【未公開カンフー映画】クレイジー・クロック(瘋狂大老千CRAZY CROOKS)95分

投稿者: | 2023年12月9日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

ディーン・セキとカール・マッカがバディを組み、仲間となった子度を救うため悪漢に立ち向かうズッコケ人情カンフーコメディ!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、ディーン・セキカール・マッカが主演した人情コメディ作品です。

それでは、まずはあらすじから、

妻のあまりの横暴さに、家を飛び出した針金シバは、金儲けのために街に向かう道中、貧乏チャトという男と出会い、詐欺師コンビを結成する。

偽札を使って街の有力者に詐欺を仕掛けた二人だったが、ドジを踏んで投獄されてしまう。

それでも、簡単に脱獄してしまう二人だったが、実は、詐欺を酢掛けた街の有力者も偽札を偽造している悪党で、

その証拠となる偽米ドル札1枚をくすねた二人の口を封じるために、偽札づくりの黒幕が暗殺者を差し向けるのだった!?

監督と出演を兼任しているのは、(燃えよデブゴン正義への招待拳)(詳しくはこちら)や、翌年に(悪漢探偵)で現代アクションのブームを創り出していく事になるカール・マッカで、

いつものようにユニークな役柄を演じています。

カール・マッカ
カール・マッカ

で、本作の主役であり、製作総指揮も担当しているのは、(ドランクモンキー酔拳)や(スネーキーモンキー蛇拳)等、

カンフー映画のオトボケキャラでお馴染みのディーン・セキで、笑いの中に人情味を滲ませる独特の主人公を演じています。

ディーン・セキ
ディーン・セキ

で、最終的に主人公達と戦う事になるボス役で、(クレイジーパートナー)や(バイオニック忍者)(詳しくはこちら)等、

どちらかというとアクションよりコメディ要素でのキャスティングの多いアラン・チャンが登場し、笑いとアクションを両方担当して行きます。

アラン・チャン
アラン・チャン

で、子供がいなくなった事で、精神的に追い込まれる夫婦の夫役で、(マッドカンフー地獄拳)(詳しくはこちら)や、

斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等のチャン・ロンが登場し、暴れまわります。

チャン・ロン
チャン・ロン

で、夫婦の妻の役は、(老鼠街)(詳しくはこちら)や(養鬼)(詳しくはこちら)等のアニー・ラウで、

チャン・ロンとコンビで、主人公達に迫ります。

アニー・ラウ
アリス・ラウ

ゲスト出演も、後半になって大活躍する子役で、(ツイ・ハークのミッションポッシブル)等のチェン・インホーや、

チェン・インホー
チェン・インホー

本作の脚本も担当している(香港魔界境 死霊の呪文)(詳しくはこちら)等のレイモンド・ウォン

レイモンド・ウォン
レイモンド・ウォン

いつものレンガ割り、瓦割りシーンをセルフパロディ化するギャグで登場する、(カンフーハッスル)(詳しくはこちら)等のチウ・チーリン

という感じで、豪華なスタッフ・キャストが結集した作品となっています。

チウ・チーリン
チウ・チーリン

そんな本作の物語は、完全に奥さんの尻に敷かれている環境で、沢山の幼い子供達に囲まれて暮らすディーン・セキが、

一念発起で、家を飛び出すところから始まります。

で、街へ向かう道中で、早速カール・マッカに出会います。

ディーン・セキが乗る豪勢な自転車を奪おうと、カール・マッカが詐欺を仕掛けますが、ディーン・セキの方が一枚上手でカール・マッカが逆にぎゃふんと言わされる、

という感じで、二人はバディを組むことになります。

基本的には、このお互い詐欺師だけれどもディーン・セキの方が上手、という関係が持続して行きます。

同じ顔ぶれで製作された(Mr.ノーボディー)(詳しくはこちら)や、(燃えよデブゴン正義への招待拳)等もそうですが、

ディーン・セキは、カンフー展開以外の詐欺師展開では、他の共演者よりも優位的な位置にいるキャラクターが多く、

騙し合いの果に、騙し勝つ、という感じで、コミカルな詐欺師役がぴったりとハマっています。

対するカール・マッカも詐欺師ながらも、ディーン・セキには及ばない、という感じで、こちらも他の作品にも共通する、

威勢は良いけれども、結局最終的にズッコケて負ける、という、この時期の得意なキャラクターを演じ、

本作でもぴったりとハマっていて、2人で名コンビぶりを発揮しています。

で、街に着いた詐欺師コンビは、ギャンブル好きの街の有力者が、部下にサイコロの眼を想い通りに出す技術を学ばせて、

カモになる相手を探している、という情報を仕入れ、偽札の米ドルを作って詐欺をしかけ、大金を騙し取りますが、

結局保安隊長に捕まり、2人とも揃って投獄されてしまいます。

それでも、なんとか脱獄に成功した二人ですが、有力者からせしめた大金(没収されたが実は1枚くすねていた)も、実は偽札という事に気付きます。

で、偽札作りの証拠となる一枚の偽米ドルを取り戻すために、有力者の犯罪の元締めとなるアラン・チャンと二人の部下が、

詐欺師コンビを追い回す、というのがメイン展開となっていきます。

ただ、本作カンフーがメインではなく、主演コンビのズッコケ詐欺師ぶりがメインで描かれていく作品ですので、

一本筋が通った物語ではなく、ドタバタの勢いに任せてあっちへ行ったり、そっちへ行ったり、という感じで、

ブレ続ける物語で、中盤からは、このコンビの物語に、チャン・ロンアニー・ラウの子供を失った夫婦の大あばれ展開や、

孤児役チェン・インホーとの人情展開等、色んな要素が加わっていきます。

で、ドタバタとやりながら、最終的に成り行きで殺し屋一派に捕まったチェン・インホーを救うために、

ズッコケコンビが人情味を発揮し、救出大作戦を決行する、というのがクライマックスの展開となっていきます。

基本はドタバタコメディですが、このラストバトルだけはずっこけカンフーバトルといった感じで、(燃えよデブゴン 正義の招待拳)や(Mr.ノーボディー)のような、

クラシックなカンフーバトルの枠を超えたコメディチックな喧嘩カンフーバトルが繰り広げられます。

デススタントが少な目の(ドラゴンロード)という感じでしょうか。

という事で、翌年以降のシネマシティ社の快進撃の準備作品のような脱カンフー映画の影響も見え隠れするこの時期の、

香港映画特有の勢いを感じられる作品となっていますので、香港映画好き、コメディ映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1980年製作 香港製作 カンフーコメディ

監督・製作 カール・マッカ 製作総指揮 ディーン・セキ 脚本 レイモンド・ウォン

出演 ディーン・セキ、カール・マッカ、レイモンド・ウォン、アラン・チャン、チャン・ロン、アニー・ラウ、チェン・インホー、チウ・チーリン

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