おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
マイケル・ホイ製作・脚本、(フレディVSジェイソン)のロニー・ユー監督による七人の密輸団が遭遇する恐怖を描いた本格ゾンビホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ハリウッド監督となったロニー・ユーによる本格ゾンビホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
祭で賑わうある夜、街の有力者によって命を奪われた男の遺体が、キョンシー隊に偽装してアヘンを密輸している密輸団に秘密裏に託された。
高額の報酬と引き換えに、遠くの土地まで運ぶことを条件とされたが、旅の途中で山奥の底なし沼に遺体を落としてしまい、やむを得ずそのまま立ち去ってしまう。
しかし、それ以来、近くの村では何者かによる家畜の被害が頻出し、ついに密輸団メンバーの一人が襲われるのだった!?
監督・脚本は、(アラン・タムの香港式殺人追跡25時)(詳しくはこちら)や(SPRIT)等の香港作品から、(チャイルドプレイ4)、(ジェンソンVSフレディ)等の
ハリウッド有名作まで手掛けるロニー・ユー監督で、独特なダークな世界観で、本格ホラーを描いています。
製作と脚本を担当したのは、(Mr.BOO)(詳しくはこちら)や(新Mr.BOOアヒルの警備保障)(詳しくはこちら)等のマイケル・ホイで、
珍しく喜劇ではない、本格的なホラー作品を製作しています。
で、密輸団の隊長役で、(エミリー・チュウの吸血奇伝)(詳しくはこちら)や(殺しのストッキング)(詳しくはこちら)等のケント・チェンが登場し、
いつもの独特の存在感で、意地悪な面もある善人を演じています。
で、その相棒でもある密輸団のメンバーを演じているのは、(アーメンオーメンカンフーメン!)(詳しくはこちら)や(霊幻道士)(詳しくはこちら)等のリッキー・ホイで、
いつものオトボケキャラがケント・チェンとの独特な名コンビぶりを発揮しています。
で、メンバー中一番のカンフー使いで(妖術秘伝鬼打鬼)(詳しくはこちら)や(クレイジーパートナー)(詳しくはこちら)等のチョン・ファが登場し、
頼れるアクション派として邪悪な存在と対峙していきます。
で、メンバー中一番のイヤミ役で、(ツイ・ハークのゴーストホーム)(詳しくはこちら)や(ファーストミッション)等のアンソニー・チェンが登場し、
イヤミを飛ばしつつ邪悪な存在と対峙していきます。
で、メンバー中、随一の身軽さを強調した役柄で、(クラッシュエンジェルス)(詳しくはこちら)や(蛇貓鶴混形拳)(詳しくはこちら)等のマースが登場し、
少しですがアクションも披露し、印象を残しています。
で、メンバー中一番の巨漢で愛嬌のある役柄で、(至尊威龍)(詳しくはこちら)や(カンフーコップ)(詳しくはこちら)等のチェン・フーホンが登場し、
オトボケキャラでリッキー・ホイと度々コントを繰り広げていきます。
で、メンバー中、一番のお喋り役で、(プロジェクトD)(詳しくはこちら)や(魔界天書)(詳しくはこちら)等のソン・カムロイが登場し、
かなり印象的なシーンで、退場して行きます。
で、そんな七人の密輸団にある物を運ぶ依頼をする富豪役で、(少林寺木人拳)や(新白蛇伝)(詳しくはこちら)等のミャオ・ティンが登場し、
かなりの極悪ぶりで、物事を収集がつかないところまで進めてしまいます。
で、そんなミャオ・ティンに狙われる若人妻役で、(新・悪魔のえじき)(詳しくはこちら)やツイ・ハークの監督デビュー作(蝶變)等のツイ・シウリンが登場し、
可憐で儚い魅力で、物語の導入部を彩ります。
という、豪華なスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、ある街のお祭りの夜、その街の有力者であるミャオ・ティンが、
借金のカタに、色んな所から娘を差し出させ、最終的に家屋も奪う、という横暴を極め、ついにその祭に訪れた流しの歌と演奏を行う夫婦の妻(ツイ・シウリン)を、
自由にしようと自身の屋形船に呼び寄せるところから始まります。
で、勿論、一緒に来ていた夫が止めに入りますが、腕力で劣る夫は逆に捕まり、水槽に頭をつけられて命を奪われてしまいます。
で、遺体の処理に困ったミャオ・ティンは、包帯でぐるぐる巻きにし、そのまま、キョンシー隊に偽装しているアヘンの密輸グループのところまで運び、
高額の報酬を渡して、伝染病を患った弟と偽って遠くの土地まで運ぶように依頼します。
この偽キョンシー隊が、ケント・チェンを隊長とする七人の密輸グループで、初めは依頼を断りますが、高額の報酬目当てに結局依頼を受ける事になります。
で、関所も上手く越え、途中原住民の襲撃も撃退し、なんとか旅を進めていましたが、ある森の奥深くの硫黄の沼地で、
誤って底なし沼に、ぐるぐる巻きの遺体を沈めてしまいます。
元々どこか遠くへ連れて行く、という依頼で、底なし沼という事で、引き上げる方法も無いので、遺体をそのままにして沼地を後にする七人ですが、
その直後から、村では家畜が襲われる等の事件が頻発し、しかもその現場には硫黄の匂いが漂っていて、
さらにメンバーの一人であるソン・カムロイが、何者かに独特過ぎる方法で襲われて命を失ってしまいます。
で、いやな予感がしたメンバーは、あの硫黄の沼地に戻ってみると、沼地から何かがはい出たような跡があり、
その跡がある塔にまで続いている、という事で、責任を感じた6人は、その何者かに決死の戦いを挑む、というのが大筋となっています。
結局、目的地は無く、旅も途中で切り上げ、仲間もそれほど見せ場を作る事無くバタバタと退場してしまいますので、騒がしいパニック描写も少な目の作品ではありますが、
何か邪悪な存在が静かに近づいてくる不安感がずっと立ち込めている
ために、目立つような見せ場が無くても、ずっと画面に見入ってしまう、という独特の魅力を放つ作品となっています。
普通に考えると、七人が戦う事になる邪悪な存在(ゾンビモンスターのような容姿)は、七人とは無関係の存在で、
特に七人に恨みがある、というわけではありませんので、命が危なければ逃げれば良いだけの事で、アヘンの密輸グループが命がけで退治しようとする必要もなく、
さらに、モンスター自体が、かなりのよちよち歩きなので、誰がどう見ても、捕まって襲われる方が難しいぐらいのスローな動きなのですが、
それでも、そんな違和感を忘れてしまうぐらいに、逃れられない恐怖と魅力を放つ作品となっています。
これは勿論、七人のメンバーの魅力もありますが、最後の瞬間までモンスターの容姿を見せない引っ張りや、
動けるキャストがいながらも、カンフーアクションにまで展開させない程度のアクション、そしてケント・チェンとリッキー・ホイの絶妙な掛け合いによるちょっとしたコメディ要素等、
色んな要素が混ざり合って独特な惹きつける世界観を構築しています。
特に主演二人の掛け合いに関しては、いつも通りのコメディ映画のような掛け合いで、『クスッ』と笑えるシーンも何度もあるのですが、
そのちょっとした笑いが、ダークな世界観に上手く浸透し、他の作品では味わえないような独特な世界観となっています。
さらに、本作ずっと(遊星からの物体X)のBGMが流れまくりなぐらいに流れますので、まさに何かの物体が迫ってくるような演出にピッタリとハマって、
作品世界を演出するのに効果的になっています(パ〇リなので、アレですが、、、この時期の香港映画は映画音楽とは作曲するものではなく、既に存在している曲を配音するというのが常識だったようなので、、。)。
クライマックスでは、完全に映像で(エクソシスト)のパロディを、わざわざ物語が終わっているのに付け足すぐらいにロニー・ユー監督のハリウッドホラー作品趣味が炸裂していますので、
そういった部分も、ハリウッドでチャッキーとジェイソン、フレディの映画を監督した唯一の監督、へと繋がったのかもしれません。
という事で、静かでダーク、シンプルな内容の作品ではありますが、観始めると止められない独特の雰囲気を持った作品となっていますので、
ホラー好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1983年製作 香港製作 ホラー
監督・脚本 ロニー・ユー 製作・脚本 マイケル・ホイ 製作総指揮 レイモンド・チョウ
出演 ケント・チェン、リッキー・ホイ、チョン・ファ、アンソニー・チェン、チェン・フーホン、ソン・カムロイ、マース、ツイ・シウリン、タニー・ティエン、ミャオ・ティン
↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画評論・レビューランキング
にほんブログ村