カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★★★
ユン・ピョウが初主演を飾り、相棒役にリョン・カーヤン、ラスボス役でラウ・カーウィンが登場し、サモ・ハンが助演・武術指導・監督とマルチにこなしたゴールデンハーベスト製作の傑作カンフーアクション!!
作品紹介
1980年1月19日公開
今回ご紹介する作品は、ユン・ピョウが初主演を飾ったサモ・ハン監督の傑作カンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
その日暮らしの詐欺師コンビ、サイポーとタイポーは、今日も詐欺で稼ぐため、食堂で静かに食事する老人から荷物を巻き上げようとするが、
実は、その老人はカンフーの達人で、逆にコテンパンにのされてしまう。
そのカンフーの素晴らしさに、老人に弟子入りを志願した二人は、自分達もカンフーの腕を上げていくが、
そんなある日、2人の男が師匠を訪ねて来た事で、サイポーとタイポーの運命は大きく変わっていくのだった!?
監督・武術指導・出演とマルチにこなしているのは、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)や(燃えよデブゴン 豚だカップル拳)(詳しくはこちら)と
同年のサモ・ハンキンポーで、数々の名作を一挙に製作していた黄金期の作品となっています。
で、本作で初主演となる主人公を演じるのは、(ツーフィンガー鷹)(詳しくはこちら)や(ユン・ピョウinドラ息子カンフー)(詳しくはこちら)等の
ユン・ピョウで、本作で常人離れしたアクションを披露しています。
で、その相棒ともなる兄役で、(燃えよデブゴン)(詳しくはこちら)や(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等の
リョン・カーヤンが登場し、主役のユン・ピョウをサポートしていきます。
で、中盤カンフーを教えて貰う師匠役で、(少林寺三十六房)や(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)等の
ラウ・カーウィンで、前半と後半で捻りの効いた役柄を演じています。
で、後半のラウ・カーウィンに勝負を挑む悪人役で、(少林寺武者房)(詳しくはこちら)や(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)等の
リー・ホイサンが登場し、激闘を繰り広げていきます。
で、同じく後半、ラウ・カーウィンに戦いを挑む役柄で、(蛇猫鶴混形拳)(詳しくはこちら)や(ポリスストーリー)等の
マースが登場し、体当たりアクションを披露しています。
で、主人公コンビが出会う警備隊長役で、(悪漢探偵)や(クレイジークロック)(詳しくはこちら)等の
カール・マッカが登場し、笑いの要素を加えていきます。
その他にも、ラム・チェンインやチョン・ファ、チャン・ロン、ビリー・チャン等、サモ・ハン作品お馴染みのメンバーが参加した豪華な作品となっています。
そんなスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、ある詐欺師コンビ(字幕では兄弟となっていますが、
以前リリースされた英語版では、ディーとダムという血のつながりの無い兄弟分という設定でしたので、
他人か兄弟かは微妙ですが、広東語版ではタイポー(大寶)、サイポー(小寶)と兄弟としか思えないような名前ですので、恐らく兄弟だと思われます)が、
金と現金の交換所の受付チャン・ロン相手に、得意の詐欺を働き、まんまと大金をせしめてしまうシーンから始まります。
で、ウハウハ気分で取り分の分配をしていると、その様子を影から見ていた路上生活者デブゴン(サモハン)がまんまと偽物の金を入れ替えて騙し取り、
さらに、その金は自分の懐にい入れるのではなく、他の路上生活者に分け与える、という義賊ぶりで、2人の詐欺師を打ち負かしてしまいます。
ただ、そのやり取りはそれで終了で、まだまだ詐欺る気まんまんの二人は、賭場へと繰り出しまんまと詐欺を成功させそうになりますが、
流石にプロ相手にそう簡単に行くはずもなく、詐欺を見破られ、袋叩きにされてしまいます。
で、それでも、まだまだめげない詐欺師コンビは、今度は食堂で、美味しそうな料理を食べている最中の大人しそうな老人(ラウ・カーウィン)を見つけて、
詐欺を仕掛けますが、逆に上手くやり込められてしまいます。
で、頭にきた(逆切れですが)二人は、食事を済ませた老人を襲おうとしますが、老人は実はカンフーの達人だったので、逆にコテンパンにのされてしまいます。
で、これは運命的な出会い、と捉えた二人は、ラウ・カーウィンを師を仰ぎ、弟子入りを志願します。
で、なんとか弟子入りを認められ、カンフーを指導してもらい、グングンと上達していっていたある日の事、
師匠の留守中にある二人が師匠を訪ねてやってきます。
実は、師匠の正体は、、、、、、、、
、、、、、というのが大体の大筋となっています。
あれ?サモ・ハンは?という感じですが、サモ・ハンが本作的に登場するのは、中盤詐欺師コンビに訪れる衝撃的な展開の後に、ユン・ピョウに猿拳を指導する師匠として登場する事になります。
これは恐らく、この時期の凄まじいサモ・ハンの繁忙期対策と、ユン・ピョウというまだ無名だった主演俳優を、
サポートする意味合いが強いと思われます(前半はリョン・カーヤンがサポート役で、後半はその役目をサモ・ハンにバトンタッチする感じです)。
ですので、前半は無軌道に生きる詐欺師コンビのズッコケ珍道中、中盤以降は、目的を果たすべく、修行を重ねて宿敵に戦いを挑むシリアス目のカンフーアクションという感じで、
大きく分けると二部構成のような物語となっています。
という感じで前半は、まだ本格的な武術訓練を受ける前ですので、カンフーシーンも少な目で、詐欺師コンビの無軌道物語が中心ですので、停滞感を感じてしまう方もいるかもしれまぜんが、
いざ、中盤以降のカンフーアクション展開に突入すると、停滞感も吹き飛ぶユン・ピョウの神業的なアクションの連続となっています。
ユン・ピョウが演じる全てのアクションが、他の人では再現できないような、物凄い身軽さと跳躍力を最大限に生かしたアクションに、
宿敵役のラウ・カーウィンも素晴らしいアクションで答え、サポート役のサモ・ハンも、しっかりと超絶アクションを加えて、名コンビぶりを発揮していきます。
それぞれが使用する技も素晴らしく、キセルを使いながら、蛇拳を混ぜていくような独特なスタイルのラウ・カーウィンの技に、
サモ・ハンとユン・ピョウの絶妙なコンビネーションの猿拳が激突し、クライマックスでは、修行シーンで登場した
縄跳びを飛びながら交戦する、というユニークな対戦方法で戦いを締めくくる、というカンフー映画史に残るような名勝負を繰り広げていきます。
因みに本作邦題が(モンキーフィスト猿拳)という事で、猿拳物語という感じですが、実際に主人公達が使用している拳法は、
垃圾拳(ゴミ拳)とサモ・ハンが説明するシーンがあって、恐らく色んな技の良い所を取っている雑食拳法的な意味で使われているようですので、
猿拳は、その色々取り入れた技の中の一つの技、という流れで登場しますので、猿拳の扱い的には、特に何も説明されずにあっさり目となっています。
原題や英題では猿拳のさの字も無く、内容的にも扱いがちょっと軽めですが、ここはカッコ良い邦題によって良い印象が付いた好例、という感じでしょうか。
という事で、カッコ良い邦題とカッコ良いアクション、カッコ良い宿敵に、カッコ良いサポート師匠が登場する、素晴らしいカンフーアクション作品となっていますので、
機会がありましたら、是非ご鑑賞してみてください!
作品情報
1979年製作 香港製作 カンフーアクション
監督・武術指導 サモ・ハンキンポー 製作 レイモンド・チョウ
出演 ユン・ピョウ、リョン・カーヤン、ラウ・カーウィン、サモ・ハンキンポー、リー・ホイサン、マース、カール・マッカ、ラム・チェンイン、チョン・ファ、チャン・ロン
↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画評論・レビューランキング
にほんブログ村