お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆
お気楽なバディコメディと思いきや、意外に本格的なアクションと笑いがバランス良く融合したフランス産秀作ドタバタアクション!!ラストは切ないです!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、笑いとアクションの連続ながらラストでは切なさの残るフランス製作のバディアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
ある日、精神病院で目覚めたレオ・ミラン(ダニー・ブーン)は、『自分はスパイ組織のエージェントだ。』
と周りの人に説明するが、誰も取り合ってくれなかった。
レオの担当になったロマン(フィリップ・カトリーヌ)は、優しく接するが、それでも話自体は信じてくれなかった。
そんな時、突然レオは、ロマンの彼女が闇の組織に狙われている、と言い出す。
その話も信じないロマンだったが、ある日の帰宅後、突然動物のマスクを被った訪問者によって彼女が誘拐されてしまう。
誘拐された彼女を救うため、半信半疑ながらもレオを施設から脱出させ、二人で捜索を開始するのだった!?
(ミックマック)など、フランスで活躍する人気俳優ダニー・ブーン主演のフランス公開時に大ヒットしたアクションコメディ作品です。
本作はコメディだけが売りではなく、アクションもかなり凝った内容となっています。
冒頭のエージェントカップルのバトルを筆頭に、ハリウッド製のスパイアクションに負けないぐらいの派手なアクションの連続となっています。
このアクションを、気の良いおじさん風のダニー・ブーンが結構自身で動き回ってこなしています。
カーアクションなどが展開されるシーンもフランス映画らしい綺麗な街並みが舞台となっていて、
観ていてしっかりとヨーロッパ作品の雰囲気を堪能する事もできるようになっています。
内容的には、大筋はバディものとなっていますが、一番の特徴としては、主人公の設定が自称スパイエージェント、という部分に尽きると思われます。
このキャラクターを気に入るか、どうかが本作の評価に大きく関わってくるぐらいに重要な要素となっています。
個人的には、主人公の周りを巻き込むあまりの破天荒ぶりに、前半は、まるで感情移入できなかったのですが、
不思議なもので、観ているうちに慣れてしまい、後半は愛着まで沸いてしまうほどになっていました。
当然当初デコボココンビだった二人も打ち解けだし、ラストではかけがえのない親友のようになっていきます。
この辺のバディものとしてのお約束をしっかり守ってくれるところも、本作を分かり易いバディムービーとして優れた作品にしていると思われます。
で、そんなドタバタコンビが闇組織と戦って、事件解決に向かうラストも痛快ですが、
本作はラストのラストで、主人公の秘密が明かされる展開となっています。
主人公の人となりがわかるラストです。
この展開も、少し意見が分かれる部分かもしれません。
この秘密を相棒であるロマン(と観客)が知ることで、物語は一挙に切ない目線になっていきます。
その秘密を知ることで、もう主人公の破天荒ぶりさえ、今までとは違う見え方になります。
個人的には、このラストの展開がある事で、非常に良い余韻を残す胸を打つラストシーンになったと思いますので、
良いラストだとは思うのですが、単純に笑いだけを求めている人にとっては、それまでの無邪気に楽しい雰囲気が台無しになってしまう、
と感じる人もいるかもしれません。
なかなか難しいところですが、どちらにしても主演のダニー・ブーンの説得力はかなりある展開ですので、
作品自体は多くの人が楽しめる内容となってます。
アクション映画好き、コメディ映画好き、フランス映画好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
同じフランス製の(タクシー)シリーズなどのような楽しさが味わえますよ。
作品情報
2020年製作 フランス製作 アクションコメディ
監督 ルドビク・コルボー・ジャスティン
出演 ダニー・ブーン、フィリップ・カトリーヌ、アン・セラ、サミュエル・ジュイ、ソフィー・ヴェルべーク
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