お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
ウィルスの蔓延によってパンデミック状態に陥ったアメリカを舞台に、人命救助チームが未感染者を保護すべく、危険地帯を移動するPOV撮影のFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲーム的なアクションスリラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、ウィルス感染地区で未感染者を救護するチームの活躍を描いたアクションスリラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
原因不明のウィルスが蔓延するアメリカ。医師のローレンは、汚染の進む地区での未感染者救護の使命を受け、少人数からなる救護チームに配属される。
感染判定キットが支給され、いよいよ危険地区へと向かうが、ローレンには実は、この任務の他に、ある重要な目的があるのだった!?
もはや完全に一つのジャンルとなっているPOV(主観視点撮影)による、アクションスリラー作品です。
ウィルスが蔓延している地域で、未感染者を探して救護する、という物語ですので、基本は感染者と戦いつつ、交わしつつ、目的を遂行していく、
というほぼゾンビ映画に近い内容となっています。
ただ、本作の場合、あくまで感染者という人間ですので、ゾンビとは違って意思があり、言葉も話したりしますので、
ゾンビというより、凶暴化しすぎている人間、といった感じになっています。
で、本作は、メインの救出任務に入る直前に出演者の一人が、『ゲームと思えば良い』という台詞も入りますので、実際FPS(ファーストパーションシューティング)ゲームをかなり意識しているような、
ゲーム感覚満載の作品となっています。
ゲームで例えるなら、FPSの元祖と言われている【DOOM】などに近く、映画で例えるなら、映画化されたドゥエイン・ションソン主演の(DOOM)や、
イリヤ・ナイシュラー監督の(ハードコア)などのように、完全に主観の映像によるPOV作品と同じような映像作品となっています。
通常のPOV作品は、出演者の一人が手持ちカメラで撮影しているという設定が多く、手振れによるカメラの揺れや、
緊迫した状況でピントがずれたり、登場人物が正面に居なかったり、などきっちり計算されたカメラアングルではない素人風の映像が、逆にリアルな臨場感を生みだしたりします。
ですが、本作の場合は、登場人物が身に着けている防護服の目線の位置に小型の固定カメラが設置されているという設定ですので、
POVではありますが、登場人物たちの実際の目線とほとんど変わらず、また防護服は基本的に固定されている状態に近いので、手振れもありません。
この設定があるので、POVではあるけれどもカメラで撮影されている雰囲気が薄く、その代わりに登場人物が実際に見ている目線とほぼ同じ映像を体感する事ができます。
そのカメラ付きの防護服も登場人物ごとに着ていますので、登場人物の目線映像が絶えず切り替わる形で、物語が進行していきます。
この設定を採用しているために、ゲームのFPSのような臨場感のある画面が演出でき、何かが飛びだしてきたり、感染者が襲い掛かってきたり、
などの様々な困難が、登場人物と観ている側の視点がほぼ同じなので、寄り臨場感の伝わる内容となっています。
POV作品もかなり多くなってきて、粗製乱造的になってきましたが、この完全主観映像の作品は、意外に少ないのでそれだけでも貴重な作品ではないでしょうか。
本作は3D作品ではありませんが、立体視などを想定したVR作品などで、今後もっとこういった内容の作品が製作されていけば、
もっともっと映画作品も発展していきそうな可能性も感じました。
ただ、とはいってもそこまで予算のあるメジャー作品でもありませんので、その完全主観映像という部分を除けば、物語展開などに真新しさもありませんので、
ただただ感染者と戦うだけの物語になってしまっているのが、惜しいところです。
という事で、最近多くなりすぎているPOV作品の1本ではありますが、その中でも完全主観映像を採用した珍しい体感型のアクションスリラー作品となっていますので、
POV作品は見飽きてしまった、という方でも結構楽しめる作品となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ラストの終わり方は、ちょっと賛否ありそうですが、個人的には、その切ない雰囲気が結構良い感じでしたよ。
作品情報
2015年製作 イギリス製作 アクションホラー
監督 ジョン・スーツ
出演 レイチェル・ニコルズ、メキー・ファイファー、アルフィー・アレン
その他のPOV作品
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