エスター ファースト・キル (ORPHAN:FIRST KILL)99分

投稿者: | 2023年7月23日

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

衝撃的な結末で大ヒットしたジャウム・コレットセラ監督の(エスター)の前日譚を、一作目と同じイザベル・ファーマンが演じたサスペンスホラー第二弾!!

作品紹介

2023年3月31日公開

今回ご紹介する作品は、大ヒットサスペンスホラー(エスター)の、シリーズ第二弾です。

それでは、まずはあらすじから、

四年前に行方不明になっていた裕福なオルブライト家の娘エスターが見つかった。

久々の娘との再会を喜ぶ父親と母親と兄だったが、久々に再開したエスターは、どこか以前と違う雰囲気で、

語る思い出話も違和感が漂っていた。

そんな中、エスターの父親に向けるまなざしが、親子の愛情を越えて暴走し始める!?

名作スリラー(エスター)の前日譚を描いたシリーズ第二弾です。

監督は、(デビルインサイド)や(ザ・ボーイ)シリーズ(詳しくはこちら)、(ウェア破滅)等、一貫してホラー作品を製作し続けるウィリアム・ブレントベル監督で、

ザ・ボーイ)のような捻りの効いた物語を本作でも演出しています。

ウィリアム・ブレントベル

主演は、まさかの25歳にして10歳のエスター役を続投する、というかなり挑戦的なキャスティングで、イザベル・ファアーマンが、

独特の存在感で、あの伝説になったとも言えるキャラクターを再演しています。

エスター)以降は、(ダークスクール)や、(セル)、(エスケープルーム2)(詳しくはこちら)等、

似たような雰囲気のジャンルでの活躍が多く、本作で、再び当たり役に返り咲いています。

イザベル・ファーマン

で、エスターを引き取る母親役をえんじているのは、(ボーンアイデンティティー)のCIA局員ニッキー役や、(ヒースレジャーの恋のから騒ぎ)、(プリティガール)等、

多くのハリウッド作品でヒロインとして活躍しているジュリア・スタイルズで、前半と後半で捻りのある役柄を好演しています。

ジュリア・スタイルズ

で、エスターに寄り添う、気の優しい父親役で、(ハイエナロード)や(バグダッドスキャンダル)等のロッシフ・サザーランドが登場し、

エスターの理解者として作品世界を盛り上げていきます。

ロッシフ・サザーランド

で、兄役で、(傲慢な花)等に出演しているマシュー・フィンランが登場し、妹であるエスターに戸惑いつつ接していきます。

マシュー・フィンラン

というスタッフ・キャストが揃った本作の物語は、2007年、エストニアのある療養施設(といってもかなり厳重な警備体制の牢獄的な意味合いもある施設)に収容されている少女が、

機転を利かせてその施設を脱走し、行方不明者のリストを検索して、四年前にアメリカで行方不明になっている少女エスターに成りすまして、

まんまとアメリカにやって来るところから始まります。

で、1作目の舞台となる国アメリカにやって来たエスターは、そこで四年ぶりの娘との再会に喜ぶ幸せな家庭に潜り込むことに成功します。

ただ、やたらと刑事にジロ見されたり、セラピストに過去の話を詳しく聞かれたり、と勿論怪しむ者も多く、

4年間の空白後の成長したエスターを、、、、、家族だけが受け入れます。

そんな事があるのか?という感じですが、その辺のちょっとした違和感は、中盤でガラリと物語が展開する際に効いてくることになります。

逆に言い換えると、少しづつ散りばめられた違和感という伏線が、中盤以降でしっかりと回収されていきます。

で、上手い事裕福で幸せな家庭に潜り込んだエスターは、1作目のように(物語中の時代的にはこちらが先ですが)、上手い事子供を演じつつ、

少しづつ父親の愛情を、父親としてではなく、一人の男性として求めていく事になります。

で、いよいよ本格的に家族乗っ取り作戦を進めていくのかと思いきや、、、、、、。

という感じで、前作の流れを踏襲しつつ、新たな捻りの効いた展開へと突入していきます。

その捻りまでを紹介してしまうと、本作のかなりの見所となっていますので、割愛させていただきますが、

それまでのちょっとした違和感が納得できるような展開で、そこを軸に、物語は別展開へと進んで行きます。

その中盤以降の展開こそが、本作の本題とも言えるのですが、前作までの展開をも前振りとしても捉えられそうな大胆な展開で、続編らしい新たな物語を見せていきます。

ただ、そうした事で、(ターミネーター)の1作目と2作目、(ドントブリーズ)の1作目と2作目のように、

引き続き登場しているキャラクターが続編で全く違う立ち位置になり、感情移入できるキャラクターへと変換されていきますので、

その展開を受け入れられる人とそうでない人で、かなり賛否両論別れる捻りだと思われます。

その捻りが、心地よかった人と、そうなってしまうと(エスター)ではない、という人で、はっきり分かれてしまうような内容となっています。

14年も経過してから製作される続編ですので、すんなり同じような内容をなぞっていては製作される意味もありませんので、

それぐらいにインパクトが、必要だったのかもしれません。

ただ、その捻りがあるがために、後半、若干ですがコメディホラーのような、うっすらとコント感が漂う状況にもなりかけますので、作品の世界観に合うかどうかはまた別の事かもしれませんが、、。

それに加えて本作は、1作目に続く物語ですので、エスター自体は、どんな出来事に巻き込まれても、無事その後の時代を迎える事は決定していますので、

後半、エスターを脅かす、どんな強敵が現れても必ず勝利する、という事が分かっているのも、若干サスペンスの盛り上がりを削いでしまいます。

で、勿論、色んな出来事が起こりながらも、最終的にエンディングでは養護施設に行き着く、という所で終幕を迎え、1作目へと続いていきます、、、、が、、、

でも、やはりどうしても、、、、

エスターが、大人にしか見えない、

という挑戦的なキャスティングの問題は、鑑賞する側がかなり歩み寄っても、やはりどうしても気になってしまいます。

一作目より
一作目より

実際の子役のバックショットを多用して、前から撮影するときは全身を映さずに、アップを多用して、遠近法や、姿勢を低くして工夫して撮影している、というのは分かるのですが、

普段、個人的にスタントダブルが当たり前のセガール作品を観過ぎているせいか、

どうしても、大人のイザベル・ファーマンと後ろ姿の子役が、同一人物だと思えず、

しまいには、バックショット専門の子供と、正面アップの大人のイザベル・ファ-マンと、それを無理矢理縮小した小柄なイザベルの3人が別々にエスターを演じているように見えて来てしまって、

正直、超個人的には物語の捻りよりも、可愛らしい動きをする後ろ姿エスターと、ガッツリ大人の骨格のキリっとした大人の正面イザベル・ファーマンが、

入れ替わり立ち代わり登場するつなぎ目を気にしないようにすることにばかり気が言ってしまいました。

骨格が大人過ぎて、、、。

インタビューで、イザベル・ファーマンが、もうエスターの正体は分かっているので、それを逆手に取って子供に見えたり、大人に見えたりするように表現した、

と言っていましたが、確かに、時々子供っぽく見える時もあるのですが、やっぱり骨格が成長しているので、

下手すると25歳よりも、もっと上の年齢に見えてしまう瞬間も結構あったりします。

一作目より

とはいっても、イザベル・ファーマンは、年齢的な事をクリアするために、やむを得ず子役のスタントダブルを用いているのであって、

少しでも撮影時間を減らしたいだけのセガールとは根本的に比べる対象にはならないのですが、、、。

ただ、25歳で主演俳優が、外見が10歳の役を演じている作品なんて他には存在しませんし、また、イザベル・ファーマン以外のキャストで、

その年齢差の役柄を演じ切れる人も、存在しないとも思われますので、子役時代に強烈な名演を見せたイザベル・ファーマンだからこそ、こなせた(骨格は大人でも)役柄だと思われますので、

骨格はさておき、捻りの効いた物語展開のある作品などがお好きな方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

監督の代表作(ザ・ボーイ)シリーズがお好きな方でしたら、同じようなジャンルで、捻りの効いた物語展開と、

雰囲気が共通していますので、お勧めですよ。

一作目より

作品情報

2022年製作 アメリカ製作 サスペンスホラー

監督 ウィリアム・ブレントベル

出演 イザベル・ファーマン、ジュリア・スタイルズ、ロッシフ・サザーランド、マシュー・フィンラン、ヒロ・カナガワ

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