おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
ジャン・クロード・ヴァンダムVSドルフ・ラングレン、夢の激突が実現したローランド・エメリッヒ監督ハリウッドデビューのバトルアクション!!
作品紹介
1992年11月14日公開
今回ご紹介するのは、ジャン・クロード・ヴァンダムとドルフ・ラングレンという二大格闘技スターの共演が実現したアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
1969年ベトナム戦争末期、従軍していたリュック・デュブロー二等兵は、戦闘中に錯乱したアンドリュー・スコット軍曹と争いとなり、お互いに戦死してしまう。
しかし、遺体はそのまま回収され、その戦闘で戦死した他の部隊員と共に保管され、25年の歳月を経て無敵の戦士【ユニバーサルソルジャー】として復活する!!
ジャン・クロード・ヴァンダムとドルフ・ラングレンという当時大人気だった格闘技系アクションスターが豪華共演したバトルアクション作品です。
ジャン・クロード・ヴァンダムは1987年に(ブラッドスポーツ)で主演デビュー後、ショー・コスギと共演した1988年の(ブラック・イーグル)(詳しくはこちら)、
(ネメシス)(詳しくはこちら)等のサイボーグもの専門監督アルバート・ピュンの(サイボーグ)、(キックボクサー)、等を経て、(ライオンハート)、(ブルージーンコップ)、(ダブルインパクト)と
波に乗っていた時期に主演した作品となっています。
一方ドルフ・ラングレンの方は、1985年の(ロッキー炎の友情)でブレイク後は、1987年の(マスターズ超空の覇者)、(レッドスコルピオン)、(パニッシャー)、そしてブランドン・リーと共演した(リトルトーキョー殺人課)(詳しくはこちら)と
こちらも順調にアクション作品で活躍していた時期に出演した作品となっています。
2人とも主演級のアクションスターという事で、本作のプロモーション時期にはお互い譲らす、一触即発!なんて記事もありましたが、
なかなかファン心をくすぐる話題性のあるプロモーションでした。
そんな血気盛んな二人をまとめたのは、後に(インディペンデンスデイ)や(デイアフタートゥモロー)、(紀元前1万年)などのハリウッド大作で活躍する事になるローランド・エメリッヒで、
小規模な作品を制作していたドイツ時代とは180度異なるような大作系の監督街道を突き進むハリウッドデビュー作となります。
全ての仕掛け人である製作のマリオ・カサールは1976年にカロルコピクチャーズを設立し、(ランボー)、(ターミネーター)、(スターゲイト)、(氷の微笑)など大作系のエンターテイメント作品を多く製作していました。
そんな勢いに乗っているスタッフ・キャストで製作された本作は、ストーリーこそシンプルなものの、主演二人の良さを存分に味わえるアクション作品となっています。
物語は1969年のベトナムから始まります。
そこで、いきなりですが戦闘中にドルフが錯乱状態となり、周りの人間を敵味方無関係に殺戮しだします。
何故、そうなったか?までは描かれませんが、殺害した相手の耳を切り取って紐で束ねてネックレスのように首から下げる、というトンデモないサイコっぷりです。
で、ベトナムの民間人まで手にかけていたので、ヴァンダムが制止し、勿論戦闘態勢に入ります。
戦時下ですが、、。
で、類まれなる戦闘のプロ二人ですので、あえなく同士討ちで両名ともに銃弾に倒れ帰らぬ人なってしまいます。
そんな事情も知らない上層部は遺体を回収し、調度政府によって進められていた【ユニバーサルソルジャー】計画に遺体を引き渡します。
この【ユニバーサルソルジャー】は、損傷が少ない戦死者の遺体を集めて、蘇生させ、感情を持たない不死身の兵士として蘇えらせるという計画で、
その計画が地道に進められ、25年後にようやく実現に至ります。
その実践デビュー部隊としてヴァンダムとドルフのチームがテロリスト旬滅に出撃します。
勿論、凄まじい戦闘能力を持っている不死身のチームですので、テロリストは簡単に制圧し、メディアでも話題になります。
で、ヒロインであるお転婆女性記者がこのユニソルたちの特ダネを求めて、研究所に潜入、メディアでは蘇生された不死身の兵士という事は伏せされ、
普通のエリート戦士という触れ込みでしたので、その伏せられている事実を突き止めてしまいます。
で、やっぱり、潜入している事がバレてしまい、そのまま証拠となるカメラを持ったまま逃走します。
研究所側は事実が明るみになるのを恐れて女性記者をとりあえず保護するように現場のドルフとヴァンダムに指示を出します。
そこで、消えていたはずの本来のドルフの狂気が見ざめ、女性記者と同行していたカメラマンを速攻で射殺してしまいます。
その光景を目の当たりにして、ヴァンダムの方も絶命する直前の光景がフラッシュバックし、即座に女性を守りに入ります。
現場から女性記者を守るために連れて逃げ出したヴァンダムと事実を隠蔽する、という名目の元に快楽殺人者的な面が復活してしまうドルフ、
こうして前と悪にはっきりと分かれた激しいバトルのスタートとなっていきます。
波に乗っている主演級スターが豪華に共演している作品は、相棒や親友という仲間のパターンか、共演という触れ込みながらも結局一緒の画面に映っているシーンがほとんどないような、なんちゃって共演パターンなどもありますが、
本作は、主演二人が完全に敵対している存在として真っ向から激突する、というパターンとしては少し珍しめの共演作品となっています。
通常ですと当然善人役の方が良い印象が残るので、意見がぶつかるのだと思われますが、本作は主演二人が同じぐらいの頻度で画面に登場(とはいってもヴァンダムが主役なのでヴァンダム多めですが)するわりに、
ドルフがとんでもなくサイコ野郎、というかなり潔いキャラクターを演じている部分に本作での主演二人の絶妙なバランスがなりっているのかと思われます。
この時期の主演作が増えている頃のドルフでしたら、通常はもう少し感情移入のできるキャラクター、例えば耳をぶら下げるようなサイコっぷりには実は過去に悲しい出来事があって、
心を病んでしまった、等のどこか同情心を抱かせるようなひととなりを描くのが通常だと思われますが、
本作においては、そんな同情を煽るようなシーンは一切登場しません。
ドルフが演じているので、ヴァンダムとのバトルでもドルフがんばれ!となりますが、実際はただのサイコソルジャーなので、早くやっつけられるのを期待しながら観るのが普通だと思われます。
正直役柄だけだとこの時期のドルフにとってはプラスよりもマイナスの要素の方が多いような役柄だと思われますが、それでも完全にサイコな悪役に徹するあたりが、
5か国語を話せるIQ160の秀才でありながら、軍務経験のある空手とキックシングのチャンピオンでさらに元モデル、という物凄い経歴を持つドルフらしく、
早い時期から自分が何を求められているのかを分かっていた、という事ではないでしょうか。
アクション自体はエメリッヒ監督らしく、規模の大きいアクションアクションも多く、後半ではしっかりとヴァンダムとドルフの雨の中での格闘シーンで締めくくる、
というこちらも分かっているアクション演出で、ローランド・エメリッヒ監督のその後の大活躍を暗示しているようにも思えます。
本作は大ヒットにより、その後いろいろと一貫しないシリーズ作が登場しましたが、オリジナルの勢いを継承している作品が見当たらない、というのが少し残念なところです。
という事で、レジェンド級のアクションスター二人が、一番波に乗っていた時期に豪華大激突する勢いのなる大作アクションとなっていますので、
アクション好きの方など機会がありましたらご鑑賞ください。
2人とも若くて、かなりのイケメンぶりですよ。
作品情報
1992年製作 アメリカ製作 アクション
監督 ローランド・エメリッヒ 製作 マリオ・カサール
出演 ジャン・クロード・ヴァンダム、ドルフ・ラングレン、アリー・ウォーカー、ジョセフ・マローン
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