未DVD化のレア作品 【香港現代アクション編 其の七】

投稿者: | 2021年9月20日

皆さんこんにちは、まぁくです。さて先日、香港政府が映画の検閲を強化し、国家の安全を脅かすような描写の存在する映画作品の上映を禁止する、という条例改正案が発表されました。

どこまで規制が強化されるのは分かりませんが、今現在でもかなり規制されているのに、これ以上強化してしまうと、もうほとんど同じような当たり障りのない作品ばかりになってしまいそうです。

最近でも日本に入ってくる作品は、ほとんどが現代劇ではなく、時代劇作品となっていて、その作品も同じような内容の作品が多くなってしまっています。

現代劇では警察や政府を少しでも悪く印象付けるような描写の存在する作品は製作できないため、探偵という設定でさえ、許可が下りないそうです。

探偵という存在自体が中国では非合法な存在であるために、それを生業としている主人公を描いた物語は許可されないそうです。

それを回避するために(唐人街探偵)シリーズ(詳しくはこちら)などでは、舞台を海外に移して、海外で活躍する中国人探偵の物語としたそうです。

また、時代劇だと現在の政府や警察とは結び付かないので許可されやすく、結果的に(王朝の陰謀)(詳しくはこちら)の名探偵ディー・レンジェなどの時代劇などが多く製作されるようになっていっているのが現状のようです。

今回の条例改正は、その規制が、さらに厳しくなる、という事ですので、ただでさえ窮屈な状態のアジア映画界にとっては、大打撃以外の何物でもないですね、、。

昔のなんでもありの香港映画が懐かしいです、、。

という事で、(未DVD化のレア作品)今回も懐かしい(香港現代アクション編 其の七)という事で、元気だった香港映画を少しご紹介してみたいと思います。

それでは、まずは(クローサー)のコーリー・ユエンの監督作品群から、、。

レイジングサンダー (RAGING THUNDER) 劇場公開作品。(クローサー)や、ハリウッドのジェット・リー作品の監督として知られるコーリー・ユエンが監督し、ジャッキー・チェンの(酔拳)、(蛇拳)の製作者ン・シーユエンが製作総指揮を担当した米国人俳優の出演するコマンドアクション。女性ファイター役で、(上海エクスプレス)や(検事Mr,ハー俺が法律だ)などの金髪女デラゴン、シンシア・ラスロックも出演しています。

シンデレラボーイ NO RETREAT NO SURRENDER) 劇場公開作品。こちらもコーリー・ユエンが監督し、ン・シーユエンが製作したハリウッド俳優が主演する香港映画。内容はズバリ(ベスト・キッド)そのままで、ブルース・リーに憧れた少年が、空手の試合を通じて人間的に成長していく、という青春映画。主演はカート・マッキニーと地味ですが、ライバル役で、まさかのジャン・クロード・ヴァンダムが出演しています。本作はヴァンダムの初のまともな役での出演作品で、本作での活躍が次作の(ブラッドスポーツ)での主演へと繋がっていきますので、非常に重要な作品となっています。因みに本作は、その後ヴァンダムがブレイクしたので(ノーサレンダー)というタイトルでVHSで再発売されました。

ゴッドギャンブラー賭聖外伝 (ALL FOR THE WINNER) チョウ・ユンファ主演の大ヒット作(ゴッドギャンブラー)のパロディ作品として公開されながらも本家を上回るヒットを成し遂げ、一躍チャウ・シンチーをスターに押し上げた記念碑的作品。しかも、その後本作で演じた賭聖のキャラクターが本家の2作目にゲスト出演し、3作目ではまさかの主演に収まってしまう、という物凄い展開を見せていきます。出演は他に、本家にも出ていたチョン・マンやン・マンタなどボーダレスで、特にン・マンタはその後多くの作品でチャウ・シンチーと名コンビを組んでいくことになりますので、多くの意味でその後の香港映画に影響を与えた作品に。監督はジェフ・ラウ、製作は(蛇拳)のン・シーユエン

ゴッドギャンブラー4賭神烈伝 (賭尊)(ゴッドギャンブラー)の邦題がついていますが、シリーズとは全く無関係の香港ノワール作品。とりあえず本家の人気にあやかりギャンブル要素とノワール要素を入れてタイトルに(賭)を入れていれば良し、という香港映画らしい作品です。主演は(愛と復讐の挽歌)などのアレックス・マンと(無名家族)などのウィルソン・ラム。製作総指揮はジミー・ウォングなので、そういう方面に力を持った作品ですね、、。

覇拳 千葉真一企画・監督・出演のバトルアクション作品。主演はJACの期待を背負っていた塩谷庄吾。空手の達人の日本の警察官が、父親を香港の闇組織に殺され、復讐のために暴力的な捜査を開始する、というバイオレンスアクション作品。香港側から(大福星)の女刑事シベール・フーや、ジャッキー作品の悪役でお馴染みロー・ワイコンなどが登場して主人公とバトルを繰り広げます。

アマゾネスコマンドー美女脱獄囚:地獄のX作戦 (GOLDEN QUEENS COMMANDO) 悪名高き香港IFDフィルムズが製作した女性ばかりの隊員が活躍するコマンドアクション。第二次世界大戦末期に、反乱軍の化学兵器使用を阻止するために軍に雇われた女盗賊が、かつての仲間の囚人を脱獄させてチームを組んで、戦いを挑む、というレディバトル作。監督はジュ・イェンピンなので、いつものようにごった煮ムービーです。

風よさらば (天若有情2之天長地久A MOMENT OF ROMANCE 2) 劇場公開作品。アンディ・ラウ主演の(逃避行)シリーズの第2弾。シリーズものではありますが、基本的に物語に関連性はなく、若い男女の悲哀を描いたドラマが売りのシリーズとなっています。監督は前作に続きベニー・チャン、製作はまだ覚醒する前のジョニー・トー。主演は香港四大天王の一人、アーロン・クォック、共演はン・シンリン。そして重要な役割で演技派として覚醒中だったアンソニー・ウォン。香港では人気ジャンルの一つ違法レースもので、本作はバイクレースを中心としたドラマとなっています。

ギャングス (A FILM OF DYNAMITE KIDS IN HONG KONG) 劇場公開作品。東京国際映画祭正式出品作品。香港に生きるストリートキッズの抗争、友情、裏切り、恋をノースターのドキュメンタリータッチで描いた作品。

鉄腕少年バイオニックキッド (DYNAMITE JOHNSON) バイオニック改造手術を受けた少年が、世界制覇を目論むネオナチと戦いを繰り広げる、という、まるで(バイオニックジェミー)や仮面ライダーのようなTHE80年代な作品。主演の少年ジョンソン・ヤップとマリー・リーは実際に格闘経験者なので、結構達者なアクションがあります。

上海ヤクザ外伝 (THE CLAN OF RIGHTEOUSNESS) 1910年代の上海を舞台に伝統を重んじる組織と西洋文化を重んじる組織の、二つのマフィア組織が覇権を争って抗争を繰り広げていた、という中国マフィア映画。やがてその争いに日本のヤクザ組織が絡んできて、全面抗争に発展していく、というノワール作品。

という感じになっています。今回は海外との合作ものが多めですが、チャウ・シンチー主演の(ゴッドギャンブラー賭聖外伝)は、

公開からかなり年月が経ってからのVHS化でしたが、ファンの間では(オール・フォー・ザ・ウィナー)という原題で話題となっていて、ずっと公開が待ち望まれていた作品でした。

本国大ヒットという事で、(ゴッドギャンブラー)のパロディ作品なのに本家以上にヒットさせたチャウ・シンチーという凄い俳優がいる、

という感じで紹介され始めるけれども、あまりに香港人好みの地域文化に根付いたような笑いがメインのコメディ作品ばかりだったため、日本ではあまり紹介される機会がありませんでした。

それでも、少しずつ未公開作品が紹介されていく中で、(ゴッドギャンブラー)シリーズの人気も相まって、遅れ遅れでやっとVHS化された、というのが本作登場の流れだったように記憶しています。

その後(少林サッカー)の大ヒットで人気も不動のものになりましたので、なんとか(ゴッドギャンブラー賭聖外伝)もDVD化してもらいたいところです。

チャウ・シンチーの原点といっても過言ではない作品ですので。

あと以前に(未DVD化のレア作品)(ホラー編 其の参)(詳しくはこちら)でご紹介させていただいた(ダークマン2)と(ダークマン3)がめでたくブルーレイ化されます!

まさかまさか、という感じですが、恐らく1作目は鑑賞していても、続編の方は未鑑賞の方も多いと思いますので、機会がありましたらご鑑賞ください。

こんなこともあるんですね!!

という事で、本日もお立ち寄り頂きありがとうございました。

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