おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画を、ジャッキー・チェン主演、バリー・ウォン監督、ジョイ・ウォン、後藤久美子共演で実写映画化した、完全に香港向けノリのコメディアクション!!でも、アクション自体はしっかりジャッキー映画してます!!
作品紹介
1993年3月6日公開
今回ご紹介する作品は、週刊少年ジャンプで連載されていた人気コミックを、ジャッキー・チェン主演で実写映像化したアクションコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
香港で活躍する凄腕探偵、冴羽僚の今回の依頼は、香港で家出し、行方が分からなくなっている日本人資産家の娘、清子を探し出し連れ帰る事だった。
早速、情報屋を使って、清子の居場所を特定した僚だったが、清子は偶然手に入れた豪華客船の招待券を手に、乗船してしまうのだった。
清子を追って豪華客船に乗り込んだ僚だったが、その船では、国際的な盗賊団によるシージャック計画が進められていた!?
監督・脚本は、(ゴッドギャンブラー)や(カジノレイダース)(詳しくはこちら)等で、ブレイクした後のバリー・ウォンで、
お得意のドタバタギャグを散りばめた、極めて香港向けの、ジャッキー作品としては異色の作品世界を描いています。
主人公の探偵、冴羽僚役は、(新ポリスストーリー)と(ファイナルプロジェクト)と同年のジャッキー・チェンで、
他のジャッキー作品よりも、かなりコメディ色を強くした、ズッコケヒーローを演じています。
牧村香役は、(スウォーズマン女神復活の章)や(チーズとハム)(詳しくはこちら)等と同年の、人気絶頂期のジョイ・ウォンで、
実は主人公に想いを寄せる相棒役を好演しています。
で、物語の鍵となる日本の社長令嬢役で、日本から(ラブストーリーを君に)や(ガラスの中の少女)等の後藤久美子が登場し、騒動に巻き込まれていきます。
で、強盗団を追う女性エージェント、冴子役で、(ロイヤルトランプ)シリーズや(男たちの挽歌4)等、この時期のバリー・ウォン作品のミューズ、
チン・ミーヤウが登場し、テロリストと激闘を展開します。
で、その相棒の女性エージェント役で、(詩人の大冒険)や(黑蝴蝶)等のキャロル・ワンが登場し、セクシーなギャグを演じています。
で、豪華客船に乗船するギャンブラー役で、(妖獣都市 香港魔界篇)(詳しくはこちら)や(ゴッドギャンブラー賭神伝説)等の
レオン・ライが登場し、華麗なカード裁きで、強盗団と対峙していきます。
で、強盗団のリーダー役で、(ナイスガイ)や(ケンタウロス)(詳しくはこちら)等のリチャード・ノートンが登場し、ジャッキーと激闘を繰り広げていきます。
で、同じく強盗団役で、(北斗の拳)(詳しくはこちら)や(沈黙の追撃)(詳しくはこちら)等のゲイリー・ダニエルズが登場し、
ゲームのキャラクターにもなり切りながら、ジャッキーと激闘を繰り広げます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、香港で有名な私立探偵、冴羽僚(ジャッキー・チェン)が、今日も相棒である槙村香(ジョイ・ウォン)と、丁々発止のやり取りをしながら、
仕事の依頼人である日本人資産家の所に向かい、香港の街中に家出同然に飛び出してしまったその資産家の娘、清子(後藤久美子)を探し出し、連れ帰る依頼を受けるシーンから始まります。
で、その帰り道、早速情報屋から連絡が入り、清子が香港のストリートキッズに紛れて公園にいる、という情報を得て、
いきなりターゲットの居場所を特定した僚は、その足で公園に向かい、いとも簡単に清子に接触出来てしまいます。
しかし、お転婆娘の清子は、父のもとに帰る事を拒絶し、ストリートキッズに、変なエロおやじに追われている、と嘘をついてスケボーに乗って逃げ出してしまいます。
勿論、清子を追う僚ですが、清子を守るためにストリートキッズも僚を追い、香港の街中を走り回る大チェイスが始まります。
で、そのチェイスの過程で、身なりの良いおじさんと接触した清子は、そのおじさんの衣類をはぎ取り自身が着て変装し逃げていると、
ポケットの中に豪華客船クルーズのチケットを発見し、ラッキーとばかりに豪華客船クルーズに参加する事になります。
そして、清子を追って僚も乗船(というより密航)し、さらに別件でクルーズに参加していた香も乗船してきます。
さらにさらに、富豪ばかりが集まる、その豪華客船を襲撃する目的の、リチャード・ノートン、ゲイリー・ダニエルズをリーダーとする外国人強盗団グループや、
そのグループの襲撃情報を得て行動開始した国際警察の冴子(チン・ミーヤウ)とその相棒も乗船し、豪華客船は、香港の港を出航していきます。
で、清子の行方を追って、巨大船舶を捜索する僚ですが、強盗団グループも行動を開始するための最終打合せを始めます。
その打ち合わせの最中に強盗団の小心者部下が、持っていたマシンガンを誤って撃ってしまう事で、隣の部屋に潜り込んでいた清子の注意をひいてしまい、
聞き耳を立てた清子は、不運にも隣の部屋で行われている、強盗団の打ち合わせの内容を聞いてしまう事になります。
で、聞き耳を立てていると、誤ってシャワーの栓をひねってしまい、熱湯がかかって悲鳴を上げてしまった清子は、
今度は、私立探偵ではなく、国際強盗団グループに追われる身となってしまいます。
で、不意を突いてなんとかその部屋を出た清子は、広い船内を逃げ回る事になり、人生最大のピンチを迎えますが、
絶妙のタイミングで僚が合流し、今度は僚が、清子を守るために船内を走り回りながら強盗団と戦う事になっていく、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
物語展開的には、人探しの依頼を受けた探偵が、豪華客船内をドタバタしながら捜索する、という非常にシンプルな内容ですが、
本作の見所は、ストーリーそのものではなく、その展開の薄さをカバーする(し過ぎる)ぐらいに、炸裂するドタバタギャグの連続と、
そのギャグとは不釣り合いなぐらいにしっかりとジャッキー映画した素晴らしいアクションの数々が、ジャッキー作品の中でも、かなり異色な作品となっています。
恐らく、この香港(のみ)ノリのやり過ぎとも言えそうなギャグ系展開は、監督と脚本も兼任しているバリー・ウォンの意向が強く反映されていると思われます。
本作製作当時は、バリー・ウォンも(ゴッドギャンブラー)の記録破りの大ヒットによって、その後監督・製作する作品が、公開される度に軒並み大ヒットする、ぐらいの勢いがありましたので、
【あの、ジャッキーがついにバリー・ウォン監督作品に出演!?】という話題性もあり、その流れにジャッキー自身もある程度身をゆだねてノッてみた、という事ではないでしょうか。
それぐらいに、本作では普段のジャッキー作品では見れないような、くどすぎるギャグのオンパレードや、
度を過ぎたプレイボーイぶり、そして、それまでほとんど登場しなかった、銃を撃って他人の命を奪うシーンが結構存在する、異色な作品となっています。
ただ、完全にコメディ(言い方を変えるとふざけ半分)なので、銃撃シーン等も、かなりライトな感じの表現にはなっています。
で、メインとなるギャグシーンのオンパレードに、合間に入る超絶アクションに関しては、ここはふざける要素は全く無く、
いつもの、ジャッキースタントチームによる、その辺の道具や、シチュエーションを利用した、アイデア一杯のアクションシーンが連続し、
さらに、いつも以上にコミカルで漫画チックな風味を加えた超絶なスタントアクションや、リチャード・ノートンとゲイリー・ダニエルズとの、本格的な格闘アクション
という感じで、他の製作者では再現できないような、素晴らしいアクションシーンの連続となっています。
とんねるずの【ガラガラへびがやってくる】のカバー曲を、エリック・コットとジョン・ラムによる人気ユニット【硬派天使】が、かなり延々と歌と踊りを交えて披露するシーンや、
当時大人気だったカプコンの格闘ゲーム(ストリートファイター2)のコスプレゲーム風対決シーン等、
今観返すと、寒い?と思えるようなシーンも多かったりしますが、個人的には当時初見で鑑賞した際にも、同じ感情を持ちましたので、
恐らくこのノリは、時代性ではなく完全に香港で受け入れられるように製作された、地域制を優先した結果だと思われます。
逆に今の時代だと、懐かしさや、もう、こういうノリの作品は製作されにくい状況も相まって、一周回ってギャグに関しても、若干面白さも感じるようになっていたりします。
という事で、かなりシンプルな物語展開で、ギャグ多めな独特な作品ではありますが、しっかりとしたジャッキーアクション等、
見所も多い作品となっていますので、ジャッキーファンの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
近年実写映画化された、フィリップ・ラショーのフランス版(詳しくはこちら)や、鈴木亮兵主演の日本版なんかと観比べて見るのも面白いかもしれないですね。
因みに本作製作から三年後に、マイケル・チョウ主演で、(孟波=冴羽僚の香港での名前)という作品が製作されていますが、
日本では未公開で、データを観ても日本側の表記が何もないので、恐らく勝手に製作した、なんちゃって続編だと思われます。
香港らしいですね、、、。
作品情報
1993年製作 香港・日本製作 アクションコメディ
監督・脚本 バリー・ウォン 製作 レイモンド・チョウ、レナード・ホー 原作 北条司
出演 ジャッキー・チェン、ジョイ・ウォン、後藤久美子、レオン・ライ、チン・ミーヤウ、キャロル・ワン、バル・シン、リチャード・ノートン、ゲイリー・ダニエルズ、マイケル・ウォン、ロー・ワイコン、エリック・コット、ジョン・ラム
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