お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆
ホラーマニアの雑誌編集者が、偶然シリアルキラーばかりが集う集会に遭遇してしまい、施錠された日本料理店からの脱出を試みる、というホラー愛溢れるファン必見のコメディホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ホラー雑誌の記者が、シリアルキラーたちと戦いを繰り広げるアクションホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ホラー雑誌の記者ジョエルは、ある夜、日本料理店で泥酔してしまい、そのまま意識を失ってしまう。
やがて眼を覚ましたジョエルは、閉店後の店内で、ある集会が執り行われている事に気づくが、勘違いされた出席者に、席に着くように強制される。
退出する機会を逃したジョエルは、そのままその集会に出席するが、そこで話される内容を聞いて驚愕する。
その集会はシリアルキラーたちの集会で、自身もシリアルキラーだと勘違いされていたのだった!?
(ブラッディツイン)や、(最終感染アンチソーシャル)などの監督作や、(溺殺魔セバスチャンドナー)(詳しくはこちら)では脚本なども担当している生粋のホラー作品専門監督、コーディ・キャラハン監督による
ホラー映画愛に溢れた、ホラーファン向けの作品です。
最初から最後まで、ホラー作品を多数鑑賞している人なら、ニヤリとするようなシーンが満載のバトルホラー作品となっています。
まず、主人公はホラー雑誌の記者で、しかもホラー映画マニアで、自室にはホラー映画のポスターが多数貼られているような、生粋のホラーマニアという設定になっています。
で、仕事でB級ホラー監督にインタビューしに行ったりしますが、ここで、インタビューの聞き手という立場ながらも、
その監督作品の突っ込み所を片っ端からこき下ろしていきます。
ここで、ゆっくり歩いて追ってきている殺人鬼に対して、走って逃げている犠牲者が結局追いつかれて殺されるのはおかしい、などのホラー作品に対するあるあるネタが炸裂します。
始まって早々にホラーネタのオンパレードですが、本作の本題であるシリアルキラー登場後も、その勢いは止まりません。
5人のシリアルキラーたちは、日本料理店(登場人物がチャイニーズフードと発音しているのが悲しいですが、、)に集まり、秘密の集会を開いています。
それぞれが、独特で個性的な殺人者たちで、それぞれのサイコな方法で犠牲者を毒牙にかけています。
その集会は、そんなサイコキラーたちが、お互いの悩みや、自慢などを報告、相談する会のようです。
そんなぶっそうな集会に、主人公のオタク記者が、偶然出くわしてしまいます。
しかも、出席者の一人として勘違いされて、逃げようもなく、その集会に強制参加させられてしまいます。
主人公も始めは、何の集会かもわからずに、なんとなく話を合わせて様子を見ていたのですが、出席者の話を聞いていると、どうも危ない話がエスカレートしていき、
まもなく来てはいけないところに来てしまったことがはっきり分かります。
この辺の展開は前半の見どころとなっていて、閉鎖された日本料理店という空間で、5人のシリアルキラーに自分だけが一般人、
という嘘をなんとかばれないように突き通せるかどうか、というサスペンスが見せ場となっています。
で、なんとかトークで乗り切ろうとはしますが、勿論ボロがでてしまいますので、ついに正体がバレて、普通のオタクな雑誌記者一人と、シリアルキラー5人、しかも閉鎖された空間、という絶体絶命の状況に陥ってしまいます。
で、ここで、本作は意表を突いた大きな展開になります。
なかなか、この急展開は、ホラーやサスペンスなどの同ジャンルの展開に成れている人であればあるほど、予測できないような展開となっていて、
その後の期待感を煽る面白い設定となっています。
で、そこからホラーオタクVS5人のシリアルキラー展開に突入していくのですが、このシリアルキラーたちは、それぞれが、特徴的な殺しの手段を持っていますので、
バトル展開になっても、そんな特徴を活かした戦い方で攻めてきます。
やたらと腕力が強く、なんでも力技で殺人を犯す大男、薬の力で、同じ人物を何度も殺そうとするサイコ男、
殺人を犯した後に犠牲者を取り込もうとする日本人男、集会のホスト役の一見紳士的に見える中年男性、そして遅刻しているオールマイティなシリアルキラー、
とそれぞれの個性に合った方法で、主人公を襲ってきます。
で、そのバトルが開始され、ある人物の助けによって主人公はなんとか殺されずに逃げ回りますが、逃げている途中で、防犯ベルを鳴らした事で、警察を呼ぶことになります。
その後まもなく警察が到着、しかし、シリアルキラーたちは行方をくらまし、結局主人公側しか現場に居ないので、主人公が逆に逮捕されてしまいます。
で、警察に連れて行かれ、留置所に拘留されます。
という事で、当然主人公の口封じをする必要がありますので、シリアルキラーたちがまたやってきます。
ここからバトルの舞台が警察署に移るわけです。
このバトルの場所を別に移す、というのも他のB級ホラー作品ではあまりありませんので、意外な展開といえば意外ですが、
場所を移した事で、登場人物がリセットされて、結果的に犠牲者が増えましたので、予想通り警察署の職員たちが犠牲になっていきます。
そうこうしながら、警察署でラストバトルとなって行くのですが、通常の作品ですと加害者側のシリアルキラーは、だいたい一人であることが多いので、
ラストでシリアルキラーを倒すシーンでも、一度やっつけて終わり、というのが普通ですが、本作の場合は倒すべきシリアルキラーが5人いて、それぞれをやっつけるシーンも当然5回続きます。
しかも、情けをかける必要のない極悪のシリアルキラーですので、そのやられっぷりも情け容赦なく、だんだんとエスカレートしていきます。
ラストバトルでは、観ていて逆にちょっとかわいそうになるぐらいのやられっぷりとなっています。
という事で、作品を通して見ると、恐ろしいシリアルキラーが多数登場する作品ながらも、イメージ的には、そんなシリアルキラーたちのやられっぷりが物凄くイメージに残る、
というホラー作品としては通常の作品のイメージの逆をを狙ったような作品となっています。
これは、ホラー映画を熟知している製作者だからこそ、製作することができた作品と言っても良いかもしれません。
という事で、ホラー映画好きの方やサスペンス好きの方など、ジャンル好きの方にこそ楽しめる作品となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
続編もありそうな終わり方ですので、次回作も期待できそうですよ。
作品情報
2020年製作 カナダ製作 ホラー
監督 コーディ・キャラハン
出演 エヴァン・マーシュ、アンバー・ゴールドファーブ、アリ・ミレン
その他のホラーマニアが主人公の物語
ホラーファンの少年が悪魔と人知れず戦う(ディアボロ世界一呪われた事件)はこちら
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓