おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ロシアで実際に起きた救助隊失踪事件を森に伝わる魔女伝説と交えて描き出す(プレアウィッチプロジェクト)と(ディアトロフインシデント)を掛け合わせたようなリアルホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは実際に起きた救助隊失踪事件をフィクションを交えて映像化したPOV風リアルホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ロシアのサンクトぺテルブルグの森林地帯では、30年間失踪事件が相次いでいた。
ある日、新人の研修中だった救助部隊が、行方不明中の少年を捜索するために、その森林地帯に入っていった。
しかし、彼らが森で発見したのは少年ではなく、裸の女性だった。
錯乱状態のこの女性と共に森からの脱出を試みる救助隊だったが、やがて森は異世界と化し、想像を絶する場所へとたどり着いてしまう、、、!?
ロシア製作のPOV風リアルホラー作品です。
POV風です。リアル感を出すためにPOV映像と、映画的な演出(BGM含む)を融合させた作品となっています。
ですので、POVっぽいですが、カメラがぶれて何が映っているかわからない、とか前半の人物紹介が長い、とかいうストレスはなく、
通常のホラー作品を見る感覚で鑑賞できる作品となっています。
この演出は賛否両論ありそうですが、暗がりの森で何か得体の知れないものにどんどん追い詰められていく恐怖感はしっかりと感じれましたので、
意外に良い演出なのではないでしょうか。
本作の見どころは、この何かに救助隊員が追い込まれていくいう逃げ場のない闇夜の恐怖にあると思われますので、夜中に電気を消して鑑賞するのにぴったりな作品ではないかと思われます。
という事で、結構怖いです。
内容としては、2017年に実際に起きた救助隊の突然の失踪事件を元に、その土地に伝わる都市伝説をつなぎ合わせ、実はその事件の真相はこうだった、
と創作で描き出した物語となっています。
で、その都市伝説というのが、ある村で夫に裏切られた妻が、夫を殺害するが、村の住民に逆上され、足を折られた上に穴に落とされ、
飢え死にさせられ、その死後女は魔女として復活し、村人を次々に殺していった、という伝説で、
この伝説上の魔女に、救助隊が出会ってしまう、という虚実織り交ぜた物語となっています。
要するに伝説のPOVホラー(ブレアウウィッチプロジェクト)と実際に起きた失踪事件にアレンジを加えた(ディアトロフインシデント)(詳しくはこちら)を融合させたような作品となっています。
個人的には、こういった作品は好みですが、2017年という結構最近起きた失踪事件を本作のようなファンタジックな物語として映像化するのってどうなのでしょうか?
その事件には確実に遺族もいるわけですし、救助隊失踪というそれなりの人数が関わっているような事件ですので、その事件を取り上げて、
失踪の真相は魔女が犯人でした、と勝手に言ってしまうのも、色々問題がありそうなのですが、どうでしょうか。
実話を実際に起きた事柄に忠実に映像化する、という事でしたら、関係者の協力を得られれば問題なさそうな気もしますが、
流石に、魔女が登場してしまっては、遺族からすれば、茶化しているようにしか取られないと思うのですが、、、。
そう考えると、実際に起きたとされるその事件自体を本作がどこまで再現しているのかどうかもちょっと怪しいですね。
もしかすると、実際はもっと規模の小さい事件なのかもしれませんね。
という物語はほとんど創作かもしれませんが、闇夜に何かが迫って来る恐怖感演出に関しては、十分堪能できますので、ホラー好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
おそらく、本作がハリウッド作品ではなくロシア作品という事で、なんとなく見慣れた景色ではない雰囲気を醸し出しているのも、
異世界に迷い込んだような錯覚に陥る要因になっているのかもしれません。
作品情報
2020年製作 ロシア製作 ホラー
監督・脚本 イヴァン・ミニン 製作・脚本 イヴァン・カピトフ、ナタリヤ・ドゥボーバヤ
出演 ビクトリア・ポテミナ、アナスタシア・グリボア、マルガリータ・ビチコワ、イリヤ・アガブフ、オレグ・チュグノフ
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