【配信専用作品】薄氷(BAJOCERO)106分

投稿者: | 2021年6月13日

お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆

極寒の地を走る囚人護送車が、何者かに襲われた!!目的のはっきりしないその襲撃者によって、次第に追い詰められていく囚人と護送警察官!!極限の状況で芽生える男の友情もさらりと描く、男泣きのスペイン産アクション!!

作品紹介

インターネット配信専用作品

今回ご紹介するのは、ネットフリックス製作によるスペイン産のサスペンスアクション作品です。

それでは、まずはらすじから、

スペインの極寒の地、クエンカに赴任してきたマーティン(ハビエル・グティエレス)は、初任務に6人の囚人護送を命じられる。

任務自体は、囚人を他の監獄に移送するだけの簡単なものであったが、途中、突然何者かに襲撃されたことで事態は一変する。

その襲撃者は相棒の警察官を射殺し、護送車の中に自分を入れるように要求してきたのだった。

職務に忠実なマーティンは、護送車を守るために応戦するが、囚人たちはこの機会に脱獄するためにマーティンに襲い掛かるのだった!?

謎の襲撃者に立ち向かう職務に終日な

スペイン製作のサスペンスアクション、さらにクエンカという極寒の地域が舞台となっている作品ですので、ハリウッド作品とは違った雰囲気を持った作品となっています。

大筋としては、囚人護送中に何者かの襲撃を受けて、警察官が応戦する、というシンプルな流れではありますが、その分かり易い展開に、

色々なドラマを盛り上げる要素を上手く取り込んだことで、緊迫感のギリギリと伝わってくる良質のサスペンスアクションとなっています。

まず、冒頭で、主人公のマーティンは警察官で、小学生ぐらいの娘がいる事がさらりと説明されます。

この家族自体が、その後物語に深くかかわってくる事はありませんが、主人公に幼い娘がいて、幸せに暮らしている、という設定が後ほどこの物語にとって物凄く重要になってきます。

で、そのマーティンが新しい警察署に転属となって、初の任務に囚人護送を命じられます。

一応、任務の中では比較的簡単な任務とされているようで、囚人をコンビの警察官とともに護送車で他の刑務所に移送する、という任務です。

ですが、この簡単と思われた囚人護送任務は、ある地点で何者かによって護送車が襲撃される事で一変します。

勿論、マーティンも応戦しますが、相棒の警察官は銃撃を受けて動けなくなっています。

しかも襲撃者の要求は囚人の誰かを助ける、というありがちな事ではなく護送車の中に自分を入れろ、というものです。

マーティンは基本的に職務に忠実すぎるぐらいに忠実な性格なので、逃げ出す、という選択肢はありません。

という事で、襲撃者に応戦しながら、逃げる気満々の囚人たちとも臨戦態勢になっていきます

孤立無援です。

この辺の展開が凄く上手く、また冒頭で襲撃者が他の人物を殺害しているシーンも挿入されますので、どういう目的で、この殺人者が護送車を襲っているのか?

などのサスペンスを引っ張りつつ、主人公が突然陥った絶体絶命の状況をどう乗り切るのか?

というサスペンスも盛り上がっていきます。

この主人公のキャラクター、マーティンもとても魅力的ですが、囚人もなかなか個性的な面々が多いです。

脱獄してドミニカ共和国にバーを開きたいと思っている窃盗犯や、元会計士で優しい性格の老人、護送中に警察官を襲った過去もある凶悪犯、薬物中毒者、

そして過去に妹を襲った人物に復讐した事で服役している若者と、その友人、

という個性豊かな面々で、しかもその中に物語の鍵を握る人物が含まれています

一癖も二癖もある囚人たち

そんな個性的な囚人たちとも一触即発な状況になりながら、護送車は移動し、最終的には、氷で包まれた大河で停車され、そこで、襲撃者に氷を打ち抜かれて、護送車ごと大河に沈んでいく、

というパニックもの展開へとなだれ込んでいきます。

この辺の展開も非常に緊迫感があり、勿論、脱落者も出していきますが、生き残る、という共通の目的の元に、敵対していた警官と囚人の間に、

ある意味友情のような信頼関係が生まれていきます。

物語を積み重ねることで、微妙に展開していく人間関係が非常に細かく描写され、男泣き展開へと発展してきます。

基本的に主人公は職務に忠実で真面目人間、それは変わりません。

でも、人間的には優しい心を持った暖かい人間ではあります。

そんな真面目人間マーティンが、ついに襲撃犯と対決する事になります。

そこで明かされる襲撃犯の本当の目的は、なかなかに衝撃的な事実になっています。

ここで、マーティンには幼い娘がいる、という設定が非常に効いてきます。

幼い娘を持ち、職務に忠実な真面目人間マーティンが、襲撃者の本当の目的を知った時、果たしてどういう選択をするのか?

という部分が本作のクライマックスとなっています。

このラストに至る展開は、まさに男泣き必至の怒涛の展開となっています。

という事で、インターネット配信専用の作品で、スペイン製作の地味なイメージの作品ですが、内容は見過ごすのは勿体ないぐらいの作品ですので、

サスペンス好き、アクション好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても主人公を演じるハビエル・グティエレスの目の演技の渋さがハンパないですね。

護送車内は小さいめの個室に分かれていて、運転席とも仕切られている。

作品情報

2021年製作 スペイン製作 サスペンスアクション

監督・脚本 ルイス・キレス

出演 ハビエル・グティエレス、カラ・エレハルデ、ルイス・カイェボ、アンドレス・ヘルトルディクス

最終的に氷に包まれた大河に護送車を停めて、氷を弾丸で打ち抜いて、車を大河に沈める、というパニックもの展開に

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