おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
五万人以上のエキストラとスタントマンで描く、凄まじいデススタントアクション連続の超大作アクション!!
作品紹介
1988年1月15日公開
今回ご紹介するのは、中国映画界が拒否を投じて製作したデススタント満載のアクション超大作です。
それでは、まずはあらすじから、
1930年、中国、シルクロードの村に住むタンは、ある日、蜃気楼の中に美女の幻影を観る。
その美女に運命を感じたタンは、親友のマオを引き連れて過酷な旅に出かける。
しかし、目的地まで着いたタンを待っていたその美女は、冷酷な盗賊団の首領で、悪事の限りを尽くしていたのだった!?
1987年当時の中国映画界が香港映画界と協力して製作した超大作バトルアクション作品です。
人民解放軍協力の元、軍の関係者3万人、エキストラ含むスタントマン1万2千人を動員して全編ロケ撮影で完成させた話題作です。
日本でも公開当時は結構な超大作扱いで、(西太后)シリーズ等と並んでド迫力の宣伝が展開された作品になります。
物語自体はシンプルで、砂漠の蜃気楼に美女の姿を見た冒険カメラマンが、その美女に一目惚れし、速攻で友達を連れて会いに出かける、
というシルクロードを命がけで大勢で旅をするにしては、割と薄めの理由ですが、とにかく会いたい一心で大勢で旅に出ます。
ストーリーは特に捻りもなく、シンプルな旅路の果てに巡り合えた美女は盗賊団のボスだった、という割とあっさりした展開で、
そこからの惚れたはれたなどのラブ要素はほとんどなく、あっさりと敵味方に分かれて戦う事になります。
今の中国映画でしたら、絶対に男女のラブ展開からの女子が悲劇に合って、男子が戦いに燃える、みたいな悲恋ものになりがちですが、
本作製作当時は、そんな歯の浮いた展開には一切ならずに、ひたすら超ド級のアクション展開へと突入していきます。
本作の魅力は、この凄まじすぎるアクションの連続にあります。
とにかく凄まじいです。
今まで多くのアクション映画を鑑賞してきましたが、表現方法はどうあれ、CG等の映像表現を加えることなく、生身のスタントアクションのみ、
という事になれば、なかなか本作以上のスタントアクションも少ないのではないか、というぐらいに凄まじいアクションの連続となっています。
特に本格的な盗賊団との戦いが展開されだす中盤以降のアクション(美女に実際に会って以降のアクション)は、あまりのデススタントぶりに死傷者が出ているのでは?
と思うぐらいに凄まじいアクションが繰り返されます。
しかも、そのデススタントの数々で一番危険度が高いと思われるアクションを監督・原案・脚本・スタント監修のツイ・シウミン自らが率先してこなしています。
乗っているジープと共に崖からダイブしてロープにぶら下がったり、
大爆発寸前に建物の2階からダイブして、そのまま地面にたたきつけられたり、
自身の身体に火をつけて、割と炎に包まれる時間をゆっくりとりながらバイクにまたがり、走りまわる、
という凄まじいいスタントを自らこなしています。
火に包まれるスタントは、観ていて大丈夫か?と心配になるほどの凄まじさです。
1987年当時と現在では映画に対する製作体制が違うとはいえ、あのジャッキー・チェンの凄まじいスタントアクションの数々が下手したら霞んでしまうぐらいに凄まじいです。
しかも、そういう物凄いスタントが1回か2回ラストに待っている、とかならまだ分かりますが、ずっとそういう、大丈夫か?アクションの連続で、
とにかくどれだけ危ない目に合うか?の比べ合いのようなアクションの連続となっています。
むしろあまりの凄いアクションの連続過ぎて、ちょっと疲れるぐらいです。
ただ、物語上割と重要そうな主人公が常に身に着けている赤いスカーフの理由等、
旅の途中で明らかになりそうなエピソードがそのまま放置されていたり、美女のツンデレ度合いが唐突だったり、
という感じで、何かの理由で90分という上映時間にする必要があったようにも見受けられますので、もしかすると本来はもっとドラマ部分が存在して、
アクションとドラマのバランスも良く、もっと鑑賞しやすい作品だったのかもしれません。
それでも、アクションの凄さは変わらないのですが。
監督で出演もしているツイ・シウミンと主演のユーロン・グァンのコンビは1985年に同コンビで製作された少林寺アクションの傑作(少林寺 激怒の大地)でも既に息の合ったところを見せていますので、
本作での素晴らしい体を張ったアクションシーンが実現できたのではないでしょうか。
それぐらいに信頼関係がないと成立しなさそうな作品となっています。
という事で、ストーリーはさておき、アクションに関しては、見逃せない作品となっていますので、機会がありましたら是非ご鑑賞ください。
因みに(嵩山少林寺)で主人公を演じているファン・タンユーが脇役ながらも目立つアクションを披露しているのも見逃せません。
それにしても、こういう作品を製作していた中国映画界が、今やそのほとんどが、直立不動の吊られワイヤーマペットアクションしか製作していない、
というのも寂しいかぎりですね、、、。
作品情報
1987年製作 中国・香港製作 アクション
監督・原案・脚本・スタント監修 ツイ・シウミン
出演 ユーロン・グァン、ツイ・シウミン、ファン・タンユー、パサ・ロマー二、コニー・クァン
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まぁくさん、こんにちは。
「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原です。
「天山回廊 ザ・シルクロード」!
まさか、この映画を詳しく説明する人がいるとは。世の中捨てたもんじゃないですね。
それにしても、これはため息がでるほど、すごい映画でしたねえ!
何十年前に観たきりですが、ぼくにとっては、いまだに忘れられない青春の1本ですよ。
たしか、オートバイが滑りながら馬の群れに突っ込んだりしてましたね。あれ、絶対馬は骨折してますよね。しかも、映画のストーリーとしては対して重要な場面でなかった
まぁくさんが紹介している「ジープ(もちろん運転手が乗ったまま)崖からジャンプ!」を観てしまうと、「プロジェクトA」の時計台のシーンはなんだんたっだと・・・(遠い目)
一緒に観ていた友達が「もうわかった、わかったから(アクションを)止めてくれ~!」と突っ込むくらい、しつこくアクションが続く濃厚さがたまりません。
そのくせ、まぁくさんが突っ込んでいる通り、せっかくのアクションも映画の完成度に寄与していないところがなんともまた・・・(笑)
この映画は、(ぼくの記憶が正しければ)中国人民解放軍が全面協力したと当時聞いたのですが、最後のクレジットで「第1465部隊」「第2532部隊」とか、とんでもない数字の部隊がでてくるんですよ。。。。何億人くらいの軍隊なのでしょうか。このへんもチャーミングです。
これはDVD化してほしいです。でも、無理なんでしょうねえ、いろんな意味で(笑)
S原さん、こんにちは!コメントありがとうございます!(天山回廊ザ・シルクロード)、凄い映画でしたね!確かに一度観るとなかなか忘れられない映画ですよね!この映画のスタントアクションの凄まじさ以上の映画ってなかなかないですよね!エキストラも、おしゃるように人民解放軍が協力しているようですね。それにしても凄い数の軍隊ですよね(笑)。エキストラの人数が多いので、乱闘シーンでかなりの人がバンバンと犠牲になっていっているのに、全然人数が減らないので、状況がずっと変わらない、というまるで戦争映画のようなアクションにやられてしまいました!それにしても、爆破の火薬量なども、絶対間違えているレベルな規模でしたね!これはご時世的にやっぱりDVD化は厳しそうですね、、出れば勿論購入しますが、、(笑)
中1の頃、テレビ(民放)の深夜映画でたまたま見ました。ストーリーはほとんど覚えておらず、蜃気楼とアクションがやたらと印象深く残っていました。大人になって、もしかしたら伏線や深みがある映画だったのかも、と思い見直してみましたが(YouTubeで発見)、やはりストーリー性は薄く、ただただアクションの連続に驚きました。結末も今どき珍しいアンハッピーエンディング。なかなかインパクトのある個性的な映画です。
いのさん、コメントありがとうございます!たしかに個性的な映画ですよね!私も、あの空に浮かぶ女性の蜃気楼のシーンが一番印象に残っています!ストーリーもその女性を求めて旅に出る、という非常にシンプルな展開でしたが、そのシンプル過ぎる物語を埋め尽くすような、危険度の高い(高すぎる)アクションが、当時の香港・中国・台湾映画の勢いを感じさせる作品となっていました!今の時代では、ちょっと色々な理由で実現でき無さそうなこの時代だからこそ実現できた作品ですね!