カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
(南拳北腿)のウー・スーユエンが製作に携わり、再びジョン・リュウとウォン・チェンリーが激突するドラマティックな要素も盛り込んだユエン・ウーピン武術指導によるカンフーアクション!!
作品紹介
今回ご紹介する作品は、ジョン・リュウとウォン・チェンリーが激突するカンフー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
乾隆帝の清朝時代、ロシアから交流目的で、トルストイ特使がやって来た。
その本当の目的を探るため、密使を派遣し、トルストイの身辺を調べさせる高官達だったが、その密使が、何者かの裏切りにあい、殺害されてしまう。
そこで、捜査のエキスパートであるシャオティンが招集され、本格的な捜査が始まるが、その裏切り者は、清朝転覆を目論む意外な人物なのだった!?
監督は、本作と同スタッフ・キャストで製作された(真假功夫)や(佛掌皇爺)(詳しくはこちら)等のトン・チンフーと、
サリー・イップ主演の(一根火柴)やケニー・ビー主演の(你那好冷的小手)等のロマンス作品で活躍している女性監督リリー・リウで、
何故本作を監督する事になったのか謎ですが、トン・チンフー監督と共にドラマ要素の高いカンフー作品を演出しています。
もしかするとカンフーアクションシーンとドラマシーンで、役割がきっちり分かれていたのかもしれません。
で、主人公の高官役は、(南拳北腿)(詳しくはこちら)シリーズや、(神腿)(詳しくはこちら)等、
凄まじい足技でお馴染みのジョン・リュウで、本作でも神業を披露しています。
で、ラスボスとして登場するのは、(スネーキーモンキー蛇拳)や(蛇猫鶴混形拳)(詳しくはこちら)等の
ウォン・チェンリーが登場し、ジョン・リュウと激突していきます。
で、ジョン・リュウの弟弟子で相棒となる拳士役で、(血玉)(詳しくはこちら)や(龍威山荘)(詳しくはこちら)等の、
ヨウ・フェイヤンが登場し、ジョン・リュウと共にバディを組んで行きます。
で、その弟分の少年役で、(スリーピングモンキー睡拳)(詳しくはこちら)や(翡翠狐狸)等のホワン・イールンが登場し、
素晴らしい軟体カンフーを披露しています。
で、ウォン・チェンリーの部下役で、(プロジェクトDデブゴン)(詳しくはこちら)や(踢館)(詳しくはこちら)等の
フィリップ・コーが登場し、主人公と激闘を繰り広げます。
で、同じく同門の兄弟弟子で、ウォン・チェンリーの側近役で、(ドランクモンキー酔拳)や(南拳北腿鬥金狐)(詳しくはこちら)等の
チョイ・ハーが登場し、主人公コンビと激闘を繰り広げます。
で、友好的かと思いきや、実は侵略目的のロシア人役で、(スネーキーモンキー蛇拳)や(死亡の塔)(詳しくはこちら)、
(龍形摩橋)等のロイ・ホランが登場し、素晴らしいアクションを披露しています。
そんなメインキャストに、端役やスタントマンとしてユン・ピョウや、コーリー・ユン、チン・ユッサーン、ユエン・シンイー等、
後に有名になるカンフースターが大勢登場する作品となっています。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、清朝の朝廷にロシアから特使トルストイがやって来るシーンから始まります。
名目上は親交を深めるため、という事ですが、その真意を測るため、高官達は密使を派遣し、外国人たちの動向を探り始めます。
で、トルストイの宿へと侵入し、動向を探る密使ですが、凄まじい洞察力のトルストイによって見つかってしまい、
まだ中国国内には存在しない銃火器によって、抹殺されてしまいます。
密使が倒された状況から、朝廷内にトルストイに協力している裏切り者の存在を確信した高官達は、急遽捜査のエキスパート、シャオティン(ジョン・リュウ)を招集します。
で、密令を受けたジョンは、密使が銃火器に倒れた事を聞き、助っ人として飛刀の達人である弟弟子ゴウ(ヨウ・フェイヤン)を訪ね、2人で捜査を開始します。
で、その頃、既にトルストイの部下たちは、友好な関係を築くつもりのない態度で、街で横暴の限りを尽くしていますが、
そんな中、食堂を荒らしていた外国人悪党を、ヨウの弟分である少年(ホワン・イールン)が、いなすという揉め事があり、
途中でジョン&ヨウも参加し、大騒動となりそうな所をトルストイの登場で、一旦は収まる、という事件が発生し、緊張感が増していきます。
で、その後、トルストイ一行をもてなすために獅子舞を舞う会が催されますが、その獅子舞にヨウと少年が紛れ込み、
トルストイが腰に下げていた骨董品の(鼻煙壷びえんこSNUFF-BOTTLE =嗅ぎ煙草を入れる壺)をササっと盗んでしまいます。
で、お宝をゲットしたヨウは、質屋で換金しようとしますが、その価値を知るジョンは、その出どころをヨウ訪ねるとトルストイという事で、
その対で存在しているはずの鼻煙壷を、今来たばかりの外国人が所有しているはずもなく、もう一方の鼻煙壷を所有している者が、
仲間同士の信頼の証として送った者だ、という事で、鼻煙壷の所持者を探す事になります。
一法、鼻煙壷が無くなっている事に気付いたトルストイは、獅子舞の会の事を思い出し、ヨウと少年、ジョンを亡き者にしようと刺客を送ります。
同時に、トルストイと通じている朝廷内の裏切り者も動き出し、トルストイ邸を出入りしている高官フィリップ・コーを怪しんだヨウが、
その後をつけてみると、速攻でバレてしまい、逆にヨウが襲われてしまいます。
ただ、この時応戦したのは、ヨウのみで、朝廷内の人物との面識が無かったので、後日話を聞いたジョンがフィリップに会いに行ってみると、
首筋に、ヨウの飛刀の傷跡があり、裏切り者は、フィリップ・コーとその直接の上司に違いない、という事で、
いよいよお待ちかねのウォン・チェンリーが登場します。
で、お互い狙いを定めたジョン&ヨウVSウォン・チェンリー&ロイホランの激闘展開に突入していく、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
本作、ドラマ系の女性監督リリー・リウが参加しているためか、非常にドラマ要素が濃く、普段編集一発で飛ばしてしまいそうなシーンを、入念に撮影されているため、
しっかりと登場人物が、ドラマの世界観に溶け込み、事件の捜査を軸にした各キャラクターの思惑が激突する内容となっています。
カンフー映画の監督作品の多いトン・チンフー監督だけでは、恐らくドラマ部分はほとんど端折ってしまっていたのではないでしょうか。
ただ、確かにドラマ要素は濃いのですが、最初に派遣される密使(ユエン・シンイー)→本格的に捜査を任されるジョン・リュウ→街で相棒の少年とコソ泥をしながら自由気ままに暮らしていたヨウ・フェイヤン→ジョン&ヨウの本格的な捜査開始
という感じで、物語の中心になる人物がコロコロと変わってしまい、裏切り者を探すだけの本来シンプルなストーリーが、
余計にややこしくなってしまっている構成になっていますので、もう少し登場人物が少な目だと、もっと楽しみやすい作品になったように思うのですが、どうでしょうか。
ただ、ユエン・ウーピンとウー・スーユエンがタッグを組んだ作品だけに、やはりカンフーアクションシーンはどれも素晴らしく、
スタントマンとしてユン・ピョウや、コーリー・ユエン、チン・ユッサーン等、実力者がわんさか登場しますので、
カンフーアクションシーンのほとんどが名シーンという貴重な作品となっています。
メインキャストもジョン・リュウとウォン・チェンリーの素晴らしい足技対決や、ホワン・イールンお得意の超軟体カンフー、
武術指導も担当しているチョイ・ハーと高速カンフー、フィリップ・コーの同門対決、
そして、ロイ・ホランを始めとした外国人キャストのキレあるアクションの連続、という感じで見所で埋め尽くされた作品となっています。
という事で、実力者が大勢結集した貴重な作品となっていますので、カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1977年製作 台湾製作 カンフーアクション
監督 トン・チンフー、リリー・リウ 武術指導 ユエン・ウーピン
出演 ジョン・リュウ、ウォン・チェンリー、ヨウ・フェイヤン、ホワン・イールン、フィリップ・コー、チョイ・ハー、ロイ・ホラン、ユン・ピョウ、コリー・ユン、チン・ユッサーン、ユエン・シンイー、ユン・ワー
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