ザ・スタンド 連続殺人犯の元カレと妄想症に悩む私(OPEN 24 HOURS)102分

投稿者: | 2021年1月19日

お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

ホラー映画のヒロインの後日譚的な、PTSDに悩むヒロインと幻の殺人鬼の戦い!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、現実と幻覚の境目に悩むヒロインが殺人鬼と戦うホラーサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

かつて付き合っていた彼氏が連続殺人鬼だった、経験を持つメアリー(ヴァネッサ・グラッセ)は社会復帰のためにガソリンスタンド店員の仕事に就いた。

初出勤の夜、勤務に就いたメアリーだったが、勤務中にいないはずの元カレの姿を目撃する。

事件後から妄想症に悩まされていたメアリーは、これも妄想と思い、急ぎ薬を服用するが、

自身の周りにいる人々が、実際に次々と犠牲になるのだった、、!?

ガソリンスタンドの仕事を得る

ホラーヒロインのその後を描く、という斬新な設定のスラッシャー作品です。

ですので、物語が始まった時点で、ヒロインはすでに元カレである連続殺人鬼と戦交えたうえに、体に火を放ち撃退した後に刑に服し、

事件後のPTSDに悩み、妄想症と向き合って薬を服用しながら、ようやく社会復帰のための足掛かりとして、ガソリンスタンドの深夜勤務の仕事を得る、というところから物語が始まります。

なかなかこのような設定で始まる作品も少ないですので、ある程度ホラー作品を鑑賞していて、ホラー作品に慣れ親しんだホラーファン向けの作品となっています。

で、初出勤の日に、色々と現実なのか、妄想なのか判断のつかないような出来事が起こり、ついには元カレの姿を目撃してしまうが、

果たして現実なのか、妄想なのか、といったところが本作のハイライトとなっています。

突然現れる元カレは現実か妄想か

前半から中盤にかけては、その珍しい設定から始まって、妄想と現実境目を行ったり来たりしながら、

悩むヒロインと、そのヒロインを献身的に支える幼馴染の親友のドラマが非常に丁寧なサスペンスドラマとして良い雰囲気で描かれています。

ですが、中盤から後半にかけて、ちょっと物語が停滞しだし、後半にはもう前半の丁寧なドラマはなんだったのか、というぐらいに割と淡白なスラッシャー作品になってしまいます。

ですので、後半は妄想とか現実とかどうでもよくなってしまうぐらいのはっきりと分かり易い展開となります。

そうなってくると結構幻想的でミステリアスな怖さが魅力だった連続殺人鬼も、途端にただの荒くれ者に見えてしまうので、前半が良かっただけにちょっともったいないですね。

それでも、ヒロインのヴァネッサ・グラッセは魅力的なホラーヒロインを好演していますし、メジャーなホラー作品(レザーフェイス)に出演しているのも納得の存在感と放っています。

親友役のエミリー・テナンも出番は少ないですが、まるでヒロインのような存在感で親友役を好演しています。

出演者も良く、興味を引く設定で始まり、良い雰囲気で展開していっていたので、中盤以降の展開が非常に残念な作品となっています。

もう少し、現実と妄想路線をスリリングに掘り下げていれば、もっと傑作になっていたのではないでしょうか。

あと、本作の日本版DVDジャケットと邦題は明らかに(ジョジョの奇妙な冒険)を意識したデザインとなっています。

これは、流石に悪ふざけが過ぎていますね。

かつては(電車男)が流行っている時期に(バス男)なんてとんでもない邦題をつけた配給会社もありましたが、

後ほど、謝罪広告(宣伝込みですが)と共に、もとのタイトル(ナポレオンダイナマイト)という邦題に戻して再発売されていました。

映画作品は後に残る遺産のようなものなので、その時の流行りの適当なノリで邦題やジャケットを作成する姿勢は改めてもらいたいですね。

多分、映画ファンからもジョジョファンからも反感を買うだけだと思われますので、、。

『ゴゴゴゴゴ』の文字とスタンドのように立っている殺人鬼がえげつないですね。

しかもタイトルがそのものズバリな(ザ・スタンド)ですから、、。

そこからガソリンスタンドで展開される物語を連想する人はほとんどいないのではないでしょうか。

そういう事も踏まえた上で、話題性を優先させてつけたタイトルなのでしょうが、あまりに短絡的過ぎだと思われます。

というわけで、邦題はさておき、内容的には、珍しい設定のホラーファン向けの作品となっていますので、ホラー好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

前半の美しすぎるヒロインと美しすぎる親友に幻想的な導入の雰囲気には、結構引き込まれますよ。

邪悪な存在と戦う仲間

作品情報

2018年製作 カナダ製作 ホラー

監督・脚本 パドレイグ・レイノルズ

出演 ヴァネッサ・グラッセ、ブレンダン・フレッチャー、エミリー・テナント、コール・ヴァイグ、ダニエル・オメーラ

現実と妄想に悩むホラーヒロインのその後

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