カンフー映画としてのおすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ウォン・タオ、チー・クワンチュン、チャン・イー、ルン・フェイと、非常に豪華キャストながらも、それぞれがパートタイムなのが残念なカンフーアクション!!
作品紹介
今回ご紹介する作品は、台湾系のカンフースターが豪華共演したカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
清朝末期、戦後の混乱の中、財産の没収を恐れた権力者ハイルンぺイラーは、部下である5人の武術家に、自身の財産を金に換えさせ、それぞれにしか分からない隠し場所に隠させた。
しかし、それから9年後のある日、その武術家が次々と何者かに襲われる事件が発生する。
その中の一人であるローの義弟となったチャンは、事件を調べ始めるが、そんなチャンに何者かの影が近づいていた!?
豪華スターが結集した台湾製のカンフーアクション作品です。
ただ、確かに豪華スターではありますが、それそれが、ワンシーン+αぐらいの出演で、スターらしく起用されていませんので、
活躍するのか?と思いきや、あっさり退場、、、という展開の繰り返しで、本格共演ではないのが少々残念な作品となっています。
監督は、俳優としても(少林寺への道)や(同2)(詳しくはこちら)、(同3)(詳しくはこちら)、等のジョセフ・クオ作品や、他の多くの作品に出演し、
監督としては、ホー・チョンドー、チン・シン共演の(截拳奪命斬)等の監督作品を持つホワン・ロンで、
恐らく、豊富なカンフー映画への参加で得た人脈で、本作のような豪華キャストの実現が可能になったのではないでしょうか。
主演は、リュウ・ハオイ主演の(女少林寺)(詳しくはこちら)やメン・フェイと本作にも出演しているチー・クワンチュン共演の(神刀流星拳)等のワン・クワンシュンで、
いつものように、暗めの善人でカンフーの達人という役柄を颯爽と演じています。
で、そのワン・クワンシュンと激闘を繰り広げるのは、(少林寺炎上)(詳しくはこちら)や(カンフー十八羅漢陣)(詳しくはこちら)(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等、
カンフー映画のラスボス役として多数の作品に登場するカンフースター、チャン・イーが、ほとんど最初と最後だけ登場ですが、
バラバラになりそうな物語を、最終的にギュッと締めくくります。
で、さらに金を巡って戦いに参加する事になる5人の武芸者の内の一人で、(少林の鉄爪 鷹拳)(詳しくはこちら)や、
(セイントスティック怒りの聖拳!)(詳しくはこちら)、(猫拳カンフー無宿)(詳しくはこちら)等の正義のカンフーヒーロー役でお馴染みのウォン・タオが登場し、
そんなに活躍はしませんが、鷹拳の使い手としてアクションシーンを盛り上げています。
さらに、その武芸者の一人役で、(セブンソード)や(イーグルマスター決死拳)、(醉馬拳クレージーホース)(詳しくはこちら)、
(新嵐を呼ぶドラゴン)等のチー・クワンチュンが登場し、こちらも主人公達のサポート役としてそれなりに活躍するのかと思いきや、やっぱりさっさと退場していく脇役を演じています。
で、主人公の婚約者の兄で、主人公を導いていく役柄で、ショウブラザース製作の(流星胡蝶剣)や、(14アマゾネス 王女の剣)、等に出演しているサン・ホアが登場し、
前半から事件の黒幕だと明らかになっているので、クライマックスはラストバトルを披露するのかと思いきや、
最終的にあっさり、チャン・イーにラスボス役を明け渡す、という、こちらもパートタイム的な出演となっています。
あと、ついでに、本編に入る前に主人公とビーチでちょっとした対決を繰り広げて、速攻で負けてしまう役柄で、
(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)やワン・クワンシュンも出演している(女少林寺)等のカンフー作品の悪役で有名なルン・フェイが登場するなり、退場していきます。
これだけの豪華メンバーが、全員パートタイム出演で、しかも主役がワン・クワンシュンと、常に表情の変わらないキャストで、物語が成立するのか?
という感じですが、本作は、そこにサポート的な役割としてツェン・チャオをキャスティングする事で、クリアしていきます。
ツェン・チャオはドニー・イェンがゲスト出演している(HEATヒート)や、ユエン・ウーピン監督の(精霊道士)(詳しくはこちら)
サイモン・ユエン主演の(妖怪奇兵)(詳しくはこちら)、日本も参加した台湾製特撮映画(大蛇大戦)(詳しくはこちら)等、
台湾系作品で助演として頻繁に登場しますが、本作では、終始仏頂面の主人公に変わって、事件に驚いたり、怒ったり、悲しんだり、
という感じで、感情面を全て受け持ちます。
事件を主人公と二人で追う事になりますが、主人公は外見担当、相棒は精神面担当、とう感じで、二人で一人の主人公と言っても良いぐらいに実際は重要な役目を担っていきます。
物語は、戦後の混乱によって自身の財産が失われる事を避けるために権力者であるチャン・イーが、5人の武芸者に自分の富を金塊に変えてどこかの場所に埋蔵させるが、
そのまま姿を消してしまって9年の月日が流れている、というとことから始まります。
で、その金塊を守っていた武芸者たちが、次々と暗殺されていき、主人公の婚約者の兄が、その5人の中の一人だった事で、
主人公が事件に関わりを持ち、他の4人の武芸者を訪ね歩く事になります。
で、その武芸者を訪ねる度に一足遅れで、謎の二人組によって、武芸者がどんどんと殺害されてしまって、
主人公コンビにも危険が迫る、という感じで、黒幕が姿を現していく、というちょっとしたサスペンス要素も含んだ物語となっています。
勿論、この時期のカンフー作品なので、大体の事は予測できてしまいますが、本作は主演級のキャストを完全に脇役としてキャスティングする、
という、ある意味意外性がありますので、他の作品では味わえないような、カンフー映画の王道とは少しズレた突飛な魅力も感じる作品となっています。
設定自体がややこしく、しかも主人公は基本的に巻き起こっている全ての事件の部外者で、特に殺人事件を捜査する立場でもなく、
冒頭ではさらに金争奪戦にさえ無関係のルン・フェイとのビーチバトルを繰り広げ、金争奪戦に参加、最終的には、それまで関わっていなかったチャン・イーと命がけのバトルを繰り広げる、
という、最初から最後まで、一貫してブレる(変な表現ですが)ストーリーとなっています。
アクション面でも、主演がワン・クワンシュンとツェン・チャオという事で、勿論武術系のスターというわけではありませんので、
ほとんどが、戦う相手頼みが中心のアクションとなってしまいますが、中盤にサクッと訪れてしまうチー・クワンチュンとウォン・タオのアクションシーンは、
しっかりと見せ場として(ワンシーンではありますが)楽しむ事ができるようになっています。
という事で、物語的にはブレぎみの内容ですが、豪華キャストが出演している貴重な作品となっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1978年製作 台湾製作 カンフーアクション
監督・武術指導 ホアン・ロン 武術指導 ツン・チャオ
出演 ワン・クワンシュン、チー・クワンチュン、ウォン・タオ、チャン・イー、サン・ホア、ツェン・チャオ、ルン・フェイ、チュー・ライ
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