【推薦!香港映画】インビジブル・スパイ(使徒行者2諜影行動LINE WALKER2 INVISIBLE SPY)98分

投稿者: | 2021年3月9日

お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆

ニック・チョン、ルイス・クー、フランシス・ン共演の裏切り者捜査アクションは、後半にかけて熱き男たちのドラマが炸裂する久々の男泣きドラマ!!

作品紹介

2021年2月5日公開

今回ご紹介するのは、香港映画お得意の、警察VS犯罪組織の裏切り者を探し出すサスペンスアクションです。

それでは、まずはあらすじから、

拉致した子供をスパイとして育て、警察組織に潜入させる国際テロリストが暗躍する中、

香港警察はテロ組織壊滅のために、チームを編成する。

保安部のジェン(ルイス・クー)、元潜入捜査官のチェン(ニック・チョン)、そしてチェンの上司であるイップ(フランシス・ン)は、

テロ組織壊滅に向けて捜査を開始するが、そのチームにはテロ組織側の裏切り物が紛れ混んでいた、、!?

ニック・チョンとルイス・クーは相性良いですね。

ダブルサスペクト疑惑の潜入捜査官)から続くシリーズ第2弾です。-

ですが、監督と主演の3人が再び揃って製作した潜入捜査官もの、という共通点だけを残して

全く違う物語と登場人物が活躍するシリーズ作品となっています。

前作は(LINE WALKER)という香港で放送されたテレビシリーズのスピンオフ的な映画版であったため、

人物関係などが把握しにくく、またテレビドラマを基にしているだけあって、どちらかというとソフトなイメージの

悪く言うと能天気な感じの漂うちょっと軽めの作品となっていました。

そこで、本作においては、同じスタッフ・キャストで仕切り直した新たな潜入捜査官もの、

という事で雰囲気もまるで違いますので、2という文字は無視して独立した香港ノワール作品として鑑賞するのが正解のようです。

また、本作はあの(少林寺三十六房)や(嵐を呼ぶドラゴン)などを製作した名門ショウブラザーズ社が製作したアクション大作となっていますので、

色んな意味で話題が集中している豪華な作品となっています。

で、内容ですが、基本的には香港映画の一つのジャンルとなっている潜入捜査官ものを基にした物語、となっています。

それをニック・チョンルイス・クーを中心に描き、そこにフランシス・ンも絡んでくる、といった展開です。

この前半のガンアクションだけでもクライマックス級の展開です
フランシス・ン参戦!!

子供を拉致誘拐し、そのままテロリストとして育てて、各国の警察組織に潜入させる、という国際テロ組織と香港警察の激闘が描かれます。

冒頭で、その事件が描かれ、少年二人が誘拐されそうになり、抵抗の末に結局一人だけが誘拐されてしまいます。

その誘拐された子供の成長した姿が3人の登場人物の内の誰か、という部分が本作のメインのサスペンス部分になっています。

警察内部の裏切り者は誰だ?という展開です。

本作の製作は(インファナルアフェア)のアンドリュー・ラウですので、潜入捜査官ものや、男のドラマは本領発揮といった感じで、サスペンス部分が非常に盛り上がる展開となっています。

主演3人の好演も光り、鑑賞している間中、誰が裏切り者か本当に分からない、男臭さと、ちょっとした妖しさを全員醸し出します。

で、各キャラクターが腹の探り合いをする中、後半にかけて怒涛のカーアクションシーンへと突入します。

その舞台はまさかのスペインの牛追い祭りです。

完全に祭りが開催されている街中でカーアクションが展開され、観客の想像力を遥かに越えた決着の仕方となります。

この牛追い祭りシーンは非常に良くできたCG合成のようですが、ある程度は現地でも撮影されていると思われますので、

まず、その状況でカーアクションを展開しようという発想が物凄いです。

街中で暴走中
牛と車が並走中
物凄い状況です

はっきり言って、急にスペインに舞台を移すので、物語上どうしてもその状況で撮影しなければならないという必要がないのに、あえてそこで撮影されています。

この辺りの勢いは、香港映画の底力と、アクション監督、チン・カーロウのスキルの高さに唸らされます。

本作のアクションはどのアクションをとっても非常にハイレベルで、妥協のないデススタントアクションと、男臭いドラマがバランスよく噛み合っています。

怒涛の牛追い祭りの後のギリギリの状況の中での最後のアクションも非常に盛り上がり、

このクライマックスの展開でのニック・チョンルイス・クーの男のドラマが非常に秀逸で男泣きマックスな展開になります。

ついでに、それまでの種明かしなどもテンポ良く挿入され、ニック・チョンのそれまでの感情が爆発するシーンに涙腺が緩みます。

さらに、本作登場以来ずっと能面のように表情を崩さなかったルイス・クーが,自分の死を覚悟し、

ここで初めて涙と少しの笑顔を浮かべながら最後に言う台詞が、本作の一番のクライマックスとなっています。

ルイス・クーの怪しい魅力!!

久々にチョウ・ユンファが主演していた頃の香港ノワールの遺伝子を受け継いだ作品の登場ではないでしょうか。

という事で、前作が軽すぎて正直個人的にはあまり楽しめなかったので、期待せずに鑑賞したのですが、

思いのほか男泣き展開の熱いドラマとなっていますので、そういった作品がお好きな方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

結構泣けますよ。

後半の無茶苦茶カーアクション。その発想はなかなか浮かばないですね。

作品情報

2019年製作 香港・中国製作 ポリスアクション

監督 ジャズ・ブーン 制作 アンドリュー・ラウ アクション監督 チン・ガーロウ 音楽 波多野裕介

出演 ニック・チョン、ルイス・クー、フランシス・ン、ホァン・チーチョン、ジャン・ペイヤオ

男臭い作品ですけど、ちゃんと女子も活躍します

その他の香港現代アクション作品

アンディ・ラウとルイス・クー共演の麻薬捜査に纏わるドラマ(ホワイトストーム)はこちら

レディーススクワッドアクションに警察復讐ものをブレンドした激烈アクション作品(THEフェイタルレイド)はこちら

(欲望の街)シリーズのメンバーが再び集まり、チン・ガーロウがアクション監督を務めた(ゴールデンジョブ)はこちら

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