おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
(死霊のはらわた)のサム・ライミ、ブルース・キャンベル、ロブ・タパート、本家の製作・監督・主演メンバーが製作で参加し、舞台をLAに移して描き直したシリーズ最新作!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、(死霊のはらわた)シリーズの最新作です。
それでは、あまずはあらすじから、
疎遠になっていた姉のエリーに会うためにロサンゼルスにやってきたべスだったが、突然の地震に遭遇する。
その地震の影響で、出現した地下室に安置されていた【死者の書】と、復活の呪文が録音されたレコードを再生してしまったため、
姉妹と姉の家族は、地獄の死霊軍団との戦いを強いられていく!?
(死霊のはらわた)、正統シリーズの最新作です。
監督は、(ホール・イン・ザ・グラウンド)等のリー・クロー二ンで、都会の中の異世界のような死霊世界を独特のセンスで表現しています。
主演は、テレビドラマ(バークスキンズ)等のリリー・サリバンで、戦うヒロインとして死霊相手にチェーンソーを振り回していきます。
で、下手すると主役以上に重要な主人公の姉で、死霊に取り憑かれる役柄で、(プラダを着た悪魔)やテレビシリーズ(ヴァイキング海の覇者たち)等の
アリッサ・サザーランドが登場し、家族を恐怖のドン底へと落としていきます。
で、しっかり者の長女役で、ヒュー・ジャックマン主演の(レミニセンス)等に出演しているガブリエル・エコールズが登場し、
死霊に取り憑かれた母親と対峙していきます。
で、ちょっと変わった趣味を持ちながらも、大活躍していく次女を演じるのは(northspur)等のネル・フィッシャーで、
今後の活躍が期待できそうな名演を披露しています。
で、死霊を呼び覚ます死者の書を発見してしまう長男役には、テレビシリーズ版の(ガールフレンドエクスペリエンス)等に出演しているモーガン・デイヴィスで、
自らの行いによって騒動を巻き起こし、戸惑う役柄を好演しています。
という旬のスタッフ・キャストが集結した作品となっています。
正統続編、と宣伝されている事もありますが、実際には続きではなく、二度目のリメイクです。
ですので、3部作存在するオリジナルのシリーズや、その後のリメイク、さらにその後のテレビシリーズ等は鑑賞しなくても、本作だけで最初から最後まで完結している作品となっています。
で、内容的には、基本的にはオリジナルと同じように、ふとした事で、発見した【死者の書】とセットで保管されていた死霊復活の呪文を録音したレコードを、
何気に再生してしまったことで、眠っていた死霊が蘇って、人々を襲う、という大筋となっています。
ただ、本作はこれまでのシリーズ作や、リメイク作の舞台となっていた山奥に存在する山小屋や、その近辺の森が舞台ではなく、
大都会LAの、取り壊しが決まって住民が少なくなっているアパート、と舞台を変更していますので、作品全体を包む雰囲気はかなり変更されています。
それでも、死霊の仕業で、他の階には脱出できないように階段が崩れていたりしますので、これまでの作品同様に、
都会が舞台だけれども、閉じ込められ、隔離された空間で死霊と対峙していく事になります。
外枠の外見は違うけれども、中身は同じ、という感じでしょうか。
マンションやアパートが舞台になる作品は(デモンズ2)や(レック)シリーズ等、色々ありましたので、
この舞台の変更は、そういったホラー作品へのリスペクトやオマージュ的な意味合いがあるのかもしれません。
ただ、本作アパートに舞台を移しているものの、そもそも死霊が暴れ出す前から、他の階が描かれませんので、登場する住民が少なく、
主人公達家族5人を除いても、他は4人ほどしか登場しない上に、非常に活躍しそうな雰囲気で登場するのに、
全然活躍しない展開(あえて肩透かし、という意外性だとは思われますが)になりますので、基本的にはほぼ家族内が中心の死霊バトルとなっていきます。
ただ、せっかく、都会のアパート、という複数の住人が存在する場所に舞台を移しているので、それを活かしたようなドラマや、
散り際も観たかったところですが、これが、良いキャラクターっぽい住人も、
散り際は、モブキャラっぽい感じで、ついでに、この人も、あの人も、という感じで退場してしまいますので、
せめて、誰かを助けるための犠牲とか、決死の覚悟で挑んでの犠牲、とかならまたグッときたと思うのですが、どうでしょうか。
という事で、部外者は簡単に散ってしまって、本題である家族内での死霊バトル展開へと突入していく事になります。
誰が犠牲になって、誰が生き残る、という事を書いてしまうと、作品の楽しみが無くなってしまいますので、割愛させて頂きますが、
とりあえず肝となるお母さんだけは、ジャケットを観てすぐ分かるように死霊に取り憑かれてしまいます。
このアリッサ・サザーランド演じるお母さん、取り憑かれる前は非常に優しいお母さんで、子供達を一人で懸命に育てている頑張り屋のお母さんなのですが、
とにかく、ふとした表情、というか顔の作りが、失礼ながら、時々既に怖く、これから取り憑かれると分かっているだけに、
既にそれを想像しただけで怖くなるような表情が、チラホラと見え隠れします。
勿論、そんな意図がはないのは分かりますが、観ている側は、本作が(死霊のはらわた)最新作だと分かって観ていますので、
非常にその後を想像できてしまう、怖い雰囲気が醸し出されています。
で、結局メインの展開に突入すると死霊感全開で襲い掛かりますので、(エクソシスト)や(ヴァチカンのエクソシスト)(詳しくはこちら)等の、
オカルト作品の犠牲者のように、憑依される前とされた後のギャップの恐ろしさ、というのはほとんど感じません。
時々、人間の時のような弱々しい表情に戻るのですが、それでも、そんなに差を感じる事はできません。
ただ、本作、お母さんはそういう感じで怖さ一直線ですが、他にも犠牲者は出ますので、そちらでは色々と意外性などのギャップによる恐怖感は感じられるようになっています。
でメインである家族内の死霊バトルがメインとなっていくのですが、これが続く中盤以降は、
家族の誰かが死霊に襲われる→様子がおかしい→グロイ姿で襲ってくる、
というパターンの繰り返しで、合間にドラマティックな展開(主人公の片手に死霊が取り憑いて、チェーンソーで切り落として、その手に襲われる)等がありませんので、
単調ともとれてしまうような展開となってしまいます。
限定された空間で、活躍するのも家族限定となってしまったことで、完全に見せ場が、次は家族の誰が取り憑かれるのか?という部分のみにスポットが当たっていきます。
後半になるにつれ、グロ度も加速していきますので、スプラッターとしての見せ場に焦点を当てるために余計な要素を排除して、あえて展開は単調にした、
という事なのかもしれませんが、多数の続編シリーズやリメイクも2回目となると、直球スプラッターよりも、何かもう少し味付けが欲しかったような気もするのですが、どうでしょうか。
その片が、本作が日本で劇場公開を見送られた理由かもしれません。
序盤のひと騒動や、家族のキャラクター紹介等までは、非常にテンポが良く、ぐいぐい物語世界に引き込まれるような出だしなのですが、
肝心の本編に入ると、物語展開よりも、スプラッター大祭り!!という感じに様変わりしていきますので、
そういうシーンを沢山観たい、という方には、中盤以降はドストライクとも言えるような展開になっていきます。
撮影用に用意した血糊の量も凄かったようなので、この辺は、1作目の元祖スプラッターの後継作としての面目躍如といった感じでしょうか。
それ以外にも、目玉がポンと飛び出て、それが他の人の口に『ゴクンっ!』と入るシーンや、死霊に取り憑かれた者が、
『DEAD BY DAWN!!』と叫ぶシーン、クライマックスでのチェーンソーバトル等、至る所に(死霊のはらわた)シリーズへのオマージュが挿入され、
オリジナルへファンへのサービスもしっかりとアピールされています。
一応、続編の可能性もありそうなエンディングとはなっていますので、今後のシリーズ展開の中で、新世紀の(死霊のはらわた)シリーズ展開がされていくのかもしれません。
という事で、非常にシンプルな作品ではありますが、グロいスプラッター描写や、オリジナルを知っていればプラスアルファで楽しめる要素も沢山ある、
人気シリーズの新章となっていますので、ホラー好きの方や、シリーズファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2023年製作 アメリカ製作 ホラー
監督・脚本 リー・クロー二ン 製作 ロブ・タパート 製作総指揮 サム・ライミ、ブルース・キャンベル
出演 リリー・サリバン、アリッサ・サザーランド、ガブリエル・エコールズ、ネル・フィッシャー、モーガン・デイヴィス
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