意外に準主役級に活躍するのは、トーマス・デッカーで、広がった世界観の中で、キャラクターも掘り下げられていきます。
で、もう一人前作からの続投で、前作の主人公役ボビー・スー・ルーサーも登場し、本作の主人公へと橋渡ししていきます。
で、クロムスカルの部下(弟子?)役で、(サラ・コナークロニクルズ)や(ビバリーヒルズ青春白書)等のブライアン・オースティン・グリーンが登場し、
存在感満載で主人公達を追い詰めていきます。
で、警察官役で、(ザ・ボーイ残虐人形遊戯)(詳しくはこちら)等のオウェイン・イオマンが登場し、
クロムスカルの事件の真相を究明して行きます。
で、クロムスカルの部下の一人役で、(ハロウィン4)等のホラー作品で活躍しているダニエル・ハリスが登場し、ホラー世界を深めていきます。
という、前作に引き続き、豪華なスタッフ・キャストが活躍する本作の物語は、前作のラストシーンから始まります。
で、前作で生き残ったトーマス・デッカーが物語の流れを継承しつつ、クロムスカルの方は、まさかの大展開がいきなり描かれます。
クロムスカルは、実は何かの組織のトップ(部下にボスと呼ばれています)で、完全に倒されて生命反応が無くなったと思われたクロムスカルの遺体を、
結構な人数のメンバーで回収し、速攻で治療すると、なんと、ほとんど元の姿に戻れるほどの最先端技術によって、あっさりと復活します。
ただ、暫くは動けない、という事で、その隙を狙ってナンバー2の位置にいたブライアン・オーティス・グリーンがトップの座を狙って新しいクロムスカルになるべく仮面をかぶり始めます。
で、一方近隣で暮らす新たな主人公ミミ・マイケルズは、眼の病気にかかっていて、徐々に視力が衰え始めて、現在ではかなり視力が低下しているという状況になっています。
そんな中、ブライアン・オーティス・グリーンがシン・クロムスカルとして暴走し始めます。
ミミが親友と一緒に楽しそうな時間を過ごしていたら、突然家屋内にシン・クロムスカルが浸入、友人はあっという間に残酷な目に合い、
ミミは連れ去られ、気が付けば棺桶の中、という前作の主人公と同じようなシチュエーションに陥ってしまいます。
で、一方、前作の惨劇を生き残ったトーマス・デッカーは、警察の事情聴取を受け、クロムスカルの事を訴えますが、
既にクロムスカルのボディは、部下たちによって持ち去られ、しかも蘇生されていますので、警察はにわかには信じてくれない状況の中、
とりあえずは、クロム金属を取り扱っている工場を虱潰しに捜査して行く事になります。
で、その中の一つが怪しいという事で、トーマスも捜査に協力し、警察と行動を共にすることになりますが、
既に何かが覚醒しているシン・クロムスカルによって、捜査官が次々に犠牲になり、ついには、せっかく逃げ延びたトーマスも再び捕まることになってしまいます。
で、既に捕まっていたミミとトーマスがいかにしてその状況から脱出するのか?という所で、今度はいよいよオリジナルのクロムスカルも復活する!!
というのが、本筋となっています。
という流れで、前作のラストからしっかりと繋がる物語で、そのまま登場人物も続投、さらに新しいキャラクターも多数登場し、
クロムスカルの背景や、警察側の捜査、そして新たな主人公の物語、としっかりとした色んな展開を見せる第二弾となっています。
物語性がほとんど存在しなかった前作を序章と考えると本作こそが本編突入第一章、という感じで、グロ度合いもさらにアップ、
エンディングも続編を期待させるような終わり方となっていますので、既に2021年に亡くなっているロバート・ホール監督の手で製作される続編が鑑賞できないのは非常に残念です。
3作目も製作予定だったようで、色々含みを持たせた内容でしたので、なんとか、特殊メイク好きの他の製作者の手で、構想を実現してもらいたいですね。
個人的な予想では、クロムスカルと従順な部下だったはずのダニエル・ハリスがハリウッドで大激突し、2作目の生き残り達も巻き込まれる、という感じではないでしょうか。
という事で、本作に関しては、1作目と2作目が地続きの内容で、面白さもしっかりとアップしていくシリーズですので、
是非、両方セットでのご鑑賞をお勧めします。
それにしても、最新作製作から既に12年の月日が流れ、その間続編が製作されず、監督も亡くなっている、という事で、
2作目の、次回作への期待を高めるエンディングや、スタッフロール後のオマケシーン等が、逆に続編が製作されなかった事実があるだけに、、、、
、、、、なんか寂しいですね、、、。
作品情報
2011年製作 アメリカ製作 スラッシャーホラー
監督・製作総指揮・脚本 ロバート・ホール
出演 トーマス・デッカー、ボビー・スー・ルーサー、オウェイン・イオマン、ミミ・マイケルズ、クリス・ネルソン、ゲイル・オグレイディ、ブライアン・オースティン・グリーン、ダニエル・ハリス、アンジェリーナ・アルマーニ、ニック・プリンシピ、ジョナサン・シェック
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