おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
サモ・ハンキンポー主演、リッキー・ラウ監督による（霊幻道士）元祖シリーズ（妖術秘伝鬼打鬼）の正式続編となるホラーアクション！！キョンシーも登場します！！
作品紹介
今回ご紹介するのは、サモ・ハンキンポー主演によるホラーコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
道士の弟子として生活しているポウ（サモ・ハンキンポー）は、婚約者のチュウに言い寄る富豪のドラ息子シイの存在に悩まされていた。
そんな中、シイは邪悪な呪術師を雇い、呪術によってポウの命を奪う計画を実行する。
呪術に必死に対抗するポウだったが、ついに呪術によって、幽体離脱状態となってしまい、夜明けまでに体に戻らないと命を失う危機に陥るのだった！？
サモ・ハンキンポー監督・主演の大ヒット作（妖術秘伝鬼打鬼）の続編となるゴーストコメディ作品です。
続編ではありますが、同じような設定と物語展開という共通点だけで、ストーリー自体は無関係の作品となっています。
さらに本作は（霊幻道士）の基になった1作目製作から年数が経ち、その間にキョンシーブームも到来していますので、
逆に（霊幻道士）の影響の濃い作品となっていて、師匠役のラム・チェンインとその弟子二人の関係や、
妖怪退治をこなしていく展開、前半のキョンシー騒動等、（妖術秘伝鬼打鬼）の続編というよりむしろ（霊幻道士）シリーズと言っても良いぐらいに
キョンシーものの雰囲気を持った作品となっています。
監督は（霊幻道士）の監督リッキー・ラウという事で、サモ・ハン作品で有名になった監督によるお得意のジャンルの作品となっています。
さらに、本作は（霊幻道士）の影響もさることながら、メインとして登場するゴーストの悲しい物語などは（チャイニーズゴーストストーリー）等の物悲しい幻想的な武侠ファンタジーの要素も
見受けられますので、色んなブームの後の総括としてサモ・ハンが自身の製作会社で製作した作品となります。
香港映画的に言うと色んなヒット作の設定を頂いた、という事にもなるのですが、これがアクションや怪奇ホラー、コメディ、と
色んな要素がバランス良く組み合わさった見ごたえのある作品となっていますので、流石重鎮サモ・ハン作品といった完成度になっています。
物語は、ラム・チェンイン道士の弟子のサモ・ハンが、将来を誓い合った女性チュウの間に割って入るようにしつこく迫る金持ちのドラ息子とのいざこざから始まります。
このドラ息子が曲者で、なんとかポウを自分のものにしようと親しい霊術師に頼んで、妖術による策略を巡らします。
それに気づいたサモ・ハンと兄弟弟子であるマン・ホイは協力して霊術師に立ち向かいますが、霊術師の強力な力によってサモ・ハンの魂が抜き取られてしまい、
どうしようもなくなって、いよいよラム・チェンイン道士が登場する、という流れになっていきます。
で後半はラム・チェンイン道士と霊術師との妖術合戦となっていくのですが、この辺の展開が、しっかりと（妖術秘伝鬼打鬼）の流れを踏襲していて、
なかなかに盛り上がるクライマックスとなっています。
その妖術合戦の合間に挿入されるカンフーアクションも素晴らしく、熟練のサモハンアクションチームによる格闘アクションとワイヤーワーク、
そして適度に挿入される特殊効果等がバランス良く融合されていて、ファンタジーアクション系の作品の中でもかなりハイレベルなアクションの連続となっています。
さらに本作は（妖術秘伝鬼打鬼）から続く、怪奇ホラーの要素も受け継いでいる作品ですので、おどろおどろしい雰囲気も兼ね備えていて、
その部分を追求するためなのか、どうかは分かりませんが、サモ・ハンがやたらとジメジメしたころに生息する漫画（テラフォーマーズ）に登場した敵と同種の小さい敵たちを
体中に這わせたり、等背筋がぞくっとするようなシーンが数回に渡って展開されます。
既に結構なベテランで自身の製作会社で製作している作品で、その体当たりなシーンへの挑戦は凄いことだとは思いますが、
正直それほど物語に絡むようなシーンでもないので、ご鑑賞予定でそういうシーンが得意ではない方は、勇気を持って早送りが必要かもしれません。
という事で、色々と見所いっぱいの作品ですが、個人的にはキョンシーもの、カンフーアクションもの、悲しいゴーストもの、
特殊効果妖術合戦もの等の色んな要素の作品の一つの到達点と言っても過言でないぐらいの完成度だと思っていますので、
機会がありましたら、是非ご鑑賞ください。
できれば、この同スタッフ・キャストで続編が観たかったですね。
【鬼吞鬼】なんかどうでしょうか。
作品情報
1989年製作 香港製作 ホラーコメディ
監督 リッキー・ラウ 製作総指揮 サモ・ハンキンポー
出演 サモ・ハンキンポー、ラム・チェンイン、マン・ホイ、ウォン・ハー、イップ・ウィンチョウ、ミミ・クン、ジャニス・オン
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