おすすめ度 ★★★★★★★★★★
キン・フー監督の名作(残酷ドラゴン 血斗竜門の宿)をリメイクした豪華スタッフ・キャストによる傑作武侠アクション!!今を時めくドニー・イェンも悪役で登場!!
作品紹介
1995年2月4日公開
今回ご紹介するのは、(スウォーズマン剣士列伝)以降の武侠古装片ブームの真っただ中で製作された、ツイ・ハーク製作の傑作武侠作品です。
それでは、まずはあらすじから、
明朝時代、宮廷を牛耳る悪徳宦官ツァオ(ドニー・イェン)は敵対勢力である他の高官たちを次々と処刑していた。
その遺児たちは辺境に流刑となるが、復讐を恐れたツァオは、暗殺部隊を組織して刺客を放つ。
その遺児を守るために立ち上がった者たちは、砂漠の一軒宿(龍門客棧)に集合して、遺児の保護を計画するが、
その計画を知った暗殺部隊の魔の手が迫るのだった!?
日本でもブルース・リー登場以降の第一次ドラゴンブームに乗って公開された巨匠キン・フー監督作品(残酷ドラゴン 血斗竜門の宿)のリメイク作品です。
(残酷ドラゴン)は、その後、ドラゴンブームが落ち着いてから、改めてドラゴン的なイメージを取り払って従来通りのキン・フー監督作品として評価され直した作品で、
近年改めてデジタルリマスターされたバージョンが劇場公開もされ、まさかのブルーレイソフト化もされる、
という快挙を成し遂げるぐらいに評価されている作品です。
そんな世界中に多くのファンが存在する、もはや武侠作品の古典と言っても良いぐらいの評価を受けているオリジナルのリメイクですが、
これが、日本においてはブルーレイどころか、DVD化さえされていない、という不遇の扱いを受ける作品となっています。
ただ、そんな不遇な扱いは日本だけで、他のアジア圏では、多くのリメイク映画や、テレビシリーズ化等もされ、
しまいにはゲーム化までされる、というぐらいに人気の作品世界となっています。
さらに、この映画化や、ゲーム化は基本的にオリジナル(龍門客棧)の映画化ではなく(新龍門客棧)の映画化、ゲーム化ですので、
要するに、人気が集中しているのは(残酷ドラゴン)ではなく(ドラゴンイン)の方に集中しているのかと思われます。
それぐらいに日本国内と日本以外のアジア圏で扱いに差のあり過ぎる本作ですが、実際の内容も、その1990年代に巻き起こった古装片ブームの集大成とも言えるぐらいの傑作となっています。
物語は、宮廷を支配している悪徳宦官が、目障りな高官を次々に処刑していき、その遺児も流刑にするが、
遺児たちからの復讐を恐れて暗殺部隊を放ち、遺児を守る人々と暗殺部隊が、荒野にぽつんと存在する宿屋、龍門客棧で激突する、
というシンプルな大筋となっています。
この子供を守る者と暗殺しようとする者が、お互いの正体を隠した状態で、相対する腹の探り合いに、その宿を切り盛りする女将とその部下たち、
というどちら側につくか分からない勢力が、割って入り、腹の探り合いをどんどん深めていきます。
そこに、時折登場する能天気な政府の警備隊の存在が、ドラマをさらに盛り上げていきます。
四つ巴の戦い、といった感じでしょうか。
で、腹の探り合いの果てに、一触即発、いよいよ激突か?というところで、悪徳宦官側の本隊登場!という感じで、ラストバトルへと雪崩れ込んでいく、
という全体の流れとなっています。
この緊迫感のある物語を演じているのは、子供を守る側のリーダー役で(スウォーズマン女神伝説の章)等の東方不敗役が人気だった男装の麗人ブリジット・リン、
龍門客棧を切り盛りする、一筋縄ではいかない女将役に、(ポリスストーリー)等のアイドル時代とは比べ物にならないぐらいに活躍の場が広がっていた(戦神ムーンウォリアーズ)(詳しくはこちら)等のマギー・チャン、
途中からの登場ながらも、登場するなり、結構な活躍を見せる(プリズン・オン・ファイヤー)や、最近でもジョニー・トー作品や、(テイル・フロム・ダーク)(詳しくはこちら)等の多くの作品で、活躍し続けているレオン・カーファイ、
そして、登場シーンはそれほど多くないものの、肝心のラストバトルで、凄まじいアクションで見せ場を完全に攫って行く、
当時(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地大乱)等のように悪役での起用が多かった今を時めく大スター、ドニーイェン、
という感じで二度と実現不可能な伝説の名優たちが共演し、武侠映画ジャンルが一番乗っていた時期に製作された奇蹟のような作品となっています。
監督は(スウォーズマン女神復活の章)でも本作のブリジット・リンとタッグを組んでいるレイモンド・リー、
製作と脚本は常に香港映画の流れを作ってきた香港のスピルバーグ、ツイ・ハークで、製作総指揮はジャッキー・チェンの(ドランクモンキー酔拳)や
ブルース・リャン主演の(帰ってきたドラゴン)(無敵のゴッドファーザードラゴン世界を征く)等多くの傑作カンフー映画を世に送り出してきたウー・スーユエン、
武術指導は(チャイニーズゴーストストーリー)等、当時の武侠古装片をアクション面でけん引していたと言っても過言ではないチン・シュウトン
というあまりに豪華なスタッフ・キャストが勢ぞろいしてしっかりと砂漠地帯でロケが慣行された話題作となっています。
最初から最後まで全てが見所ですが、特にラストバトルは香港映画史に残る名勝負と言っても良いのではないでしょうか。
3対1の戦いですが、、。
という事で、恐らく今後の香港映画界でも本作のような話題性を持った武侠作品は、なかなか登場しないと思われますので、
機会がありましたら是非ご鑑賞をお薦めします。
面白いですよ!
作品情報
1992年製作 香港製作 武侠アクション
監督 レイモンド・リー 製作・脚本 ツイ・ハーク 製作総指揮 ウー・スーユエン
出演 ブリジット・リン、マギー・チャン、レオン・カーファイ、ドニー・イェン、ユエン・チュンヤン、ヤム・サイクン、ホン・ヤンヤン、ユエン・ブン、チョイ・カムコン
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