おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
海底1万メートルのミサイル基地建設クルーを襲う正体不明の巨大生物との戦いを描いた(13日の金曜日)ショーン・S・カニンガム監督による深海パニックホラー!!
作品紹介
1989年5月13日公開
今回ご紹介するのは、閉ざされた深海基地で、クルーたちが謎の生物と戦いを繰り広げるモンスターパニック作品です。
それではまずはあらすじから、
海底1万メートルにある海底基地、ディープスターシックス。
研究調査しながらミサイル基地の建設のための準備を進めていたが、ミサイル設置の地盤を築くために存在していた空洞の上部を破壊したことで、
正体不明の何かが空洞より現れ、クルーの一員の消息が不明になってしまう。
さらに人為的なミスが重なり、海底基地自体の存続が危ぶまれる事態に陥っていく、、、!?
(13日の金曜日)のショーン・S・カニンガム監督が、びっくり超大作で有名なマリオ・カサール率いるカロルコピクチャーズで製作したモンスターバトルホラー作品です。
ショーン・S・カニンガム監督は、その後監督作品は減ってしまい、製作のみで参加する事が多くなるので、大掛かりな作品の監督作品としては絶頂期の作品となっています。
内容としては、正直、ズバリ深海版(エイリアン)そのものなのですが、これがちょっとクセがある、というかストレートにただのモンスターバトルになっていないところが特徴の作品となっています。
ミサイル基地建設(という設定も特徴的ですが)のために海底基地で作業する個性的な11人の作業員。
妊娠中の主人公と彼氏、嫌みばかりいう技師、男気のあるキャプテン、冷静な女医、トレーニングを欠かさない女性学者、などなかなかのメンツが揃っていますが、
やたらと作業を急ぐボス(キャプテンとは別人)によって、海底にある、空洞部分の十分な調査をスルーしていきなり天井部分を爆破して空洞を開放するように指示を出します。
で、爆破後、やっぱり空洞部分から未確認生物が飛び出してくる、というモンスターパニック展開になっていきます。
そこまでは割とお約束展開なのですが、ここからが特徴的になっていきます。
とりあえず海底基地にダメージを受けてしまったので、任務続行は断念して、危険なので設置中のミサイルのみ固定させておいて、引き上げる準備に入ります。
で、その作業を担当している嫌み要因ミゲル・フェラーのトンデモない人為的なミス(ちょっと常識外な)によって、ミサイルが爆発してしまいます。
このミスが原因で海底基地が維持不能なレベルまでの大ダメージを受けてしまい、いきなりほとんどのメンバーに死亡フラグが立ってしまいます。
さらに謎の生物も迫っていますので、どんどん人数は減ってしまいます。
で、そんな状況でもミゲル・フェラーの嫌みっぷりが全く変わらず、反省の色も全くない、という困った悪役ぶりですが、
その後さらに、ミゲル・フェラーは人為的ミスを重ねて、メンバーに自らとどめを刺してしまう、
というトンデモない失態を重ねていきます。
ホラー作品や、パニック系の作品では、こういうタイプのキャラクターは中盤あたりで心を改めて反省するか、さっさと脱落するか、どちらかですが、
ミゲル・フェラーは、結構しぶとく粘ります。
勿論、そこまでしておいてサバイバルし通す、という事にはなりませんが、最終選考ぐらいまでは残ってしまいます。
振り返ってみると、印象に残るのはモンスターとのバトルよりも、ミゲル・フェラーの失態と嫌みキャラのみ、という普通のモンスターバトルホラーではありえないような余韻の残る作品となっています。
ある意味、ミゲル・フェラーのどうしようもなさをメインに描いた作品、という見方もできそうなぐらいにミゲル・フェラー推しの作品となっています。
ただ、モンスター登場シーンや、バトル自体はB級魂に溢れていて、サスペンスフルな描写もテンポ良く非常に楽しめるのですが、
困難の原因を作っているのが、モンスターというより、ほとんどミゲル・フェラーだというところが、他の作品とは大きく異なる点となっています。
ミゲル・フェラーも当時は(ロボコップ)や(ツインピークス)など出演する作品のほとんどが嫌みキャラ、というかなり特別な位置にいた、と記憶していますが、
流石に本作のキャラクターは、そんなミゲル・フェラーに負の要素を背負わせ過ぎのような気がしますが、どうでしょうか。
という事で、人物の描かれ方は、極端ですが、モンスターバトルホラーとしては十分楽しめる作品となっていますので、ホラー好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
モンスターの造形がなかなか怪獣っぽくて良い感じですよ。
ついでにミゲル・フェラーの散りっぷりもなかなかの見せ場になっています。
作品情報
1989年製作 アメリカ製作 SFホラー
監督・製作 ショーン・S・カニンガム 製作総指揮 マリオ・カサール
出演 グレッグ・エヴィガン、ナンシー・エヴァーハート、ミゲル・フェラー、マット・マッコイ、ニア・ピープルズ、シンディ・ビケット
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