【推薦!】見えない恐怖 (SEE NO EVIL)89分

投稿者: | 2024年7月19日

おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆

盲目の少女が、正体不明の殺人鬼に狙われる、シンプルな設定ながらも、犯人の顔を映さない実験的なカメラワークで、緊迫感が最後まで持続する(ローズマリーの赤ちゃん)のミア・ファローの名演が光るサスペンスホラー!!

作品紹介

1973年4月21日公開

今回ご紹介する作品は、ミア・ファロー主演のサスペンスホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

事故によって盲目となった少女セラは、叔父の家での生活を再開させるために邸宅へと戻って来た。

恋人のスティーブとも再会を果たし、ひと時の幸せな時間を過ごし、夕方になって家に戻ってきたが、帰りが遅くなると聞いていたので叔父たちの気配はしなかった。

しかし、翌日目を覚ましたセラは、既に邸宅内で大事件が発生していた事に気付くのだった!?

監督は、(ソイレントグリーン)や(ミクロの決死圏)等のリチャード・フライシャーで、犯人の顔を映さない実験的なカメラワークで、緊迫感を煽っていきます。

主人公の盲目の少女を演じているのは、(ローズマリーの赤ちゃん)や(ハンナとその姉妹)等のミア・ファローで、

可憐な魅力で、殺人鬼に追い詰められる少女を好演しています。

ミア・ファロー

で、主人公の恋人役で、テレビシリーズ(The Ruth Rendell Mysteries)や(Brookside)等のノーマン・アシュレイが登場し、主人公をサポートしていきます。

ノーマン・アシュレイ

で、その叔母役で、(殴り込み戦闘機隊)や(紫の平原)等のドロシー・アリソンが登場し、緊迫感を盛り上げていきます。

ドロシー・アリソン

で、主人公の叔父役で、(5人の週末)や(封鎖作戦)等のロビン・ベイリーが登場し、こちらも前半のみの登場ですが、緊迫感を盛り上げていきます。

ロビン・ベイリー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、ある夜、星のマークのロングブーツを履いた人物が、道路わきを歩いていると、

ある高級車が走り去る際に雨上がりの水溜まりの水をビシャっと飛ばし、ブーツに雨水をかけられるシーンから始まります。

で、そのロングブーツの人物は、そのまま闇に消え、高級車は、そのまま森を抜けた先にある大邸宅へとたどり着きます。

で、その屋敷の主である夫婦と娘、そして事故によって視力を失ってしまった姪の少女セラ(ミア・ファロー)が車から降りてきます。

で、叔父一家の大邸宅で、世話になることになったセラの新しい生活が始まります。

叔父夫婦も従妹も、大変親切で、セラの事を気遣ってくれ、セラも懸命に叔母の役に立とうと、用事を手伝ったりしますが、

そんな中、競争馬の厩舎を管理している恋人のスティーブも会いにきてくれ、元気づけるために、育てた馬をプレゼントしたりしてくれます。

そんな前向きな生活が始まったある日、突然の事件によって、セラは地獄の淵へと落とされてしまいます。

その日は、叔父夫婦もいとこも帰りが遅くなる日で、サラもスティーブと出かける予定があり、その後も無事帰宅したのですが、

帰りが遅くなる予定の叔父夫婦と従妹よりも先に帰宅したサラは、一人の時間をレコードを聞いたり、コーヒーを飲んだりとゆっくり過ごし、

そのまま眠りにつくのですが、、、、、この時、既に事件は発生していて、、、、、

、、、、、叔父夫婦と従妹は、この時、既に、、、

、、、、というのが、大体の大筋となっています。

タイトルやポスターイラストで、既にネタバレ、というか、本作に限っては、どういう状況の、どういう危機に陥るサスペンス作品か、という事を、

あえて前面に押し出す事で、作品のアピールポイントにしている作品ですので、タイトル通り、ポスターイラスト通りの状況に陥ります。

ですので、どのような状況になるのか?は分かった上で鑑賞し始める事になりますので、他のサスペンス作品とは少し違った見所を持った作品となっています。

まずは、犯人となる殺人鬼の描かれ方ですが、スティーブン・スピルバーグ監督の(激突!)のように、

犯人の顔は映さずに、常に星のマークの入ったロングブーツの当たりしか映らないために、恐らく男性の若者だろう、という事と、

性欲に駆られている、という事と、手には銀色のブレスレットを付けている、という事とたばこを吸うという事ぐらいで、

後ろ姿も映らずに、言葉を交わすシーンも存在しませんので、正体不明の不気味さが、逆にかなり強調されています。

激突!)がアメリカでテレビ放映(初公開)されたのが、本作公開の2か月後なので、どちらがどちらを参考にした、とも考えにくいですが、

本作に関しては、最後にはしっかりと犯人の顔までも映りますので、色々と怪しい容疑者が現れる中での答え合わせとしての楽しさも持った作品となっています。

で、犯人の描き方も特徴的ですが、主人公が盲目の少女、という設定ですので、始めから危機的な状況は揃っている状態で、

後は、その危機に、主人公がいつ気付くのか?という所が、本作前半の見所となっています。

その全ての犯行が行われた瞬間には、主人公は外出していますので、犯行は既に行われ、荒らされた部屋、犠牲になった家族の遺体、存在している犯人特定の手掛かり等、

他の作品の主人公なら直ぐに気付くところを、本作の主人公サラは、勿論なかなか気づきません。

気付かない上に、叔父夫婦や従妹は、帰宅が遅くなる、という前情報があるので、主人公も、家の中には誰もいないという先入観があるために、

余計に気付きにくなっていいて、緊迫感がさらに盛り上がっていきます。

勿論、いつかは気付き、犯人と対峙する事になるのですが、ここで、犯行後に既に帰宅していた犯人が、少ない特徴の一つだった腕に着けていたブレスレットを、

殺害現場である邸宅内に落としてきた、と先に気付いてしまった事で、さらにサスペンスは盛り上がっていきます。

星ブーツ『あっ!ないっ!!』
星ブーツ『しまったぁぁ!!』

そして、事件が発生した事についに気付いたサラと鉢合わせする事になるのですが、ここでの脱出劇に、馬を日頃から愛しているという設定が上手く活かされていきます。

車やバイク、自転車等なら、盲目のサラが運転して脱出する事は不可能ですが、自ら意思のある馬なら、

しかも、恋人にプレゼントされたばかりの馬なら、帰巣本能で、馬は自分が育った場所、つまりスティーブの経営する厩舎へと戻っていくので、

馬上に乗りさえすれば、恋人のもとへとたどり着く事が出来るわけです。

ただ、そんなに簡単に物事が進むはずなく、そこには二重三重の困難が待っていて、盲目の少女サラをさらに追い込んで行く事になります。

という感じで、物語的には、鑑賞する前からどのようになるのか、という事が分かるシンプル設定の作品ではありますが、

シンプルながらも、サスペンスを盛り上げる上手い仕掛けやピンチの切り抜け方等、見所盛沢山な秀作となっていますので、

サスペンス好き、スリラー作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1971年製作 イギリス製作 サスペンス

監督 リチャード・フライシャー

出演 ミア・ファロー、ドロシー・アリソン、ロビン・ベイリー、ダイアン・ダレイソン、ノーマン・アシュレイ

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