おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆
有名な都市伝説フィラデルフィア実験を、空想科学要素を盛り込んでSF映画として映像化した、ジョン・カーペンター製作総指揮による傑作SFタイムスリップアドベンチャー!!
作品紹介
1984年10月27日公開
今回ご紹介する作品は、ジョン・カーペンター製作総指揮によるSFアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
第二次大戦中の1943年のフィラデルフィア港で、駆逐艦の護衛艦USSエルドリッジ号がある実験を行うため出航した。
その実験は、戦艦を敵のレーダーに探知されないようにするステルス化実験だった。
しかし、その実験開始と共に、エルドリッジ号に異変が起こり、空間が歪み、駆逐艦ごと忽然と姿を消してしまうのだった。
その時、異変をいち早く察知した水兵デビッドとジムは、エルドリッジから飛び降りたため、空間の歪みにに飲み込まれてしまう。
そして、2人が辿り着いた先は、1984年、ネバダ州の荒野だった!?
第二次世界大戦中にフィラデルフィアで行われたとされる都市伝説(フィラデルフィア実験)をモチーフにSF要素を盛り込んで映像化した作品です。
(フィラデルフィア実験)自体は、極秘に行われた、記録のない戦艦のステルス化実験(敵のレーダーに映らいないようにする実験)、
という事で、実験自体も捏造を疑われる程の都市伝説的な実験で、
船員だったとされる人物から、UFO研究家に贈られた手紙だけを基に噂が広がったようで、非常に信ぴょう性に乏しいですが、
恐らくステルス化実験らしき何らかの実験ぐらいは行われていたのではないでしょうか。
ただ、その影響によって超常現象みたいな出来事が起こった、というのは流石に空想科学ロマンの領域だと思われます。
という事で、その実験によって、船員が船底にめり込んだり、壁に埋まりながら生きていた、等の噂話に、タイムスリップというSF要素を盛り込んで映像化したのが本作となります。
ですので、フィラデルフィア実験の映画化、というより、フィラデルフィア実験の噂話の映像化作品といった感じでしょうか。
ただ、そんな噂話を映像化、となると普通はトンデモ系の内容を想像しがちですが、本作はジョン・カーペンターも製作総指揮で参加している、
という事で、非常に適度なB級感と娯楽感、そして愛とヒーローが絶妙なバランスで共存する傑作となっています。
製作総指揮のジョン・カーペンターは、1978年製作の(ハロウィン)、1980年製作の(ザ・フォッグ)と連続で成功を収めていた時期に、
本作の脚本と監督を依頼されたようですが、結局次の監督作品として選んだのは1981年製作の(ニューヨーク1997)だったようで、
その後も、1981年の(遊星からの物体X)、1983年製作の(クリスティーン)と、他の作品に関わっている内に、
監督するタイミングが合わずに、内容も当初ジョン・カーペンターが構想していた内容とは違う形になり、製作総指揮としてのみ参加した、という流れになっています。
ですので、ジョン・カーペンター風味は残っていますが、結構内容は変わっているようです。
で、そんなピンチヒッター的に登板した監督は、(アドベンチャーファミリー)や(ロッキーを越えて)、
そして(スペースパイレーツ)(詳しくはこちら)等、SFやアドベンチャーもので有名なスチュアート・ラフィルで、
得意のSF冒険アドベンチャーテイストに溢れた物語を演出しています。
で、主演の水兵役には、同年に出演した(ストリート・オブ・ファイヤー)も大ヒットを記録したマイケル・パレで、
その後は、(沈黙の監獄)(詳しくはこちら)や(ヘルフライト)(詳しくはこちら)等、B級作品街道を一直線に進んでいますが、
(リンカーン弁護士)や本作のリメイクとなるテレビ映画(フィラデルフィアエクスペリメント)等、話題性のある作品にも出演しています。
で、ヒロイン役には、(殺しのドレス)や(ミッドナイトクロス)、(ロボコップ)等のナンシー・アレンで、
主人公を助ける健気なキャラクターを、本作でも魅力的に演じています。
そんなスタッフ・キャストが集結した本作の物語は、都市伝説通りに1943年、ある実験を行うために、駆逐艦の護衛艦USSエルドリッジ号が出航するところから始まります。
で、そのエルドリッジ号を見つめるロングストリート博士だけはその実験の内容が戦艦のステルス実験だという事を知っていますが、船員たちは何も知らされておらずに、
出航早々に、実験装置のスイッチを入れ、早速秘密裏に実験が開始されます。
で、ステルス装置が作動、レーダーからは船影も消えて、実験大成功、と思いきや、エルドリッジ号の周りの空間がぐにゃりと歪みだし、
エルドリッジ号は時空の歪に消えてしまいます。
で、一方エルドリッジ号に乗り込んだ水兵デビッドとジムは、歪む空間に危機感を感じ、急いで二人だけ船から飛び降ります。
すると二人は歪んだ空間に吸い込まれていき、、、、、、
ある砂漠の荒野に行き当たります。
そして、その地を歩いて行くと、ある酒場に行き当たり、そこで自身が辿り着いた場所が1984年のネバダ州である事を知る、という事で、本題の舞台となる1984年での冒険が始まります。
ここまでも非常にテンポ良く、さらにミステリアスな興味をそそる演出で、2人の来訪者が、驚愕の事実を知り、
途方に暮れ、問題を解決するために、この時代でも存命している実験の責任者、ロングストリート博士を訪ねるために逃避行に出発します。
※↓ここからは、話の展開に触れていますのでご注意ください↓※
ただ、2人だけではなく、訪れた酒場で出会った気の優しい女性アリソンの協力も仰ぎながら、旅を続けていきます。
しかし、1984年でもロングストリート博士は、同様の実験を続けており、実は1984年で行った実験も1943年の実験とリンクするような形で、
二つの空間が繋がっていくのですが、その時空の歪の力が強すぎて、1984年の時代が非常に危険な状態である(嵐等が巻き起こる)、
という危機的な状況もあり、その中で突然実験の立ち入り禁止地区に現れた水兵2人を群も追跡し始めて、
ロングストリート博士を訪ねる旅は、いつの間にか水兵2人が命を狙われる逃避行となっていきます。
さらに、嵐の雷が鳴る度に二人の身体には異変が起き始め、医師でも対処できなくなっていきます。
そんな中、2人はロングストリート博士がいる軍の施設を目指すが、時空の歪も、天変地異レベルに危険な状態になり、、、、
という感じで、クライマックスへと突入していきます。
正直ツッコミどころは満載で、良く考えると整合性の無い部分も多々ありますが、それが吹き飛んでしまうぐらいの勢いと、
ワクワクする冒険要素と、物語が進むに連れて親しくなって愛が生まれた男女に、少しづつ別れの時が近づいている、という切なさと相まって、
デビッドと別れたくないアリソンが、正論を言うロングストリート博士に、健気に反対意見を言ってしまってデビッドの行動を制止しようとする姿が涙を誘います。
また、切なさだけでは終わらずに、非常に後味の良い結末で終幕となるのも、また本作が何度も鑑賞できる傑作にしている要因となっています。
クライマックスは少々トンデモ表現ではありますが、非常に盛り上がる名シーンとなっています。
という事で、都市伝説の映像化、という、そもそもがファンタジーな作品ですが、適度なSF要素、適度なアクション、
そしてタイムスリップものとしての面白要素と切ない系の恋愛要素と、色んな要素がバランス良く融合された超娯楽作品となっていますので、
SF好きの方や、アクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
主演二人の魅力も満点で面白いですよ。
作品情報
1984年製作 アメリカ製作 SFアクション
監督 スチュアート・ラフィル 製作総指揮 ジョン・カーペンター
出演 マイケル・パレ、ナンシー・アレン、ボビー・ティチッコ、エリック・クリスマス、キーン・ホリディ
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