おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
マッドサイエンティスト系の医師が開発した除去装置によって取り除かれたオデキが怪物化して人々を襲う(死霊のしたたり)風B級感が香るモンスターホラー!!
作品紹介
2022年9月16日公開
今回ご紹介するのは、非常にB級感漂うモンスターホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
1960年代のアメリカ。田舎町で医院を開く医師ガイは、自らオデキ除去装置を開発し、特許庁に申請するが、
既に一度申請は失敗に終わり、その時に起きた事故によって看護師のパトリシアには消えない傷が残っていた。
しかし、あきらめきれないガイは、再び特許の申請をし、担当官を医院に招いてオデキ除去装置の実践を見せようとするが、
そこで再び事故が発生し、切り取られたオデキがモンスター化、人々を襲い始めるのだった!?
(死霊のしたたり)や(ザ・デンティスト)等のブライアン・ユズナ監督作品や(バスケットケース)や(バッドバイオロジー)等のフランク・へネンロッター監督作品のような、
80年代90年代のB級ホラー作品風味の香るモンスターホラー作品です。
今回の主人公(実際の主人公は看護師の方ですが)は、オデキの除去専門のベテラン医師、という事でその医師が自身の開発したオデキ除去装置の特許を申請するために、
特許庁の担当者3人がマッドサイエンティストの経営する医院を訪れるシーンから始まります。
で、その始まりのシーンが既に本編、且つクライマックスという感じで、ほとんどその医院の中だけで物語は展開していきます。
展開という程、色んな展開があるわけではありませんが、その狭い医院内でマッドのマッドぶりを74分間という少しの間、垣間見ていく事になります。
で、マッドと被害者だけでは、物語は成立しませんので、まともな主人公的な登場人物として看護師が登場します。
この看護師を演じているのが(スカイシャーク)や(バトルブレイク)等のB級作品で活躍しているエバ・ハーバーで、
本作では製作総指揮も担当し、エンディングのスタッフロール中に挿入されるNGシーン&メイキング映像で、なんとなく香る実はボス的な貫禄を垣間見る事ができます。
そんな(一応、作中では健気な)看護師がマッドサイエンティストと丁々発止を繰り広げる物語ですが、
メインとしてはやはり除去装置によって逆に肥大化させられて除去されたオデキモンスターの活躍で、
最初は、何故か吹っ飛んだ政府の役人の首の頭蓋骨部分にオデキ生物が入り込み、急に眼が生えて、スカルヘッドモンスターになって、おばちゃん役人の肩にへばり付いたかと思うと、
今度は逃げ込んだちょっとした個室に、実は彫刻家の清掃員(その設定の意味は良く分かりません)がこっそりパクり集めていた医院の備品であるメスが、まとめて隠してある、
という理由で、再登場時には、巨大モンスターと化している、という良く分からない巨大化の理由(刃物で刺されると大きくなる、という事でしょうか)で、どんどんと手に負えない存在となっていきます。
で、勿論外に逃げ出すのが普通ですので、メインのメンバー以外の職員(一人)と患者(一人)が外に逃げようとしますが、
何故かシェルターのような防護壁が下りて誰も外に出られなくなる、という限定された空間でモンスターバトルを繰り広げる展開へと突入していきます。
規模の極めて小さい(デモンズ)(REC)といった感じでしょうか。
ただ、まだオデキモンスターが肩の上にのっかるサイズの時は、マッドの暴走ぶりが、逆にどんどんとオデキモンスターの成長を逆に煽っていきますので、
それなりにワクワク感を少しは感じれるのですが、完全に巨大モンスターと化してしまうと、途端にマッドにとっても脅威になってしまうので、
いつのまにか、他のメンバーと同じようにオデキモンスターと対峙するようになってしまい、協力してモンスターを倒せ!的な展開になっていってしまうのが、残念です。
ただ、このマッド、天才ながらもどこか倫理観のネジが一つ飛んでしまっている(死霊のしたたり)のウエスト君のような、何故か感情移入してしまう愛すべきマッドという感じではなく、
(トロル2)等にも出演しているジョージ・ハーディが、目を見開いて、首を振り、髪を振り乱して、めいっぱい大きな声を発し、
エキセントリックな感じでジョージが思い描く限りのマッド像を頑張って真似ている、という感じで、
正直、ずっと見続ける、というのもなかなかの苦行ですので、後半の没個性の普通のおじさんの方が逆にしっくりきてしまいます。
と言いつつ、クライマックスでは、再び良く分からない愛の告白や、その後のマンガのようなマッド行動で、再びマッドにはなっていくのですが、、、。
メインの見せ場であるオデキモンスターは、宣伝文句でアピールするほど生理的嫌悪指数200%!というありえないパーセンテージ程ではなく、
不快そうな設定の割には、(予算の都合もあるとは思われますが)恐らく意図的に不快過ぎないような程度を意識した味のある特撮が楽しめるようになっています。
ですので、不快を期待して鑑賞する方にとっては不満が残るかもしれませんが、それとは別に、予想外のジョージの成りきりマッドぶりに思いの外、不快感を感じる方がいるかもしれません。
という事で、74分という短い作品で、観始めたら、もう終わった、ぐらいのサクッと鑑賞できる(ある程度)味のある特撮が楽しめる作品となっていますので、
何かの用事の合間にでも、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2020年製作 アメリカ製作 ホラー
監督・製作・脚本 タイラー・ラッセル 製作総指揮 エバ・ハーバーマン
出演 エバ・ハーバーマン、ジョージ・ハーディ
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