【未公開カンフー映画】ドラゴン少林拳(疾風方世玉THE PRODIGAL BOXER 2)89分

投稿者: | 2023年6月24日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

(武道大連合 復讐のドラゴン)の続編となるメン・フェイ主演、タン・トウリャン共演のサスペンスカンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、(武道大連合 復讐のドラゴン)の続編となるカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

採掘場を経営する叔父の下を訪ねたフォン・サイヨは、その土地一体を牛耳る権力者、ツァオによって、叔父が傷つけられている事を知る。

そこで立ち上がったサイヨは、ツァオ宅に召使として潜入し、内部からツァオ一派を倒していく作戦を立てる。

しかし、そこへライバル拳士カオ・リーが姿を現した事で、事態は予想外の方向へと進んでいくのだった!?

武道大連合 復讐のドラゴン)(詳しくはこちら)の監督主演コンビが再び結集して製作したシリーズ第二弾です。

本作以降は本作のタン・トウリャン(別人として登場)に、一作目の和製ドラゴン・倉田保昭が(別人として)再登場する三作目(少林寺必殺舞扇拳)(詳しくはこちら)、

そして、番外編的な(少林ブラザース)へと続いていきます。

ただ、監督と主演のコンビは継続して(3部作は)、同じ主人公が活躍するシリーズ作品ながらも、特に物語を継承しているシリーズではありません(一応本作の冒頭に前作の名場面は入りますが)ので、

ほとんど、それそれが独立した物語とも言えるようなシリーズ展開となっています。

主演のメン・フェイは前作の出演から、本作の間にショウブラザース社製作の(続少林寺列伝)や、(カンフー十八羅漢陣)(詳しくはこちら)等の

様々なカンフーアクション作品に出演し、まさに人気急上昇中の期間を経ての本作出演となっていますので、

まだまだデビューしたての新人だった一作目と比べると、外見から漂う風格も(年齢的にも)かなりの貫禄で、フレッシュな新人扱いっぽい感じの前作とは違い、

キャラクター自体も、ショウブラザース製作の(嵐を呼ぶドラゴン)で同じ方世玉を演じた薄命の貴公子アレクサンダー・フーシェンが演じたキャラクターイメージに寄せたような、

(嵐を呼ぶドラゴン)より  アレクサンダー・フーシェン

若干上から目線の白い服に身を包んだ青年紳士武道家、という、前作のはねっ帰りの悪ガキイメージとは異なる主人公像へと変更されています。

共演のタン・トウリャンは、本作と同年にジャッキー・チェンがその後に繋がる注目を浴びた若きジョン・ウー監督作(少林門)に主演し、

タン・トゥリャン(ディロン・タン)

さらに(カンフーコップ)等のジュディ・リー主演作品(火焼紅蓮寺)等にも出演していますので、まさに大ブレイク中の時期の作品となっています。

ヒロインは(カンニングモンキー天中拳)や(少林寺木人拳)等の初期ジャッキー作品や、(少林寺への道3)(詳しくはこちら)等、

多くのカンフー作品でヒロインを演じているロン・ジェンエール(ドリス・ロン)で、本作でも主人公に想いを寄せる健気なヒロインを好演しています。

ロン・ジェンエール(ドリス・ロン)

ラスボス役は(少林寺への道)や同3、4等のジョセフ・クオ作品に出演している事が多いルー・ピンで、

華麗なアクションという感じではありませんが、存在するだけで漂う威圧感で、主人公を追い詰めていきます。

ルー・ピン

さらにラスボス宅の給仕として存在しながらも、後半展開のある役柄で、(香港版 プレイガールヤムチャガールズ)(詳しくはこちら)等のイーグル・リーが登場し、

少しですがアクションも披露しています。

イーグル・リー

そこにウェイ・ピンアオ等、台湾系お馴染みのキャストが加わって作品世界を深めて行っています。

ウェイ・ピンアオ

因みに、中国版ポスターには和製ドラゴン・倉田保昭が登場して激闘を繰り広げるイメージですが、回想シーンでの前作シーンの流用となっていますので、

本作だけでしっかり登場するという事はありません。

(武道大連合 復讐のドラゴン)より 和製ドラゴンは出演していません、、。画面には少し映りますが、、、

一応、前作と繋がるように、その回想シーンで流れる前作のクライマックスシーンに、その試合を観戦しているタン・トウリャンをワンカットだけ挿入していますので、

前作で戦いは終わったけれども、そこで新たな挑戦者が勝負を挑む決意をしている、という流れで本作に繋がるようになっています。

そんな前作から一応繋がっている人気シリーズの第二弾である本作の物語は、前作で父親の仇を討って華麗な青年拳士へと成長したフォン・サイヨが、叔父の下を訪ねるシーンから始まります。

道中、強い奴と戦いたくてしょうがないタン・トウリャン演じるカオ・リーの挑戦を上手くスルーしながら、

叔父の下に辿り着いたサイヨは、叔父が経営する採掘会社が、その地区一帯を牛耳る権力者ツァオによって、仕事を奪われた上に、

楯突く者には有無を言わさず暴力で押さえ、それでも歯向かう者は、命さえも奪う、というとんでもない横暴に悩まされている事実を知ります。

で、勿論正義の英雄フォン・サイヨが身内が困っている時に見過ごせるはずもなく、早速その悪漢を倒す計画を練ります。

で、本作はここからがメインの展開で、この悪漢の屋敷にサイヨが召使として潜入し、悪漢を守る4人の用心棒と戦いながらラスボスを狙う、という流れになっていきます。

で、ここからの物語展開自体は、かなりシンプルで、この邸宅を舞台に召使としてドン臭いズッコケ芝居をあえて披露し、

4人の用心棒達を、完全に油断させながら一人一人呼び出して、勝負を挑んで命を奪っていく、という見方によっては、

正義のヒーローであるはずのフォン・サイヨが、まるで連続殺人犯(実際そうなのですが)のようにメインの登場人物を次々と手にかけていく、

というカンフーサスペンスのようなダークな流れとなっていきます。

そこに、旅の途中で、顔見知りになっていた勝負したくてしょうがないタン・トウリャンも、悪漢宅の5人目の用心棒として登場し、

フォン・サイヨの正体を明かす、明かさない、のサスペンスも加わっていきます。

この立場の違う二人のやり取りは、非常に緊張感があって良いのですが、

爽快なイメージのフォン・サイヨが夜な夜な(悪人とは言え)人を殺害していく、という陰鬱なストーリーが、何故メインになったのか?は謎ですが、

もしかすると、本作と翌年に公開された(少林寺必殺舞扇拳)との撮影は実際は同時期で、同じ出演者で同じキャラクターの活躍を描いている、

という類似性を回避するために、あえて舞台を限定した暗めのダークな内容にしたのかもしれません。

内容的にも色んなシチュエーションで、ロケやセットも豪華に使用し、キャストも豪華な3作目と比べると、

本作は、ほとんど邸宅のセットでの暗いドラマがメインで、キャストの薄さを補うために前作のシーンを流用する等、

だちらかと言うと番外編的な雰囲気もありますので、(少林寺必殺舞扇拳)につなげるための前章という意味合いがあったのかもしれません。

ラブ・ロマンスも発展せず、、

で、ダークなストーリーは、クライマックスで色々と悲しい事実も発覚しつつ、一応悪人を倒す、というカンフー映画の王道展開で決着は着きますが、

まさかの最後の台詞が、

サイヨ『親友も、愛も失ってしまった、、、』

という、自身の行動を後悔している人しか言わないような台詞(英語版でも『友がいなければ、人生に意味がない』と同様の台詞を言っています)で幕を閉じる、

という、何故か後悔しか残らない、爽快感の無いラストシーンとなっています。

因みに、本作の原題は(疾風方世玉)です、、。

2人が戦いの果に友情を交わすシーンだけは爽やかです。

という事で、ストーリー的には、痛快カンフーアクションというより陰鬱カンフーアクション、という感じですので、

観る人を選びそうな作品ではありますが、同じ監督主演コンビの3部作の中間の変化球的な物語として鑑賞すると、3作目もより一層楽しめますので、

カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、本作、個人的に幼少期にテレビ放映されたバージョンの録画を今も所有していて何度も観返していましたが、

冒頭に表示される邦題タイトルが、、

ドラゴン小林拳)となっていたので、幼き日は、少林寺(拳)という文字は小林寺(拳)という表記でも、どちらでも良い、

と勝手に思い込んでいましたが、大人になるにつれて、ただの放送局側の間違いである事に気付きました。

【少林寺】という存在自体が、まだそれほど一般的ではなかった時代のミスですね、、。

作品情報

1976年製作 台湾・香港製作 カンフーアクション

監督 オー・ヤンチュン 武術指導 ラウ・カーウィン

出演 メン・フェイ、タン・トゥリャン(ディロン・タン)、ロン・ジェンエール、イーグル・リー、ウェイ・ピンアオ

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