おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
深夜のバスで事故に合った男女が迷い込んだ不思議な世界で、迫りくるスモークから逃げながら、謎を解くために奔走するSFサスペンス！！以外に展開が面白いです！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、謎の世界に迷い込んだ男女が、現実世界に戻るために奔走するサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
休暇から自宅へ戻るため看護師のアナは深夜バスに揺られていた。
そこへ同乗した男性フレディは漫画家を生業とし、気さくな性格でアナにも気軽に声をかけてきた。
そんな二人を乗せたバスが走行中に大きな衝撃と共に何かに激突する。
その後アナが意識を取り戻したのは自宅のベットで、異様に時間が経過し、表の通りには人影がなく、動物さえもいなくなっていた。
しかし、ただ一人フレディだけは存在していて、フレディもその異変に驚愕するのだった。
自分たちがいる世界がどういう世界なのかも把握できないままに、街には正体不明の黒いスモークが押し寄せて来ていた！？
ミステリアスな設定のサスペンス作品です。
ホラー映画っぽい邦題とDVDジャケットは恐らく（ミスト）等の影響があると思われますが、本作はどちらかというとスモークの中で正体不明のモンスターとバトルするような内容ではなく、
ファンタジーサスペンス寄りの作品ですので、グロい場面や恐怖描写が存在する作品にはなっていません。
例えるなら日本のテレビシリーズ（世にも奇妙な物語）や、（トワイライトゾーン）といった感じでしょうか。
少ない予算ながらも、しっかりとしたストーリーと効果的な演出で、ぐいぐいと物語に引き込まれていき、ラストでは思わず涙腺の緩む展開のある秀作となっています。
物語は冒頭の深夜バス内から始まります。
主人公のアナは看護師で休暇を終えて、自宅に戻るためにバスに搭乗しています。
そこへ、人懐っこそうな男性フレディが搭乗してきます。
フレディは漫画家で、アナにやたらと話しかけてきてなんとか、お茶に誘おうとしてきます。
なんとなく邪見にするアナ。どうも気に入らない様子です。
で、割としつこくフレディが、アナに話しかけていると、、、、、
ガガァァァァン！！
という衝撃音と共に画面は暗転し、アナが目覚めると、どういうわけか自宅のベット、しかもどうも時間がとんでもなく経過し、街にはひとの気配がなくなり、
動物さえもいなくなっている、というところからサスペンス展開が深まっていきます。
で、職場に向かってみると、そこにも誰もいなく、要するに世界に自分ひとりだけになっています。
と、途方に暮れているところで、フレディ登場。
フレディも同じ異変に気付いたようで、なんとか自分以外の唯一の人間アナを見つけてホッとしている、とった感じです。
どういう事か把握できないままに街の外には大きな黒いスモークが迫ってきていて、何やら危険を感じます。
あんまり猶予はなさそうです。
あのスモークに飲み込まれる前に、今いるこの世界の謎を解かないと自分たちの命も危うい！？
というのが前半の流れとなっています。
要するに（マローボーン家の掟）（詳しくはこちら）や、（イット・カムズ・アット・ナイト）（詳しくはこちら）、（ラディウス）（詳しくはこちら）などのように
謎を引っ張って、その謎を解くこと自体が物語の重要な要素となる謎映画系に分類されるサスペンス作品となっています。
ですので、中盤以降の物語についてを書いてしまうと楽しみがなくなってしまいますので、詳しくは割愛しますが、しっかりと二人で謎に挑んでいく姿が、
サスペンスフルに描かれていて、少しづつ明らかになっていく謎と共に、二人が何故、このような世界に紛れ込んでしまったのか？
何故この二人なのか？この世界を抜け出すにはどうしたら良いのか？などがしっかりと描かれていきます。
と、当時に、幼い時期の二人が少年少女だった時代の映像も、本人たちの目の前で再現されていきます。
この再現シーンで、二人は過去の自分たちに起きた重大な出来事を思い出していく事になり、最終的に何故？の回答を得ることになります。
このラストシーンに繋がる展開が、少年少女時代の自分たちと、この世界に迷い込んでからの二人の謎を解く旅の映像とフラッシュバックで重なって、
思いもよらない切なさが押し寄せてくることになります。
ラストは、非常に切なくはありますが、決して絶望ではなく、ある意味希望的な未来も待っているような良い余韻の残るラストとなっています。
という事で、出演者も最小人数で、大掛かりな特撮などが登場するような作品ではありませんが、魅力的で引き込まれる物語と演出で、
最後まで飽きずに鑑賞できる作品となっていますので、SFミステリー好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2012製作 アメリカ製作 SFサスペンス
監督・脚本 ライアン・スミス
出演 スティーヴン・ストレイト、カロリーナ・ワイドラ
その他の異世界が舞台の作品
アイザック・アシモフの原作をロジャー・コーマンが映画化した（ナイトフォール夜来る）はこちら
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