おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
エイリアンにさらわれた父親が地球に帰って来て、邪悪な存在になっていく、というアナログ特撮シーンが楽しいSFホラー!!
作品紹介
今回ご紹介するのは、エイリアンにさらわれた父親が別な生き物となって戻って来るSFホラー作品です。
それでは、あまずはあらすじから、
田舎町の山荘で、ある夜トニーの父親サムが、突然、謎の光に包まれて姿を消してしまった。
行方不明になった夫を探し続ける妻だったが、3年後のある日、突然サムが帰宅する。
しかし、サムは以前のサムとは、どことなく雰囲気が違っていたのだった!?
カルト的な人気を誇るSFホラー作品です。
ある日、エイリアンにアブダクトされた父親が3年後に戻ってみると、姿はそのままだけれども、違う生き物に変わっていた、
という、ある意味(SFボディスナッチャーズ)等の侵略入れ替わりホラーのような作品となっています。
ただ、そういう物語の大筋はあるものの、中盤以降は(ファンタズム)のようなファンタスティックホラーのような流れになっていきますので、
SFファンタスティックサスペンスホラーという感じの、要するに何でもありな特撮作品となっています。
しかも本作は好評だったのか、監督がどうしても製作したかったのか、定かではありませんが、同じハリー・ブロムリー・ダベンポート監督で、
(エイリアンウォーズ)と(シークレット・ファイル/接・近・遭・遇)という2本の続編シリーズが製作されています。
内容的には無関係で、同じプロットと同監督という事だけが共通しているシリーズですが、両作品ともに日本でVHSが発売されている、という事自体が、ある意味VHSバブル期を象徴しています。
勿論、1作目の本作以外のDVDは発売されていませんが、、、。
そんな、本作ですが、見所はやはりそのチープながらもツボを押さえた特撮シーンで、序盤で登場する着ぐるみを前後さかさまに着用するよなデザインのエイリアンから始まって、
ドライブ中の男女を襲うシーンや、近隣に住む女性を襲い、何故か下腹部から、成人したおじさんの姿でリボーンするシーン、
後半の本当の姿を現すシーン等、特撮ファン心を擽るようなシーンが多数登場します。
特に前後逆のエイリアンは、どう考えても動きにくい制限がありますが、アイデア賞ものの名デザインとなっています。
正直、もっと活躍して欲しかったところですが、そうなるとどうしても物語が進みませんので、さっさと父親の姿に戻ってしまうのが少し残念です。
で、人間の姿に戻ってしまってからは、息子を仲間に引き入れようとエイリアンのエキスを注入していきます。
中盤からはこのエキスを注入された息子が、今度は侵略者っぽくなっていくのですが、ここからエイリアンのエキスを注入されている者は、
頭で願えば、何でも現実になる、というまさかのファンタスティックホラーへと路線変更していきます。
子供ですので、おもちゃを念力で動かしたり、という感じで他愛ないですが、だんだんと、気に入らない者に兵士人形を巨大化させて攻撃を加えたり、
妖精人形を実物大にして攻撃を加えたり、という、もはやエイリアンのエの字も無いような脱線展開に突入していきます。
その後、最終的にまた、エイリアンものに戻る、というブレブレ展開ながらも、本作全体を包む、適度にゆるい娯楽感が、
独特の雰囲気を醸し出していますので、無茶苦茶なのに楽しめる、というカルト作品特有の魅力を放つ作品となっています。
恐らくB級作品好きの方でしたら、ド真ん中の作品ではないでしょうか。
それと、もう1点、本作には見過ごせない見所があります。
それは本作でデビューを飾ったマリアム・ダボの助演です。
その後(007リビングデイライツ)でボンドガールを務めるまでに人気者になったマリアム・ダボが、映画初出演の本作では、
それなりに画面に映る機会の多い役柄ではありますが、結局本筋には何も影響を及ぼす事なく、
ただただ裸体だけが何度も映し出される、という、これもB級ホラーにありがちな脱ぎ担当要員として登場しています。
マリアム・ダボのその後の活躍を見ると、本作のようなタイプの作品では無駄脱ぎ、とも言えそうですが、
作品にとっては、それでも見所の一つとなっていますので、見逃せないポイントとなっています。
という事で、トンデモホラーと言われる事もあるかもしれませんが、その独特のゆるいトンデモぶりが、魅力となっている人気のカルトホラー作品ですので、
ホラー好きの方や、特撮好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
まったり楽しめますよ。
作品情報
1982年製作 イギリス製作 SFホラー
監督 ハリー・ブロムリー・ダベンポート
出演 フィリップ・セイヤー、バーニス・ステジャース、マリアム・ダボ、ダニー・ブレイ二ン
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