修行度 🔥🔥🔥●●●●●●●
繰り返される有名原作の映画化の中でまたしても製作された(封神演義)の映像化作品!!しかも武侠ファンタジーかと思いきや、ほとんど宮廷内のドロドロ覇権争い、というアクション少な目のドラマ!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、これまでに何度も何度も映画化されてきた(封神演義)の映像化作品です。
それでは、まずはあらすじから、
中国殷王朝時代、ある日、王は知性と美を兼ね備えた黄妃を側室に迎え入れ、前側室の妲己は王宮から追い出してしまう。
しかし、これは 黄妃 の策略で、黄妃は側室を乗っ取り、王を操り国の支配を計画しているのだった。
不穏な空気を感じた道士・姜子牙は王宮に漂う危険な妖気を感じ取り、妖怪退治に打って出るのだった!!
繰り返される有名原作(封神演義)の映像化作品です。
近年でもアニメ映画として製作された(ナタ転生)や、ペニー・チャン主演の突っ込みどころ満載映画(レジェンド・オブ・ゴッド封神伝説)(詳しくはこちら)、
そして非常によくできたアクション、ジェット・リー主演の(封神伝奇バトル・オブ・ゴッド)(詳しくはこちら)等、
何度も何度も映像化されています。
同じ原作なので、基本となる物語は同じですが、そのほとんどが九尾の狐に惑わされ、暴君と化した王をなんとかするために、
道士、 姜子牙 が法術を駆使しながら妖怪退治に乗り出す、という大筋となっています。
本作も大筋では同じなのですが、今までと同じ表現ではまずい、と考えたのが、かなり意表をついた展開となっています。
簡単にいうとメインの物語を妖怪退治の武侠アクションとせず、まさかの宮廷内の側室覇権争いドラマを中心に添える、
という思い切った展開の作品となっています。
ですので、アクションは当然二の次なので、近年に見られる、ワイヤーで吊られているだけのアクションにCGの合成を処理をしているだけ、
というバトルがメインとなっています。
そのアクションも宮廷内の会話劇の合間にちょこっと挿入され、中盤以降に急に盛り上がりを見せ始めるものの、そこからクライマックスに繋がるのではなく、
バトルの決着がついていないのに、もう一度会話劇に戻る、というテンポの悪さです。
完全に道士が優勢で妖怪を追い詰めているのに、『続きは次回にしよう』といって、戦いを止めてしまいます。
どうしても会話劇をメインにしたいようです。
で、いよいよ後半会話劇もクライマックスを迎え、宮廷内に潜り込んだ妖女も正体が見破られるあたりで、追い出した王妃を相手に妖女が言い放ちます。
王妃『何故、私を殺さないの?』
妖女『あなたが悔しがるところを見たいからよ』
この妖女は自身が道士に退治されそうになっているところを王に助けられて、その後王に想いを寄せるようになり、近づきたくて宮廷内に潜り込んだはずなのですが、
いつのまにか、王の愛を独占したい、とかの話を通り越して、王の妻に悔しい思いをさせたい、という非常に小さい行動理由へと変わってしまいます。
ほとんどの近年の中国作品は、後半は無理やり号泣させるような展開が多いのですが、本作はそれさえない、という、なかなか意表をついた作品となっています。
ラストバトルは一応CGバリバリのバトルになりますが、勿論武術アクション度は0%で、しかも急に海の上か、空の彼方のような異次元にワープしてのバトルなので、
リアル感もファンタジー感も何もない、夢を見ているような(狐に化かされたような)対決となっています。
という事で、何度も映像化を繰り返して、ジャンルごと変化球を加えてみたら、とんでもない大暴投だった、といった感じの作品となっていますので、
武侠ファンタジーは何が何でも鑑賞する、という強い信念をお持ちの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
もう、この原作の映像化はこれぐらいで終わりにしても良いんじゃないでしょうか、、。
因みに、監督のチャン・リーはジャッキー・チェンの(1911)の監督や、(レッドクリフ)シリーズの撮影監督もしています、、。参考にはならないですね。
作品情報
2020年製作 中国製作 VFX武侠ドラマ
監督・脚本 チャン・リー
出演 スン・シュエ二ン、チョウ・ハオドン、ファン・イーハン
その他の武侠作品
人間の青年と狐の妖怪の友情を描いたホロリとする秀作武侠物語(レジェンド・オブ・フォックス妖狐伝説)はこちら
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