修行度 🔥🔥🔥🔥🔥🔥●●●●
各地の刑務所から集められた死刑囚たちが、ある屋敷で生き残りをかけた脱出ゲームに参加すさせられるが、まるで文化祭のようなゲーム内容に驚愕する、ある意味衝撃な作品!!
作品紹介
今回ご紹介するのは、スペイン製作の(ソウ)のようなシチュエーションスリラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
各地の刑務所からある屋敷に集められた5人の死刑囚。
それぞれ個性的な男性3人、女性2人だったが、その屋敷に到着するなり、強制的な脱出ゲームに参加させられることになる。
屋敷中に散りばめられた罠や暗号を解いて外に出られた者には自由が与えられ、それ以外の者には死が待っている、という命を懸けた脱出ゲームだった。
しかし、そのゲームには主催者のあるしかけが隠されていた!?
スペイン製作(とは言っても吹き替えではない英語で会話するので普通のハリウッド作品と変わりません)のシチュエーションサスペンス作品です。
因みに有名作(エスケープルーム)(詳しくはこちら)の続編のような邦題がつけられていますが、勿論全くの無関係です。
ただ、ルームからエスケープしようとする物語ではありますので、実際の内容的には間違いではないですのですが、、。
作品内容的には、パッと見てすぐ想像つくと思いますが、完全に(ソウ)の影響をもろに受けた作品となっています。
物語の展開や、BGMに至るまで、恥ずかしくなるぐらいに(ソウ)みたいな事がやりたくてしょうがない感じが前面に出ています。
で、実際の物語ですが、
まずは謎の大柄女性が拷問のような仕打ちを受けているシーンから始まります。
ここでは多くは説明されませんが、(ソウ)でもあったように、冒頭で早速どこかの犠牲者が何らかの仕打ちを受けているクライマックス的なシーンをいきなり見せておいて、
その後登場する主人公たちが、同じ目に合う、と予感させる出だしとなっています。
本来はシリーズを重ねた作品だけが許されるお約束的な展開だと思われますが、本作は(ソウ)シリーズみたいな事がやりたくてしょうがないので、
そこは見境なくやってしまいます。
冒頭で入る字幕の作品設定によると、1972年にマーウィン博士という人が、増え続ける受刑者の減少を目的として、生存競争と娯楽性を融合させ、
自由を懸賞に囚人同士を戦わせるために秘密裏のゲームの実験台にさせる、
という驚愕の法案がまかり通っているようで、字幕一発でその特殊設定を説明してしまって、いよいよ主人公たちが登場します。
男性3人、女性2人からなる総勢5人の囚人たちで、同じ場所にいる囚人ではなく、各地から集められた囚人のようなので、知り合い同士ではありません。
しかも死刑囚のようです。
今から何が起こるか、がすでに字幕で説明されている上に、結果となるような拷問を受けた犠牲者のシーンも既に観てしまった上で、
いよいよゲームの開始か?
というところですが、本作はまさかの、まずそのゲームを運営している(しようとしている)裏方の(冴えない)男性二人と女性一人が、
『今年は良い素材が揃っているから人数は少ないけど量より質が良いいな』
など世間話風に話しているシーンから入ります。
ついでに、そのボスも割とあっさり顔出しで登場します。
どうも、毎年こんな事をしているようです。
で、今回は暗殺者2人、小児性愛者に売春婦殺し、精神疾患者、がいる、というセリフもありますので、一応主人公たちが大体何の罪を犯して死刑囚となったか、がゲームを管理しているおじさんの台詞一発で説明されます。
いよいよゲーム会場である屋敷(このバトルロワイヤル制度を考え出したマーウィン博士の大きな屋敷)に囚人たちが到着し、ゲームの説明を、、
屋敷の開け放たれた庭で、死刑囚5人相手にそれほど強そうではない女性一人で行います。
手錠をかけられてるとはいえ、開け放たれた場所で、凶暴な死刑囚5人に対して非武装の女性一人でゲームの説明をしている、
というなんともいえない状況の中、死刑囚たちは、そのまま素直に簡単な説明を受け、屋敷内に素直に入っていきます。
逃げようとするものは一人もいません。
で、邸内に入ってみると、客間に人数分の豪華な食事が用意してあります。
MCの女性は好きな席に座って食事をとるように即します。
勿論、この屋敷は、普通の人が住んでいた屋敷であって、特別な施設ではないので、凄く光の刺す、陽当たりの良い客間となっていて、
それなりに年季の入った木造建築が主体の屋敷で、コンクリートなどで固めた頑丈な造りではないので、隙間風が入り込みそうなぐらいですが、
逃げようとするものは一人もいません。
で、それぞれ大人しく食事のテーブルについたので、一人づつ順番に手錠と口に止めていたガムテープを外していきますが、外された者は、他の死刑囚が外し終わるのを行儀よく席について待っていて、
逃げようとするものは一人もいません。
で、全員外し終わり、皆行儀よく座っているので、いよいよ詳しいゲームの説明を、、、、
しないで、まずは体力をつけるために食事をしなさい、という捨て台詞と共に女性MCは薄い観音開きの扉から退出してしまいますが、、
逃げようとするものは一人もいません。
死刑囚という事で、受刑期間が長いのか、用意された食事をむさぼり始めます。
何かの毒が盛られているかも?という疑問はありません。
で、高級レストランで出てくるような豪華な食事(ワイン付き)を何故かナイフとかフォークを使わず素手で喰います。
危険なので刃物っぽい鋭利な物は置いてないのか、あまりにおなかが減りすぎているか、どちらかのようです。
中には食事をせずに、客間から他の部屋に繋がるグラグラの扉(なにせ古めの屋敷なので)を開けようと調べる者もいますが、外側からチェーンと南京錠で取っ手の部分だけをグラグラに止めてあるので、
押すとグラグラでもう少しで空きそうですが、
逃げようとするものは一人もいません。
扉自体もガラス張りで向こうが見えてたりしますが、それでも
逃げようとするものは一人もいません。
で、食事中にちょっとしたいざこざ(死刑囚ですので荒っぽい)で、殴り合いが始まりそうになります。
『やるのか、てめぇ!』
で、テーブルのナイフを手に取って一触即発!
やっぱりナイフありました!
それは完全な武器になりますので、女性MCの事が心配になりますが、そんなタイミングで女性MCがガラス張りのグラグラの扉からケーキを持って登場します。
デザートですね。
で、いよいよ血の気の多い囚人の一人が女性MCにどういう事か説明しろと首を掴みます。
ナイフは使いませんし、
逃げようとするものは一人もいません。
逃げる以前に、ただ説明が聞きたいだけです。
でも、女性MCは一応ピンチ!
というとろこで、屋敷内に謎の男性の声でアナウンスが流れます。
いよいよゲームの説明です。
『閉じ込められた屋敷から自由をかけて謎解きしながら脱出するゲームだ。自由への鍵は一つしかない。制限時間は40時間、それ以降に屋敷に残っている者は死ぬ。扉を壊しても死ぬ。それじゃあ始めよう』
死ぬ、と言われても実際死ぬところを見ていないので、まるで言っているだけにしか聞こえませんが、囚人たちはやはり行儀よくルールに従いますので、
逃げようとするものは一人もいません。
そんな感じで、ゲームが始まっていきます。
で、ちょこちょこ女性MCの説明が入りますが、まず何かの資料が渡されます。
この資料は、この屋敷に住んでいたマーウィン博士に起きた悲劇が書かれていて、その資料によると博士には6歳の息子がいて、
その息子はある日、身代金目的の誘拐に合ってしまい、懸命の捜索をよそに、息子は近隣の道端で倒れているところを発見されます。
で、悲嘆にくれた博士は医療活動を断念し、犯人探しに没頭、依然として捜索中とのことで、このゲームの目的は脱出プラスその資料の手がかりから犯人と思われる容疑者を特定すること、
という脱出ゲームとは違う要素が入ってきます。
で、その数枚の資料を読むだけで容疑者を特定しようとしますが、そんな事はゲームとは関係ないので、死刑囚の一人がグラグラの扉の鍵をおもむろにガチャガチャやっていると扉が開きます。
ゲームに無関係に勝手に扉開けたら死ぬんじゃないの?
という感じですが、そのまま容疑者特定の件はそっちのけで隣の部屋に移動します。
で、早速庭に面したさらに光の刺すオープンな部屋に到着しますが、その明るい扉から、外を眺めながら囚人の一人が、
『ここから進むのね。何か手がかりを見落としているはず』
手がかり、というかゲームをまだしていない!
で、他の囚人が言います。
『あそこに案山子が見える、あれを取りに、、、』
という訳の分からない事を言っている途中で、乱暴者の死刑囚が喚き声をあげながら、
『こんな事やってられるかあああああ』
と叫びながら大暴れして家具を破壊しだします。
で、いがみ合っていると家具からビームのようなものが放たれてその位置に隣の部屋へ移るための鍵が隠されていのるを発見します。
やっとゲーム開始という感じで、なんとなく鍵を探していくゲームだという事が分かりましたが、バトルロワイヤル要素がありません。
それでも、死刑囚という事で、とにかく全員感情移入お断りなぐらいに強烈な個性で、終始いがみ合っていますので、ゲーム要素に関わりなく、なんとなく順調に人数が減っていきます。
で、なんとなくそうなるだろうと思っていたように、資料にある事件と集められた死刑囚たちの関連が見えてきます。
その部分の詳細はネタバレになってしまいますので割愛させてただきますが、一番よくある主催者のリベンジ的な要素の濃い筋書きとなっています。
とにかく、本作に言えるのは、設定があまりにスカスカなので、どう考えても全員逃げ切れるような状況なのに
一切逃げようとしない、という一点に尽きると思われます。
せめて、もっと閉鎖的な場所で撮影することはできなかったんでしょうか。
逃げれるのに逃げずに、必要のない殺し合いが繰り広げられるので、なんとなく終始、(ソウ)ごっこ感が強く、まるで文化祭で催されている模擬店を見せられているような物語でした。
しかも本作は【WACウェルカムアメイジングシネマ2018】という特集上映ではありますが、しっかりと映画館で劇場公開されている作品です。
DVDのパッケージさえ発売されすに配信のみで終わってしまう作品が多い中、この作品を映画館で上映してしまおうという配給会社の英断には頭が下がります。
というように、なかなかの強敵登場ですが、シチュエーションサスペンス好きの方でしたら、箸休めぐらいに楽しめる要素があるのではないでしょうか。
それにしても、一応、毎年この脱出ゲームが開催されている、という事でしたが、今年は主催者のリベンジ関係で集められたメンバーでしたが、昨年まではどういうメンバーを集めていたんでしょうか?
とにかく(ソウ)ごっこがやりたくてしょうがなさ過ぎて、細かい設定とかは考えずに突っ走ってしまった、という感じでしょうか、、。
作品情報
2017年製作 スペイン製作 シチュエーションスリラー
監督・脚本 ジョルディ・カスティヨン
出演 カミラ・マサイヤス、ジョン・デ・ルーカ、デヴィッド・チェバース、ステファニー・フィゲイラ
その他のシチュエーションスリラー作品
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