おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
三蔵の錫杖を奪うため、成りすましの偽物の孫悟空と本物の孫悟空が激突する異色の西遊記!!
作品紹介
2022年1月14日公開
今回ご紹介するのは、偽物の孫悟空と本物の孫悟空が激突する異色の西遊記作品です。
それでは、まずはあらすじから、
神と仏に力を封じ込められた孔雀王は、強大な力を得られるという三蔵法師の錫杖を狙っていた。
そこで、妖怪である六耳に三蔵法師の弟子である孫悟空に化けさせ、一行に潜り込ませて錫杖を奪う計略を練っていた。
その計略にハマった孫悟空は、自身が本物である事を証明するために、真贋を見きわめられる妖怪の棲む山を目指すことになる、、、!?
もう、果てしなく繰り返される(西遊記)の映画化作品です。
流石に番外編的な物語さえ飽和状態で、お馴染みの一行が、普通に天竺に旅する物語の方が少なくなってきました。
本末転倒気味ですが、それぐらいに中国映画界で沢山製作されている(西遊記)の番外編の中でも本作は、
長寿シリーズの定番ともいえる、主人公と偽物主人公の対決、という分かりやすい変化球な作品となっています。
物語は、妖族を治める孔雀王(!!)が、神に対抗するために必要な力が宿る三蔵法師の持つ錫杖を手に入れるために、
妖怪六耳に孫悟空に化けさせ、一行に潜り込ませる、という展開で、当然そこで本物の孫悟空と対決することになり、
激突するも、意外に孫悟空に化けた六耳も妖力が強いので、勝敗が付かずに、どちらが本物かも分からなくなる、
という展開になっていきます。
で、この六耳には妖怪の恋人もいますので、そこで中国作品特有の切ないロマンス展開へとなだれ込んでいく、
といういつもの定番のストーリーとなっています。
孫悟空VS孫悟空という、本来シンプルで燃える設定で、孫悟空が二人も登場するので、超絶バトルが堪能できる作品、
という意図で製作されているとは思われますが、とにかく主演のドゥー・イーフンのおじさん感が半端なく、
勿論、物語上は凄まじく強い、というキャラクターなのですが、どうしてもそんなに機敏な動きのできる凄い存在に見えないのが、
正直少し残念でした。
ドゥー・イーフン、(王朝の陰謀謎の壁画と舞姫殺人事件)(詳しくはこちら)では、作品自体の出来不出来はさておき、
主人公のディー・レンチェという一応権威のある立場の登場人物としては、おじさん感はあっても、それはそれで役柄に合ってなくもなかったのですが、
本作に登場する孫悟空は、人間ではなく、何百年も生きる妖怪で神の領域にも入ったり、入らなかったり、
という存在ですので、そういう超自然的な存在がはっきりと人間らしい年齢を感じさせてしまう、というキャスティングでも、
製作してしまうところに、同系列作品の飽和状態が伺えるのではないでしょうか。
キャスティングでいえば、ほぼラスボス的に登場する(少林寺十八の羅漢)(詳しくはこちら)(ムーラン最後の戦い)(詳しくはこちら)などのアクションスター、グ・シャンウェイは、
若々しく、アクションもばっちりなので、そちらが孫悟空でドゥー・イーフンがラスボスぐらいなら外見的にも、
アクション的にも釣りあいがとれていると思われますが、おそらく本作はドゥー・イーフンありきで製作されている作品だと思われますので、
設定は燃えるけれども、実施にはそこまでの盛り上がりには欠ける作品となっています。
もう少し武術アクションがカッコ良く決まれば、良いのですが、、、。
で、例によってアクションは吊られワイヤーメインのアクションなので、グ・シャンウェイでさえ見せ場がほとんどない、
といった状況ですが、CG的なアクションは結構ありますので、そういうバトルは堪能できる作品となっています。
ですので、本作は武術アクションというよりも孫悟空VS孫悟空という番外編的設定と漫画みたいなバトルが見所の作品と言えるかと思います。
ただ、この分かりやすい変化球な孫悟空対決、勿論両方ともおじさんモンキー、ドゥー・イーフンが演じていて、
一人は本物、もう一人は妖怪六耳が化けているのですが、物語の見どころとしては、偽物を本物と信じてしまっている三蔵法師一行が危ない、というサスペンスと、
六耳の恋人妖怪が、本物の孫悟空を恋人六耳と信じて寄り添ってくる、という軽いサスペンスが同時進行して盛り上げていくのですが、
いざ、両方の孫悟空が顔を合わせると、若干違う衣装や、片方はフードを被っていたりと少しは区別はつけているものの、
ほとんど同じような外見で、特にどちらか見分けがつくような手がかりなども描かれていないうえに、ドゥー・イーフンもそんなにこだわって演じ分けているようにも見えませんでしたので、
どちらがどちらだったか途中から見分けがつかず、混乱しているうちに、結果的にどちらがどちらでも、どうでも良くなってしまう、
という変化球だけども大暴投で誰もバットを振らないままボールカウントだけ増えてしまうような展開になっていってしまいます。
あと、説明もなくバトルの最中に顔面が特殊効果のゴツイマスク姿に代わってしまうのも、どちら側にいた孫悟空がその姿になっているのかも区別がつかないので、
非常に混乱し、結果やっぱり、どうでも良くなる、というクライマックスとなっています。
という事で、主人公と偽主人公対決、という設定自体はそれなりに楽しめますが、そこから得られる満足感はちょっと少な目、
という作品になっていますので、(西遊記)もの作品制覇中の方や、中国作品好きの方などご鑑賞されてみてはいがかでしょうか。
あと、最近(少林寺十八の羅漢)や(ムーラン最後の戦い)等大柄キャラ役でよく見かけるロン・ヤンヤンも猪八戒役で登場しますよ。
作品情報
2020年製作 中国製作 ファンタジーアクション
監督 ルオ・ロー
出演 ドゥー・イーフン、グー・シャンウェイ、フーリン・シー、スン・ツォン、ロンヤンヤン
その他の西遊記映画化作品
中盤、孫悟空が脇役に主役の座を奪われる俳優ベニー・チャン主演の番外編(孫悟空伝MONKEY KING)はこちら
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓