【修行映画!】シャーク 消えた3人の死体 (BULL SHARK 2)76分

投稿者: | 2025年5月8日

修行度 🔥🔥●●●●●●●●

シャークハンターとオオメジロザメ(ブルシャーク)の戦いを描いたサメパニック作品ながらも、上映時間76分のうち、70分以上は、上から目線主人公の飲んだくれエピソードや、未リリースの前作の思い出に費やされる、観ても観ても物語が進まない湖の端っこで展開されるこじんまりとしたサメ映画!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、一作目が未リリースの(BULL SHARK)シリーズの第二弾です。

それでは、まずはあらすじから、

以前にサメ被害のあったテキサス州にあるレイロバーツ湖で、再び若者三人が行方不明になる事件が発生した。

しかし、地元の経済への打撃を憂慮した市長は、警察に圧力をかけ事件の隠蔽を計ったため、行方不明者の母親は、

かつてサメ事件が発生した時にサメを撃退した元猟区管理官のスペンサーに助けを求める。

退職し酒に溺れ自堕落な生活を送っていたスペンサーは、かつての自分を取り戻すために現役の猟区管理官ノーランと共にサメ退治に立ち上がるのだった!!

監督・脚本は、本作の前作を含めた(BULL SHARK)シリーズや、(ディープインパクト2022)や(ディープインパクト2024)等のブレット・ベントマン で、

非常に低予算で、サメの登場しないサメ物語を演出しています。

主人公となるシャークハンター役で、本作の前作となる(BULL SHARK)や(ディープ・インパクト2024)、(Outlaw’s Buckle)、(コードネーム:オーバーロード作戦)等、

ブレット・ベントマン作品の常連俳優、トム・ハルムが登場し、男臭い雰囲気でサメと対峙していきます。

トム・ハルム

で、その相棒となる猟区管理官役で、(アリータ:バトル・エンジェル)や(ジョナヘックス)等のビリー・ブレアが登場し、主人公をサポートしていきます。

ビリー・ブレア

で、疎遠となっている主人公の息子役で、(It’s Alright Now)や(Something to Stand For with Mike Rowe)等のケイデン・スミスが登場し、父親とのエピソードを掘り下げていきます。

ケイデン・スミス

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、かつて人々が犠牲になるサメ被害が発生したテキサスにあるレイロバーツ湖で、

三人の若い男女が、再びサメらしき背びれ(ハリボテ)に追いかけ回され、犠牲になるサメパニック映画のお約束シーンから始まります。

工作の跡が残る手作り背びれに驚く女子

滅茶苦茶手作りな背びれなので、サメのフリして脅かす、友人のおふざけなのかと一瞬思ってしまいますが、

まさかの実際のサメの襲撃という事で、勿論実際に襲われる描写等はありませんが、この三人はその後一人の腕だけが発見されて、後は跡形もなく消え去ってしまいます。

ボートは?という感じですが、説明がないので、腕以外は丸のみにされてしまったようです。

しかし、過去にサメ被害が発生しているという事実がありながらも、サメ被害による街の経済の打撃を懸念した市長の暗躍によって、

その事件は、隠蔽され、真相は闇の中に葬られてしまいます。

市長『腕の事は黙っとけよ。』

そこで、事件の被害者の一人でもあるクリッシーの母親が行動を起こし、なんとか警察に事件の捜査を進めるように強く要望しますが、

捜査は一向に進まず、それならという事で、かつてのサメ事件で、猟区管理官として先頭に立ってサメと戦って撃退した後、

今現在は退職して湖に面した一軒家で世捨て人のような生活を送っているスペンサー(トム・ハルム)を紹介されます。

そして、藁にも縋る気持ちで、スペンサーのもとを訪れたクリッシーの母親は、退職後、酒に溺れて自堕落な生活を送っているかつての英雄の哀れな姿を目撃します。

それでも、なんとか娘に起こった出来事の真相を知りたい母親は、飲んだくれに湖のサメ調査を懇願しますが、

やはり、酒に溺れまくっている飲んだくれに、しっかりと断られてしまいます。

スペンサー『やらない。』

しかし、きっかけは分かりませんが、その後すぐに気が変わった飲んだくれは、かつての栄光(カッコ良かった時の自分)を取り戻すため、サメ退治を決意します。

スペンサー『やっぱりやる。』

で、やる気が戻ったスペンサーは、疎遠だった息子に連絡し、サメ退治を決意した自分を褒めてもらおうとしますが、

『サメを退治して、自分と母親の信頼を取り戻そうと考えているなら、無駄なのでやめた方が良い。』

息子『やめとき。』
スペンサー『、、、、、、、。』

という、ドライな事を言われてしまい、ショックをうけますが、もう、やると言ってしまったので後戻りはできないので、

友人で、現猟区管理官であるノーラン(ビリー・ブレア)に連絡し、二人っきりでのサメ退治に誘います。

スペンサー『やるぜ。』
ノーラン『いいぜ。』

で、

肝心のサメ退治の作戦は、ノーランに丸投げ

し、その間、市長や警察に一応サメクライシスを警告しにいきますが、当然相手にされず、結局は、やっぱりノーランとの二人っきりのサメ退治大作戦を決行することになります。

スペンサー『サメがいるぜ。』
市長『知らん。』

で、ノーランが作戦のために準備していた、

手提げかばん一杯のお菓子と小説、そして麻酔薬入りの注射器一本とライフル一丁だけ

を持って、巨大でどう猛なサメ退治に挑む!!

、、、、というのが、大体の大筋となっています。

という事で、原題からもお分かりのように、本作は2022年に製作された(BULL SHARK)に次ぐシリーズ第二弾で、その後シリーズ第三弾となる(BULL SHARK3)も

本作と同年の2024年に同スタッフ・キャストで製作されている人気(があるのか分かりませんが、、)シリーズのサメパニック映画となっています。

冒頭の、調子に乗っている若者三人がサメ被害に合う、という事件の発端こそ、サメ映画の王道的な出だしながらも、

本編に入ると主人公のスペンサーは重度の飲んだくれで、誕生日に友人のノーランが、わざわざケーキを買って皿にのせて持ってきてくれているのに、

本人の目の前で、ビール缶が入っていた段ボール箱をゴミ箱のように使ってケーキをそのままぶち込むという、非情な上から目線のスペンサーの日常がメインで描かれて行きます。

寝起きで機嫌が悪いスペンサー
誕生日ケーキを捨てられてヘコむノーラン

その後も、家の外(つまり湖のほとり)をビール缶を持ってよろめきながら、(醉拳)のジャッキーばりに、缶に口を付けずに、ドボドボこぼしながら飲んだりと、

過剰な飲んだくれ描写が、かなり長めに続き、その合間に前作の思い出エピソード(断片的ですが)が挿入される、という

誰からも共感を得られない主人公像が延々と描写されていきます。

ほとんどこぼれている酒好きとは思えない飲み方

サメパニック物語が一向に進まない上に、他人に高慢な態度を取る、好きになれない厭なヤツの日常をずっと見せられる、

というかなりの修行要素が満載ですが、なんとなくサメ退治を決意した後も、疎遠だった息子との関係の、

ギクシャクしているエピソードは描かれますが、修復しようと努力するエピソードは描かれません。

つまり、主人公の成長は一切描かれません。

カッコ良いところを見せて名誉挽回するはずのサメ退治大作戦も、まさかの

友人に丸投げで、自分は何一つ考えないくせに、当日になってお菓子と麻酔薬の注射一本だけ持ってきた友人を怒鳴りつける

という、主人公の負のスパイラルが一向におさまりません。

で、全然進まない物語が、やっと作戦決行となった本編開始50分過ぎに、期待に胸を膨らませた途端に54分ぐらいでサメとの戦いは、

湖に直接ドボンと入って、本当に注射器一本をチクリと刺しただけでけで決着がついてしまいます。

スペンサー『サメはどこだぁ!』
スィ~~
スペンサー『し、、、しまったぁ!!注射器がどっか行ったぁ!!』
ぷかり
スペンサー『あ、、あったぁ!!』
スペンサー『うぉっしゃああああ!!』  チクリ!!
サメ『こ、、、、、、、、、』
サメ『こ、、、、、、、、、』
サメ『これで勝ったと思うなよ、、、』

実際には、麻酔薬で動かなくなったところをライフルで撃って勝負ありとなりますが、特に俊敏な動きをするわけではなく、ゆったりと動いていますので、

わざわざ湖に入って注射器を構えてまって直接刺すという危険は冒す必要はないと思います。

結局はライフル

あと、注射器って、水の中で激しい動きをしても問題無く使用できるのでしょうか?

ツッコミ所は満載の作品ではありますが、予算の都合でサメパニック描写が少なかったり、ひれのハリボテ感、

セガサターンみたいなサメ本体のCG描写等は、ある程度あるあるなので、しょうがない部分はあるのですが、

作品の大部分を占めている主人公の厭なヤツ描写が、映画版ではないテレビ版のジャイアンを主人公にした物語のように思えて、なかなかに修行覚悟の必要な作品となっています。

一作目を鑑賞していませんので、なんともいえませんが、恐らくワイルドで破天荒な主人公という意味合いのキャラクター像だと思われますが、

本作だけを観る限りは、他人を見下し、最初から最後まで何も成長しない可愛げのない厭なヤツにしか映りませんので、

今後リリースされるかもしれない三作目で、共感できるヒーローとして復活する事を期待したいですね。

という事で、パニック映画としての魅力は薄いですが、海ではない湖を舞台にしたちょっと珍しいサメパニック映画となっていますので、

パニック映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

常に対岸が見えているサメバトルの舞台

作品情報

2024年製作 アメリカ製作 アニマルパニック

監督・脚本 ブレット・ベントマン

出演 トム・ハルム、ビリー・ブレア、アンドレア・コーエン、トム・ゼンブロート、ケイデン・スミス、イザベラ・オリバス、エイディン・ウォルドーフ

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