お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
大事故の犠牲になった人々の残留思念が見える町で、殺人者に狙われた女子高生が事件の謎に挑むベラ・ソーン主演のSFミステリー作品！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、大事故が原因で亡くなった人々が見えるゴーストタウンで繰り広げられるSFミステリー作品です。
それでは、まずはらすじから、
田舎町付近にある政府が運営する研究施設で、ある日大規模な爆発が発生し、周辺に住む住人に多くの死者を出す大事故へと発展する。
この事故で亡くなった人々は、その残留思念が【残存者】としてホログラムのように残り、亡くなる直前の行動を毎日繰り返すようになる。
そんな日常が当たり前となった街で暮らす女子高生のロニー（ベラ・ソーン）は、事故から10年後のある日、浴室で見た事のない【残存者】に出くわし、
【RUN】（逃げろ！）というメッセージを受け取る。
アメリカでベストセラーとなったダニエル・ウォータース原作のヤングアダルト小説の映画化作品です。
主演は（デスライブ）（詳しくはこちら）や、（バッドチェイサー）（詳しくはこちら）、邦画のリメイク（ミッドナイトサンタイヨウのうた）などで活躍中のベラ・ソーンで、
本作は（ミッドナイトサン）に続いて2回目のスコット・スピアー監督とのコンビ作となります。
原作自体のアメリカでの人気が、日本では未知数なので本作が原作ものであることも知れ渡っていませんが、実際鑑賞してみると、
物語の世界観や、細かい設定など、流石にしっかりと練られた作品となっています。
まず冒頭で研究施設の大事故によって、周辺に住む多くの人々が犠牲になってしまうところから始まります。
で、その事故から10年、その研究施設の周りには事故で犠牲になった人々の残留思念が今も残り、ホログラムのように残り、事故直前の行動を繰り返しています。
それでも生き残った周りの人々は、普通に暮らして、ホログラム（作中では残存者と表現されています）と共存するように生活しています。
で、事故当時幼かった主人公も高校生となっていますが、未だにリビングに毎日現れる事故で亡くなった父親の姿を見て涙を流す毎日を送っています。
そんなある日、入浴中に突然浴室に初めて見る残存者が現れ【RUN】（逃げろ！）とメッセージを残して消えていきます。
どうしてもそのことが気になった主人公は、オタク高校生の力を借りて、メッセージの謎に挑んでいく、というのが中盤までの流れとなっています。
ゴースト【残存者】が常に見えている世界というのがまず斬新で、実際に触ってみるまで生きている人間かどうかの見分けもつかないので、
そこで色んなサスペンスが生まれるようになっています。
後半はどちらかというと分かり易いサイコサスペンスのようになってしまいますので、良く練られた珍しい設定なのに割と良く見かける展開になってしまうのが少々残念ですが、
本作にしかない世界観を楽しめる変わった秀作になっています。
恐らくボリュームのある小説をギュッとまとめた内容になっているために説明不足の部分は多いようで、つっこみ所は多く存在しますが、
主演二人の好演と、映像の美しさで、物語の穴は十分埋まるようになっています。
恐らく続編が製作されるようでしたら、色んな謎や細かい設定の説明などもされていきそうですが、どうでしょうか。
ラストでは、メッセージの謎とベラ・ソーンを付け狙っていた真犯人がわかり、ついでに毎日リビングで朝食をとる父親の【残存者】の意外な活躍や、
心を通わせるオタク高校生の父親の意外な活躍、という伏線もしっかりと回収しながらのフィナーレは、やはり流石に原作もの、と言った感じでグッとくるラストとなっています。
という事で、日本ではあまり有名ではないアメリカのベストセラー小説の映像化ですが、設定などの物語展開もしっかりと楽しめる作品となっていますので、
ミステリー好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、主人公を助けてくれる先生役で（ベスト・フレンズ・ウェディング）や、（コピーキャット）等で人気だったダーモット・マローニーが良い感じで渋いおじさんとして登場しているのも見どころです。
作品情報
2018年製作 アメリカ製作 SFミステリー
監督 スコット・スピアー 原作 ダニエル・ウォータース
出演 ベラ・ソーン、リチャード・ハーモン、ダーモット・マローニー、エイミー・ブライス・フランシス
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