お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
エミリア・クラーク主演による、エージェントアクションものと思いきや、FBIに情報提供していた女性の実話を基にしたまさかの不倫ドラマ!!DVDジャケットイメージと実際の内容の相違が激しいです!!
作品紹介
2020年6月19日公開
今回ご紹介するのは、(ゲーム・オブ・スローンズ)でブレイクしたエミリア・クラーク主演の実話の映画化作品です。
それでは、まずはあらすじから、
麻薬密売人キャッシュ(ジョニー・ノックヴィル)の元妻として裏社会で生きるスーザン・スミス(エミリア・クラーク)は、ある日のFBIの捜査で薬物所持で逮捕されてしまう。
その罪を逃れるため、FBIの情報提供者として協力することを申し出たスーザンは、早速裏社会の情報を流し始める。
それを機に田舎町からの脱出を夢見るスーザンだったが、FBI捜査官のマーク・パットナム(ジャック・ヒューストン)と捜査を進める中で、越えてはならない一線を越えてしまう。
(ラストクリスマス)やテレビシリーズ(ゲーム・オブ・スローンズ)で人気のエミリア・クラーク主演の実話の映画化作品です。
DVDジャケットのイメージから(レッドスパロー)や(アトミックブロンド)などのレディスパイエージェントものを期待してしまいますが、
完全にミスリードです。
実際は麻薬中毒者の女性が田舎町の生活から脱出するために、野心溢れるFBIの新米捜査官の個人的な情報提供者になって、
身内の犯罪者の情報を大量に流し、さらにそのまま妻子ある捜査官と不倫関係になった挙句に捨てられて、
その仕返しを計画したら、もっとひどい目に合う、
という正直何故この実話を映画にしようと思ったのか全く理解できないような内容となっています。
簡単に言ってしまうと、メインはアクションではなく、不倫ドラマです。
(エージェントスミス)というタイトルですが、主人公はスパイなどの特別な訓練を受けているわけではなく、
普通の一般人の上に薬物中毒ぎみでかなりアンダーグラウンドな世界の住人です。
そこから抜け出したい、と常日頃思っていますが、なかなか上手くいかない、という生活を送っている人物です。
ですので、シャーリーズ・セロンのような超絶アクションを展開するシーンは一度もありません。
ジャケットの謳い文句に【最高に刺激的なヒロインアクション超大作!】とありますが、全くそんな内容の作品ではありません。
完全にミスリードです。
監督のフィリップ・ノイスがアンジェリーナ・ジョリー主演の(ソルト)も監督しているので、そういったイメージも狙っての事だと思われますが、
ちょっといくら何でも、エミリア・クラークファンの方以外では、DVDジャケットからのイメージで、内容に納得できる人は少ないのではないでしょうか。
その内容に関しても、とにかく劇中に登場する人物が、ことごとく感情移入を削ぐようなキャラクターになっていて、
本質的に善人の登場人物がほとんど見当たりません。
主人公は常に自分が街から抜け出す事しか考えていませんし(子供もいますが、途中から子供の存在感もかなり希薄になってしまいます)、
FBI捜査官は常ににやけ顔で、不倫上等なうえに、都合が悪くなったら切り捨てる、のみならず、ラストではとんでもない事になります。
ジョニー・ノックスヴィル演じる元夫も生粋の犯罪者ですし、身内も基本的に全員犯罪者、ぐらいの暗黒ぶりです。
実際の事件の映画化ですので、実際の人物の人となりに合わせている部分はあるのかもしれませんが、
だとしたら、そんな人物しか登場しない物語を何故映画化しようとしたのか、という疑問にまた戻ってしまいます。
エミリア・クラーク的には、本作で役柄の幅は広まったのかもしれませんが、、、。
今後の活躍に期待したいですね。
という事で、日本の配給会社の作品イメージのミスリードが目に余る作品となっています。
それほど豪華ではないB級アクションをポスターアートで特盛にして、豪華なアクション作品に見せようとしたり、
拳銃を撃つシーンはほとんどない格闘アクションに豪華なガンアクションが満載のような特盛感を出してみたり、
B級作品には、そういった宣伝の仕方をされるパターンが多いですが、そういった事も含めてB級作品の楽しみ方でもあるとは思います。
しかし、本作のように、比較的人気が出てきているキャストが体当たりで実話の映画化の、しかも汚れ役に挑んでいるような有名監督作品を、
まるで違う内容のスパイエージェントもののように売り出そうとするのは、その作品を鑑賞した人は勿論、騙されたと感じてしまいます。
作品を制作した人たちも、そんなつもりで製作していないので、不本意この上ないのではないでしょうか。
ちゃんと内容に沿った形で、【大人気のエミリア・クラークが実録犯罪ドラマで体当たりの汚れ役に初挑戦!】
ぐらいにしておけば、鑑賞前のイメージと実際の内容の相違も少ないですし、鑑賞した人も納得できると思うのですが、どうでしょうか。
この事件が日本ではあまり有名ではないので、宣伝効果が弱い、というのは分かりますし、
アクションものは有名な作品でなくても、手を出しやすいというのも分かりますが、
このミスリードは流石にやり過ぎではないでしょうか。
それでも、そういう内容だと理解して鑑賞すれば、エミリア・クラークファンの方には普段は見れない役柄を演じている貴重な作品でうすので、
一見の価値のある作品になってますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それと、ラストのスタッフロールが流れるシーンで、実際モデルとなったFBI捜査官本人がインタビューで出演しています。
この人物がほんのり笑顔を浮かべながら事件についてコメントしているのが、その後にこの人物が仕出かした事を考えると、一番恐ろしいですね。
世の中にはいろんな人がいますね、、。
作品情報
2019年製作 アメリカ製作 実話ドラマ
監督 フィリップ・ノイス
出演 エミリア・クラーク、ジャック・ヒューストン、ジョニー・ノックスヴィル、ソフィー・ロウ、ソーラ・バーチ、ケヴィン・ダン
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