カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
カサノバ・ウォン、メン・ユエンマン、チン・シュウトン、ヤム・サイクン、エディ・コーと豪華カンフースター共演、超絶アクション満載のコメディカンフー作品!!
作品紹介
豪華キャストが共演した超絶アクションが連続するカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
高額な金品を護送する任務を行う【鏢局】の責任者、チョンが骨董店に呼び出され、高価な翡翠の置物を預かって17日後に依頼者リャン宅に送り届ける依頼を受ける事になる。
完璧に置物入りの箱を守り抜き、17日後にリャン宅に送り届けたチョンだったが、確認のために空けた箱の中身は無くなっていた。
この事実を受け入れられないチョンは、精神的に追い込まれてしまう。
その数日後、チョンが訪れた食堂で、リーとリョンという博打好きの若者二人に出会ったチョンは、その事件がイカサマトリックを使った詐欺だという事を知らされるのだった!?
豪華キャストが共演するカンフーアクション作品です。
監督は1950年代から(武則天)や(飛燕金刀)等で女優として活躍しつつ自身の製作会社【パークフィルムズ】を起ち上げ、
監督として本作や、ジミー・ウォング主演の(戦国水滸伝 嵐を呼ぶ必殺剣)、(翡翠狐狸)等を製作している才人カオ・パオシューで、
本作以降は和製ドラゴン倉田保昭と共演した(孽種)を監督も担当しています。
主演は、無鉄砲な博打好きの若者役で、(カンフー仁義 復讐の刃)やユン・ワーと共演している(悪爺)等のメン・ユエンマンと、
本作や(出笼马骝)等のカンフー作品に出演した後に(チャイニーズゴーストストーリー)や、(テラコッタウォリア)(詳しくはこちら)等で監督、アクション監督として大ブレイクしていく事になる
初々しい外見の頃のチン・シュウトン、
という二人のコンビが超人的な身軽さで、名アクションシーンを繰り広げていきます。
因みに、チン・シュウトンは、本作で武術指導も担当しています。
この二人のカンフーコンビだけでも、十分魅力的ですが、そこに物語上の重要人物として(燃えよデブゴン10友情拳)(詳しくはこちら)や、
(ブルース・リの復讐)(詳しくはこちら)等の韓国出身のハイキッカー、カサノバ・ウォンが登場し、エキセントリックな演技と凄まじい超絶アクションで、
主演二人を喰ってしまうぐらいの勢いの怪演で、物語を盛り上げていきます。
この主人公側3人に対して、悪の限りを尽くす悪党役で、(クレージーモンキー笑拳)や、(醒拳)(詳しくはこちら)、
(スォーズマン女神伝説の章)等の悪役で知られるヤム・サイクンが登場し、強敵3人を相手に激闘を繰り広げています。
そこにさらに、ヤム・サイクンを追う役柄の裏世界の男役で、(妖怪道士)(詳しくはこちら)や、(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)、
そのリメイクである(バトル・オブ・ダンジア魔獣大戦)(詳しくはこちら)、(秘法睡拳)(詳しくはこちら)等のカンフー作品で知られる
エディ・コーが登場し、ロン毛を振り乱しながらヤム・サイクンに勝負を挑んで行きます。
さらに、この主要な四名のカンフースターに、中盤以降、エディ・コーと共にヤム・サイクンに勝負を挑む役柄で、
チン・シュウトンとは(出笼马骝)でも共演し、アンディ・ラウ主演の(マジッククリスタル)にも出演している、
ウォン・メイメイが登場し、女性ながらもヤム・サイクンと激闘を繰り広げていきます。
さらには、物語上、全然必要の無い寄り道的なカンフーの師匠役でジャッキーの(酔拳)や(蛇拳)、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)等の有名カンフー作品で、
脇役としてよく登場するリー・チウチュンや、ユエン・モウ、トニー・リョン等カンフー映画でお馴染みのキャストに、
ヒロイン役として、(燃えよデブゴン)(詳しくはこちら)や、(燃えよデブゴンお助け拳)等のサモ・ハン作品や、
(Mr.ノーボディ)(詳しくはこちら)、ジョイ・ウォン主演の(チェイス・フロム・ビヨンド)(詳しくはこちら)等の話題作で活躍しているメグ・ラムが登場し、
本作では善良なお姉さん的なキャラクターを可憐な魅力で好演しています。
そんな、かなり豪華なスタッフ、キャストが揃ったカンフー作品の物語は、カサノバ・ウォン扮する【鏢局】(高額な金品の護衛や護送任務を行う会社)の責任者チョンが、
ヤム・サイクン演じる依頼主から、骨董店で購入した大変価値のある翡翠の馬の置物を入れた箱を預かり、17日後にヤム・サイクンの自宅まで送り届ける、
という任務を受けるところから始まります。
非常に価値のある置物なので、扱いが大変ですが報酬も高額なので、その任務を受ける事になります。
で、カサノバ・ウォンは、結構神経質な性格だったようで、任務中の17日間は、その箱を後生大事に肌身離さず守り抜き、
いよいよ17日後にヤム・サイクンの屋敷に行って置物入りの箱を渡して開けてみると、、、、。
という感じで、冒頭でいきなり任務に失敗した神経質なカサノバ・ウォンが、完璧に任務をこなしたはずなのに、
翡翠の馬の紛失によって、高額な賠償金を支払わされて、心神喪失状態になってしまう、という大変ショッキングな展開から本題に入っていきます。
で、置物消失の謎を残しながら物語は進む、、、と思われましたが、本編の主人公であるインチキ賭博好きの若者二人、メン・ユエンマンとチン・シュウトンコンビが登場し、
既に精神が不安定になっているカサノバ・ウォンと出会う事で、あっという間にその謎が解明されます。
仕掛けは簡単、骨董店に呼ばれて翡翠の馬入りの箱を預かった際に、その箱を置いていた机に物を置いたら下に落ちる仕掛けがあって、渡した時から既に中身は抜かれていた、
というヤム・サイクンと骨董店店主が結託し単純なトリックでした。
普段からインチキ賭博で同じ手を使っている二人だからこそ簡単に見抜けたトリックというわけです。
しかし、これを聞いたカサノバ・ウォンの心神喪失状態はさらに悪化してしまいます。
で、その話を聞いた若者コンビは、可哀そうなカサノバ・ウォンのため、そのインチキ骨董店に向かいます。
で、その骨董店に行ってみると、骨董店の店主とエディ・コー、ウォン・メイメイが何やら揉めている現場に遭遇します。
どうやらヤム・サイクンは、色んな所で詐欺や裏切りを働いていた大悪党のようで、恨みを持つ人が沢山いるようです。
で、そんな揉め事を尻目に、骨董店店主を連れ出した二人は、店主を問い詰めます。
するとやはり、グルだった事が分かりますが、決定的な事を話す前にヤム・サイクンの刺客に店主の命が奪われてしまいます。
ここで、足取りがなくなった、という事で、主人公達も映画的にも、完全に諦めたように脱線、寄り道が始まります。
この脱線が結構長く、しかもしっかりした脱線になっていて、道端で出会った老人が、まさかのリー・チウチュン演じる蘇化子で、
2人そろって弟子入り、暫くカンフーを習う、という、それまでの流れを一旦リセットした物語が始まってしまいます。
訓練の日々と師匠のご機嫌を取るために酒を盗む、という行為の連続ですが、とりあえずヤム・サイクン、カサノバ・ウォン、
そして若者二人を心配しているメン・ユエンマンの従妹である食堂経営者のメグ・ラムという本筋の登場人物の事も一応は描かれますが、
主人公の目的がとりあえずカンフーを習う事にいなってしまっていますので、盗みと訓練の日々がメインで描かれます。
ただ、やはり寄り道ですので、師匠との別れが唐突で、訓練の日々に嫌気がさした二人が、師匠に怒られた拍子に修行を止めて、
師匠に蹴りを入れて逃亡する、
というあっさり感で、修行展開は終了し、師匠もそれ以降は登場しなくなります。
で、またインチキ賭博を再開すると、例によって揉め事になり、ひと悶着あったところで、骨董店店主から奪っていた財布からヤム・サイクンの記名入りの指示書が見つかります。
その名前は【梁通天】。
カサノバ・ウォンを陥れ、他の人にも詐欺や、裏切り行為等で設けている男の名前は分かりましたが、
人相の分からない二人には、未だ謎の梁通天を特定できない、というところで、若者二人が自身に探りをいれているという事をしったヤム・サイクン(梁通天)が、
逆に二人の息の根を止めようと、二人に挑戦状を送り付けてきます。
で、悪党の正体を知る唯一の人物、心神喪失中のカサノバ・ウォンを率いて最後の決闘に向かう、という流れになっていきます。
とにかく、ストーリーが行ったり来たりで、カサノバ・ウォンが主役のように始まった物語が、あっさりメン・ユエンマンとチン・シュウトンコンビに移ってしまったり、
さっき出会ったばかりのカサノバ・ウォンに簡単に協力(といってもお金の匂いを感じ取ったから、という理由もありますが)したり、
寄り道で醉拳ストーリーが始まったり、重要人物っぽく登場するエディ・コーとウォン・メイメイが、それほど活躍しなかったり、
という感じで、一本筋の通らないブレるストーリーではありますが、これだけの超絶アクションが売りのカンフースターが共演しているアクションが面白くないはずもなく、
カンフーアクションシーンになる度に、誰も真似できないような超絶アクロバティックアクションの連続となります。
特に一生続けられそうなメン・ユエンマンの連続バック転等のとにかく、くるくると廻る素晴らしい技(勿論近年の中国作品のようなワイヤーワークでのくるくるではありません)や、
同じく、神業レベルに身軽なチン・シュウトンの見栄えのするアクション、その二人に割って入るように乱入する(心神喪失状態なので)カサノバ・ウォンの凄まじい連続キック
という感じで、主演3人のそれぞれの持ち味を活かした名シーンの連続となっています。
勿論、それを受けるヤム・サイクンの素晴らしいアクションや、脇役ではありますが、ロン毛が渋いエディ・コーと、
恐らく善人ではない裏世界の女性役(詳細は描かれません)であるウォン・メイメイや、寄り道醉拳のリー・チウチュンのアクションも見所満載となっています。
特に、その後アクション監督として大成し、今現在でも(ジェイドダイナスティ)(詳しくはこちら)等の監督作を手掛けるチン・シュウトンの
若き日のカンフースター時代(と言っても本作でも武術指導は担当していますが)の身軽過ぎるアクションを堪能できる貴重な作品となっていますので、
カンフー映画好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみては、いかがでしょうか。
作品情報
1980年製作 香港製作 カンフーアクション
監督・製作・脚本 カオ・パオシュー 武術指導 チン・シュウトン
出演 カサノバ・ウォン、メン・ユエンマン、チン・シュウトン、ヤム・サイクン、エディ・コー、メグ・ラム、ウォン・メイメイ、リー・チウチュン、シャム・チンボー、トニー・リョン、ユエン・モウ、ツァン・チョーラム、チャン・ラッバン
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