音信不通の深夜パトロール警官が装着していたボディカメラに映った映像を手掛かりに犯人を捜索するPOVポリス作品かと思いきや、、、なオカルトホラー!!
おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、ボディカメラ映像を手掛かりに、深夜パトロール警官が、殺人犯を追うサスペンスホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
警察官による黒人少年射殺事件が起き、反警察感情が高まるLA近郊の町スウィントン。
深夜パトロール警官レネ(M・J・ブライジ)は、音信不通となった同僚の警察官の応援に駆け付けたが、
現場では争われた形跡があり、同僚は無残な姿で遺体となって発見された。
状況を不審に思ったレネは、被害者が装着していたボディカメラ映像を確認すると、何かの影が映っており、
その映像を手掛かりに独自の捜査を進めていくのだった!?

まず、鑑賞した多くの人が『あれっ?』思う事だとは思いますが、本作はPOV作品ではありません。
パトロール警官が装着しているボディカメラに映った映像を重要な要素として物語を展開していく、客観視点の普通のサスペンス作品です。

しかも、白人警官による黒人少年射殺事件が起こって、その裁判の無罪判決が出たばかりで、市民による反警察感情が煽られまくっている中で、
深夜パトロール警官が正体不明の何者かに襲われる、という誰が犯人でもおかしくないぐらいの緊迫した状況下で巻き起こった事件が発端となって物語は始まります。

その事件現場に主人公であるメアリー・J・ブライジ演ずる婦人警官が駆け付けてみると、
被害にあった警官は、無残な姿で遺体となって見つかり、現場に残されていたボディカメラには警官を襲う【何か】の影が映っていた、
という事で、白人による黒人少年射殺事件と警察官の惨殺事件、という重く暗い雰囲気の猟奇殺人事件ものとして物語は進んでいきます。

で、物語の重さもさることながら、主人公にも愛する息子をプールでの事故で亡くしてしまった、という辛い過去があり、今でも立ち直ることができずに、未だに息子の幻影を見てしまう、
という精神的に追い込まれた状況にいます。

で、そんな主人公が、パトロール警官ながらも、ボデイカメラ映像を手掛かりに、同僚が被害にあった事件という事で、独自の捜査を進めていきます。
相棒の新人警官も、とりあえず先輩について行く、という感じで捜査に付き合います。
で、さらに他のパトロール警官も同じように惨い姿で、惨殺されるという感じで、事件は連続殺人事件へと発展していきます。


で、メアリーは独自の捜査を進めていくうちに、重要な容疑者として近隣の病院で看護師として働く黒人女性の関与が疑われ出します。
で、そのまま捜査を進めていくと、その看護師には息子がいて、、、、

という感じで、黒人問題が絡んだ連続猟奇殺人事件もの、として始まった物語が、警察官が二人三人と犠牲になっていくうちに、
超常現象ホラーの様相を呈していきます。
で中盤以降は、完全にオカルトホラーへと移っていき、その殺人が何故巻き起こるのか?その存在の正体は何なのか?
という秘密も明らかになっていきます。

その重要な手掛かりとなるのもボディカメラに記録された過去の事件の映像で、その映像の存在によって事件は解決へと向かい出す、
という流れで、ボディカメラはPOVとして使用するのではなく、あくまで物語の流れを左右する重要な鍵として活用されます。

警察サスペンスと思いきや、中盤でオカルトホラーへと大きく路線を変えていく、というある意味ミスリードな物語展開から察すると、
タイトルも含めてPOV作品と思わせて、実はそうではない、という表現方法も、あえてミスリードを誘っているような気がしますが、
だったら、最初はPOVとして始まっておいて、中盤から普通に客観視で撮影するという(REC3のような)表現でも良かったような気がしますが、どうでしょうか。
なんとなく、ストレート過ぎて、ミスリードによるびっくり感よりも、ただただ、思っていた内容と違う、というがっかり感が勝ってしまうような気がするのですが、、、。

本来、オカルト要素がある、という事も伏せて鑑賞し始めるのが一番だと思われますが、配信専用で、他の作品と比べて少ない情報量で、
その少ない情報には、必ずホラー作品、という解説がバッチリ明示されてしまっているので、恐らく文字情報を読んだ人のほとんどが警察官がPOV視点で悪霊と戦う物語だと
認識して鑑賞し始めると思いますので、本来の楽しみ方ができないのは少々残念ですが、その情報が無いと恐らく、鑑賞しようとも思わない方も多いと思われますので、もどかしいところです。
配信専用作品は、劇場公開作品や、DVD発売作品と比べて、宣伝効果もあまりないので、そういうもどかしさは常について回りますね。
後半のオカルト展開に入ってからのB級ホラー感全開度が、前半の重さとは対照的すぎるのも、鑑賞している側の、思っていたのと違う感を加速させる事にもなっているように思われます。

という事で、鑑賞前と鑑賞後の作品に対するイメージがガラリと変わってしまう作品ではありますが、ちょっと特異な作品ではありますので、
ホラー好き、猟奇サスペンス好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報
2020年製作 アメリカ製作 サスペンスホラー
監督 マリク・ヴィタル
出演 メアリー・J・ブライジ、ナット・ウルフ、デビッド・ザヤス
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