おすすめ度 ★★★★★★★★★☆
(サンダーバード)のジェリー・アンダーソンが製作した、素晴らしいミニチュア特撮と、独創的な宇宙世界の謎に迫る傑作SFサスペンスアドベンチャー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ジェリー・アンダーソン製作による傑作SFアドベンチャー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
宇宙開発連合〈ユーロセク〉が打ち上げた太陽調査一号が撮影した写真から、太陽系内、地球の周回軌道上に、太陽を挟んで点対称の位置に惑星が存在する事が判明した。
さらなる調査のために、招集された宇宙飛行士グレン・ロス大佐は、科学者のジョン・ケーン博士と共に新惑星の調査任務に就くが、
その新惑星には、太陽系の宇宙に関する驚愕の事実が隠されていたのだった!?
製作・原案・脚本は、(サンダーバード)や(謎の円盤UFO)等のジェリー・アンダーソンで、素晴らしい特撮とアドベンチャー、
そして捻りの効いたミステリー要素と、見所満載のSF物語を創造しています。
監督は、(007カジノロワイヤル)や(太陽を盗め)等のロバート・パリッシュで、冒険要素のあるSFミステリーを雰囲気満点で演出しています。
主人公の宇宙飛行士役は、(エアポート‘75)や(ヒンデンブルグ)等のロイ・シネスで、宇宙の謎に迫り翻弄されていく主人公を好演しています。
で、主人公の相棒となる科学者役で、(サファリ大追跡)や(吸血鬼ハンター)等のイアン・へンドリーが登場し、主人公と共に宇宙の謎に迫ります。
で、ミッションを率いる所長役で、(荒鷲の要塞)や(空軍大戦略)等のパトリック・ワイマークが登場し、主人公達を率いて行きます。
で、主人公の妻役で、実際のロイ・シネスの奥さんでもある(ホラーフライト・悪魔の旅客機)やドラマシリーズ(0011ナポレオンソロ)等の
リン・ローリングが登場し、険悪なムードの夫婦を演じています。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、宇宙開発連合〈ユーロセク〉の太陽調査船一号の写真から、
太陽系内の地球の周回軌道上に、太陽を挟んで点対称の位置に惑星が存在する事が判明するシーンから始まります。
で、さらなる調査のため、ユーロセクのウェッブ所長(パトリック・ワイマーク)は、各国に協力を求めますが、
あまりに高額な費用のために、アメリカを含めて各国が二の足を踏んでいると、ユーロセク内に、新惑星の情報を発信しているスパイがいる事が判明します。
で、そのままでは開発競争に後れを取ってしまうため、ついにアメリカは調査の続行を決断し、アメリカ人パイロットのグレン・ロス宇宙飛行士(ロイ・シネス)が派遣され、
それと同時に、そのミッションの補佐役として、調査を進めていたジョン・ケーン博士(イアン・へンドリー)も送る事を決定します。
で、そこから宇宙飛行士ではないケーン博士の地獄のような訓練が始まり、ふらふらになりながらもなんとか訓練をこなしていき、
ついに新惑星調査ミッションが結構される日がやってきます。
で、急場しのぎではありますが、ケーン博士の準備も整い、発射も順調、大気圏突入も順調、そして宇宙に辿り着いても順調、
そこから目的地である新惑星に辿り着くまでの宙域は、2人とも眠りにつき、そして3週間後、新惑星目前までたどり着いた二人は目を覚まします。
ここまで全て順調にミッションをこなした二人は、目前まで迫った新惑星を前にして、ついに着陸するための着陸船に乗り込みます。
で、新惑星に向かって発進する二人、雲がある事で、大気がある事が分かり、酸素など、ほとんど地球と変わらない条件が揃っている事が分かり、
いよいよ着陸、、、、、、、、、、
、、、、、と、ここで一閃の雷が、着陸船を襲います。
で、制御を失いながらも、なんとか胴体着陸を試みますが、なんとか着陸はしたものの、そのまま着陸船は大破し、
ケーンは博士は勢いよく船外へ投げ出されますが、なんとか意識を取り戻し、気絶しているロス大佐を助け出しますが、
さらなる着陸船の爆破に巻き込まれてしまいます。
で、今度は逆に意識を取り戻したロス大佐が、ケーン博士を抱きかかえて、なんとか二人共、大爆発から逃れる事には成功します、、、が、、、
、、、、そこへ、謎の生物がロス達に近寄ってきます。
あれは、何だ!?
※↓ここからは、物語展開に触れて行ってしまいますので、ご注意ください↓※
その謎の生物は、まさかの救助隊の隊員でした。
で救助された二人は、そのままよユーロセクへと連れていかれ、ウェッブ所長以下ミッションの関係者と再会する事になります。
で、健康を取り戻したロス大佐(ケーン博士は重症)は、ユーロセクに呼び出され、尋問を受ける事になります。
勿論、質問の中心は、『何故、任務を放棄して地球に引き返したのか?』という事と、
『引き返したとしても、どうやって往復で6週間かかる航路を、3週間で戻れたのか?』という2点でした。
しかし、全く引き返した覚えのないロス大佐は、任務は遂行したし、引き返していないと主張します。
しかし、あまりに不可解な出来事にウェッブ所長も本人が任務を遂行したと思い込んでいるだけ、と初めは解釈していますが、
やがて、ロス大佐やケーン博士の身体検査をすると、さらに不可解な事実が判明し、、、、、、
、、、、、、という、流れが大体の大筋となっています。
本作、後半に、非常にドラマチックな物語展開が存在する作品で、核心の部分に触れてしまうと、かなり作品としての楽しみが半減してしまいますので、
ここでは、割愛させていただきますが、ファンタジックな展開ながらも、もしかしたらありえるかも?と思えるようなSFマインドに溢れたストーリーとなっています。
勿論、製作がジェリー・アンダーソンだけに、ミニチュア特撮も素晴らしく、1969年に製作された作品とは思えないぐらいに、
今鑑賞しても実際に存在するロケットのように見える素晴らしい特撮シーンの数々がSF世界にリアルな臨場感を与えています。
さらに前半、急遽メンバーに加わる事になるケーン博士のリアルな宇宙飛行士訓練や、ミッション遂行時のリアルな描写、
任務に挑む前のロス大佐と奥さんの険悪なムードや、女性所員とのほんのり香るロマンス等、それぞれのキャラクターの人間描写もしっかりと描かれ、
ドラマ部分でも情移入を誘うような演出が積み重ねられていきます。
少し残念なのは、ジェリー・アンダーソン製作の、人形劇ではなく、初の人が演じる実写のSF作品という事で、
大人の鑑賞に堪える内容、という事を意識し過ぎたのか、全体的に悲壮感と冷たさが立ち込めた未来社会という設定のため、主人公達も、なんとなく感情が薄い人々の集まりのように描かれています。
ですので、かなりトンデモ級の事実が判明しても、特に感情の揺れ動きも見せず、ロス大佐なんかは、命がけで自分を救ってくれたケーン博士のその後について、
結構な状況になっているのに、まるで気にも留めていないような仏頂面ですので、後半は、物凄い出来事や新事実が矢継ぎ早に判明するのに、
その世界にいる人たちが、結構平気そうなので、そんなに大した事が起きて無いように見えてしまうが、ストーリーが素晴らしいだけに少し残念です。
とは言っても、そういう感情の起伏をあまり見せないというのが、当時のSF映画のスタンダードと言えばそうかもしれませんが、、、。
いや、でも、(猿の惑星)のタイラーは、結構ラストで絶叫していたような、、、。
そういう部分が、スマートなイギリス映画とアメリカ映画の違いでしょうか、、。
しかし、本作、これだけのキャストの名演、素晴らしい特撮、引き込まれる物語展開と、かなりの秀作ではありますが、何故か日本では劇場公開されることも無く、
テレビ放映が本邦初公開という、あまりに不遇過ぎる作品となっています。
ですが、ソフト化的には、VHSからDVD、近年になってブルーレイまで発売されて、見やすい環境は整っていますので、
SF好きの方や、変わった映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
これは面白いですよ!
※↓下の方に、作品世界の宇宙の謎のヒントとなるような画像を載せておきますので、楽しみにされている方は、作品をご鑑賞されてから見てみて下さい↓※
作品情報
1969年製作 イギリス製作 SFサスペンス
監督 ロバート・パリッシュ 製作・原案・脚本 ジェリー・アンダーソン
出演 ロイ・シネス、イアン・へンドリー、パトリック・ワイマーク、リン・ローリング、ロニー・フォン・フリードル、フランコ・デ・ローザ、ジョージ・シーウェル、エド・ビショップ
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